【今こそオリジナルで乗る!80-90年代車再発見】 必見! RSシリーズの完成形、1984年式・日産スカイライン4ドアセダン2000ターボインタークーラーRS・X ~G-ワークス・2024年7月号より~

ケンメリGT-R以後途絶えてしまった日産製のDOHC。
それから8年の歳月を経てスカイラインにFJ20が甦る。
ところが4気筒だったため、「RS」を名乗ることになった。

G-ワークス2024年7月号掲載

半年ごとに仕様変更され、最終でターボCにAT追加

 ケンメリにGT-Rが追加されたのは1973年のこと。限定車だったため、その後はツインカムエンジンが発売されることはなく、ジャパン時代の後期にL型ターボを追加。とても高性能とは呼び難いスカイラインになってしまい、ツインカムでも排ガス規制を乗り切ったライバルのトヨタと差がついた。ところが81年にモデルチェンジしたニューマンスカイラインは2カ月遅れでRSを追加。これこそ日産DOHC復活だった。

RSに採用されたのは気筒当たり4バルブ方式を採用するFJ20型。4バルブなくしてDOHCは語れないというキャッチコピーは、2バルブだったトヨタに対し強烈なアピールとなった。DOHCとはいえ、4気筒エンジンだったことから「GT-R」とはならず、「レーシング・スポーツ」の「RS」を名乗った。

RSはその後も矢継ぎ早に仕様変更を繰り返す。83年にターボ、同年のマイナーチェンジで鉄仮面に、その2カ月後にAT仕様、84年にインタークーラー装備など、ほぼ半年ごとに変更された。中でも人気はターボCことインタークーラーターボ。だが、84年に発売されたターボCのATは知られていない。

1981年8月にフルモデルチェンジしたスカイラインは通算6代目になる。俳優のポール・ニューマンを起用したことで「ニューマンスカイライン」と呼ばれる。同年10月にDOHCのRSを追加すると83年2月にはDOHCターボのターボRSを追加。史上最強のスカイラインと命名され、同年8月のマイナーで鉄仮面顔にデザイン変更。その2カ月後にNAにATのRS・Xを新設定。84年2月にターボCが、その半年後にターボCのAT仕様が追加される。

膝を悪くしたため選んだAT仕様

DR30スカイラインの人気はインタークーラー装備のターボCに集まるが、セダンの、しかもAT仕様は非常に少ない。当時はいわば最上級スカイラインだったわけだが、やはりマニュアル車が圧倒的に多いのだ。オーナーはここ数年で3台もDR30を乗り継いだが、なぜATかといえば、数年前に左膝を痛めてしまったから。

それまで乗っていたDR30も程度は良かったのだがクラッチ操作が厳しくなり、乗り換えを考える。すると購入した専門店でターボCのATがあると聞き乗り換えた。大の旧車マニアで他にもホンダS600やいすゞ117クーペも所有している。117もマニュアルだが、現在最終モデルのATをレストア中。ATでも旧車を楽しめるように対処しているのだ。

エスも117もそれぞれ専門店で購入しているのでトラブルもなければ部品で困ることもない。この2車はノーマルで乗っているが、DR30は車高調だけ組み込んでローダウンしている。純正サスペンションは入手困難だし、ノーマル車高は高過ぎるので、専門店で製作したピロアッパーだが純正風カバーがついた車高調を入れている。

同時にバイクも大好きで60台ほど所有してきた。だが今ではナナハンを中心に国産旧車だけを残している。60歳になり、本当に好きなものだけを残そうと決めた。だから117の最終がレストアから上がるとDR30も手放してしまうかもしれないとのことだ。

エンジン

FJ20E・T型は205ps

ケンメリ以来、8年振りに復活した日産DOHCは、83年にターボ、84年にインタークーラー装備。インタークーラーのターボCは出力がグロス表記だった。

カムカバーとインテークが赤い結晶塗装になる。剥がれやすく再塗装している
スロットルまわりの部品はサビやすい。購入時に新品部品に交換されている

室内

インテリアはほぼ純正を保っている。ダッシュに割れはなくカバーをかけて養生している

水平ゼロ指針を継承するメーター。コラムの上はハンズフリー用のマイクだ
シートはRSと違いツートンのモケットになる。ここまでキレイな状態のものは少ないだろう
セダンらしく居住性の高いリヤシート。ほぼ使ってないように傷んでない

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