ニュルブルクリンク24時間レース スタート直前!! ラストレースのスバル/STI辰己英治総監督に決勝に向けた意気込みを聞いた

ヘビーウェットの路面でも果敢に攻めるカルロ・ヴァンダム選手の走り。(写真:Gruppe C Photography)
ニュルブルクリンク24時間レースの決勝日を迎えた。
現地時間16:00からの決勝スタートに向けて、各チーム最後の準備を行なっている。
そうしたなか、今年のニュル24時間レースでスバル/STIチーム総監督の勇退を表明している辰己英治総監督に話を訊いた。

—予選総合43位、クラス1位でしたがマシンやチームの状況は?
辰己英治総監督(以降辰己):
Q1もQ2も天候を含めてなかなか苦戦でした。Q1が終わったあとにエンジンに少し問題が見つかって念のためエンジン交換をしました。交換も無事に終わりQ2の終わりに走ることができ、かなりいけそうな状態に戻りました。
Q2は走り出しはドライコンディションで「これは行けるぞ!」という雰囲気でした。カルロ・ヴァンダム選手も8分50秒を絶対に切るぞという気持ちでコースに出ていったんですが、3~4km地点くらいで雨が降ってきてしまいました。これでアタックは終わりかなと思いましたが、逆にカルロはそこからの走りがすごかった。こっちがオンボードを見ていて怖くなるくらいのアタックでしたよ。おそらく、Q1でティム・シュリック選手が出していたタイムを意地でも超えたかったんじゃないかと思います。それでも、あのコンディションで8分53秒は驚きました。

決勝はもうガンガンいきたい気持ちではあるんですが、コロナの期間に参戦できていなかったり、2022年と2023年は結果が出ていないんですよ。ファンのみなさんのためにも、今年は必ず結果を出したい。周りには若干危ないクルマもいるので、ある程度の守りも必要かなと思っています。

「最後のニュルと言われるけど、やることも気分も全然いつもと一緒ですよ」と平常心を強調する辰己英治総監督。

ー天候がいかにもニュルらしく、コロコロ変わる週末ですね
辰己:
ウェットでの走りは非常に良いです。ドライバーはウェットのほうが乗りやすいように見えるほどです。予選ではエコモードのテストもやりましたが、タイムは悪くない。クルマはまあまあいけることがわかったので、確実な走りを心がけ、絶対に完走して「優勝しました!」という結果をファンに届けたいですね。

—タイムでみるとGT3マシンとGT4マシンのちょうど間にいますが、結果的にどれくらいのポジションを狙えそうですか?
辰己:
絶対的な速さはGT3勢には勝てないのですが、マシンを壊さずに24時間をきっちり走ること、そしてレースの戦略やトラブルの対応をきっちりと行なって、最終的に全体の20番あたりに入っていたいですね。

決勝日午前中、スバルのピットテント前には続々とドイツ人のスバル/STIファンが集まってきた。

日本から、そして多くのドイツのスバル/STIファンの声援を受け、いよいよこのあと現地時間16:00にニュルブルクリンク24時間レースがスタートする。

予選Q2のアタックを終えてタイミングモニターを見つめるカルロ・ヴァンダム選手。若干悔しそう。
ポールポジションはBMW M Team RMG(BMW M3 GT3)が獲得。タイムは8分10秒992。(写真:Gruppe C Photography)
予選2番手はManthey EMA(ポルシェ911 GT3R)。タイムは8分11秒398。(写真:Gruppe C Photography)
予選3番手はScherer Sport PHX(Audi R8 LMS GT3 evoII)。タイムは8分11秒406。(写真:Gruppe C Photography)

(写真&レポート:渡辺文緒)

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渡辺 文緒

渡辺文緒
1970年東京生まれ。1996年にオートスポーツ編集部、その後、オプション編集部、 F1速報誌AS+F編…