直列6気筒エンジン+「後輪駆動」を軸として、なんらかの電動化も予想。
スープラは第4世代が2002年に生産終了した後、17年の月日を経て2019年に復活。2011年から技術提携を結んでいるBMWと共同開発された。プラットフォームをBMW「Z4」第3世代と共有、製造はオーストリアの自動車製造会社であるマグナ・シュタイアのグラーツ工場で行なわれている。
実は、スープラとZ4の販売台数はともに下降傾向にあり、生産継続の決定に影響を当て与えていると噂されている。また今年初めには、BMWはZ4現行型をもって廃止されると報道、ドイツ「Automobilwoche」誌は、スープラとともに2026年に生産終了と報じている。
同誌はトヨタにスープラ次期型について尋ねたが、「今後の対応を検討中だが、現時点で発表できることはない」という回答だったという。しかし、さらに情報を求めると、トヨタモーター北米グループ副社長のデイブ・クリスト氏は、「BMWと提携し、成功しているが、次の計画を検討している。何かを作りたいと思ったら、どうやって作るかを考えるだろう」と述べた。これは、トヨタがスープラ次期型を単独で開発する可能性を示唆しているとも取れる。
スープラの存続は米国での販売台数も影響してくるが、2021年に6,830台が売れたものの、2022年には4,952台に落ち込み、昨年は2,652台と激減、2024年はさらに落ち込むことが予想される。因みにGR86と比較すると、GR86は第1四半期に2,041台を販売し、3月だけで1,364台という驚異的な販売台数を記録、その差が明確に出ている。
マグナ・シュタイアのグラーツ工場では、BMW 5シリーズ、ジャガーE-PaceとI-Pace、フィスカー・オーシャンなど、いくつかのモデルの生産がすでに終了しているか、まもなく終了する予定だと伝えると同時に、従業員500人を解雇すると発表していることも、スープラとZ4の生産終了の噂が広がった要因のひとつだろう。
しかし暗い話しばかりではない。スクープ班が独自入手した情報では、すくなくともスープラ次期型のプロジェクトは存在しているという。デザインやパワートレーンを語るのは時期尚早だが、直列6気筒エンジン+「後輪駆動」を軸として、なんらかの電動化も予想される。果たしてスープラ次期型は登場するのか、BMWと共同開発か、トヨタ単独開発なのか、電動化は…その方向性が明確にされるのは、2025年あたりと予想される。