メーカーにとって、中型以上の高級クロスオーバーSUVは、人気が衰えることなく、利益率も高い。各ブランドがフルエレクトリック時代を迎える直前だが、ライバルのメルセデス・ベンツはGLEを、BMWはX5の改良新型を、そして今、アウディはまったく新しいQ7を投入する。
ここ数ヶ月のうちに捉えられたプロトタイプは当初、同じく開発中とみられていた新型フラッグシップの3列SUV、Q9と見られていた。しかしボディサイズがQ7に近いことなどから、実際は次期型Q7であったことがわかっている。
KOLESA RUが協力してくれた予想CGでは、プロトタイプで隠されていたディテールが完全露出、ほぼこのデザインで登場するとみていいだろう。
CGでは、初代モデルのぎこちないプロポーションはなく、バランスの取れたスタンスと、研ぎ澄まされたボディシルエットが確認できる。フロントエンドには、薄くワイド化されたシングルフレームグリルを装備し、シャープなLEDデイタイムランニングライトを備える、スリムなヘッドライトに接続、スプリット(二段式)ヘッドライトユニットが初採用されている。グリルが薄くなったため、バンパーの下部グリルが拡大、エンジン冷却効果が高められる。また現行モデルと比較するとノーズは垂直になり、クラムシェルフードと一体化されていることもわかる。
側面では、フラッシュドアハンドルを初採用、ドア下部には二段に分割された特緒的なキャラクターラインでスポーティーな雰囲気に仕上げられている。後部では、ブーメランスタイルのOLEDテールライトが全幅ストリップバーで接続、美的魅力がアップしている。
車内は、現行型より拡大され、乗客と荷物に十分なスペースや豪華なキャビンが提供される。おそらく、Q6 e-tronなどのアウディの最新モデルになぞられた広大な11.9インチのデジタルインストルメントクラスターと、ダッシュボードを占めるAndroid Automotiveを搭載した14.5インチのインフォテインメントシステムが装備されることになるはずだ。また10.9インチの助手席ディスプレイをはじめ、拡張現実ヘッドアップディスプレイ、仮想現実(VR)アシスタント、22スピーカーのプレミアム“Bang & Olufsenオーディオシステム”なども期待できるだろう。
心臓部には、多様な好みに合わせてさまざまなパワートレインオプションが提供される。推測では、48ボルトのマイルドハイブリッド技術を備えた直列6気筒ガソリンおよびディーゼルユニットが有力なほか、強力なプラグインハイブリッドもラインナップされ、電気のみでの航続距離はWLTPサイクルで62マイル(100km)を超える見込みだ。また自慢のクワトロ全輪駆動システムとエアサスペンションを搭載するSQ7の導入も濃厚といえるだろう。
フルエレクトリック化前となる最後のQ7は、早ければ2025年末、遅くとも2026年初頭には正式デビューすると予想、もちろん日本市場での発売も期待していいだろう。