SUV風の演出が人気な三菱の”いい軽”「三菱eKクロス/eKワゴン」【最新軽自動車 車種別解説 MITSUBISHI eK X/eK WAGON】

ハイトワゴン系軽自動車の中でもSUV風のデザインとインテリアの上質感が印象的な「三菱eKクロス/eKワゴン」。大きな荷室の開口部、座り心地の良いシート、19種類のボディカラーなど、開発時の“いい軽”の言葉通りにユーザーに実直で誠実なクルマとなっている。23年の一部改良時にはパドルシフトのモデルもリリースされ遊び心もプラスされた。
REPORT:岡島裕二(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:佐々木萌香

上質内装で座り心地は好印象 ターボ車はパドルシフト追加

〝いい軽〞をという言葉をモチーフとして開発されたeKワゴンの主力モデルはSUV風のスタイルを採用したeKクロスだ。eKクロスはデリカD:5のようなワイルドで存在感のあるフロントマスクが特徴。同じ顔つきだったeKクロススペースがデリカミニになったため、今では独自のデザインになった。

エクステリア

厚みのあるチタニウムグレーの前後バンパーや立体感を抱かせるサイドビューが印象的。eKクロスはルーフスポイラーが標準で、ルーフレールは「Premium」系にオプション設定する。最小回転半径は4.8m。

ハイトワゴンはスーパーハイトに比べるとインテリアの質感が多少落ちることが多いが、eKクロスはデリカミニと同じタッチ式のセンターパネルが使われているので、高級感ではライバル車を確実に一歩リードする。シートも座り心地が良く、後席も適度な高さにセットされているので快適性は高い。荷室の使い勝手は良いが、後席のスライド機能が左右一体で自由度が少ないのが弱点。

インストルメントパネル

2023年11月の改良でeKクロス全車にステアリングヒーターを、「T」系にパドルシフトを追加。オートホールド付き電動パーキングブレーキは、「Premium」系に標準。eKワゴンの「M」を除きオートエアコンを標準化する。

エンジンはeKワゴンが自然吸気、eKクロスが自然吸気とターボを用意。平坦路なら自然吸気でも力不足を感じずにスムーズに走れる。eKクロスはマイルドハイブリッド搭載のため、緩加速時の回転上昇が抑えられて燃費や静粛性が向上。ターボ車になると多人数乗車時や高速道路の流入時でも楽に走れるようになる昨年からターボ車にはパドルシフトが追加され、操る楽しみが増えた。

居住性

ハンドリングはeKワゴンが街なかを走るにはちょうど良い軽快感があり、乗り心地もソフト。

うれしい装備

後席のスライドは、背もたれ中央のレバーで荷室側からも操作が可能。片手で容易に荷室を広げられる。
滑りやすい急な下り坂を一定速でクリアできるヒルディセントコントロールをeKクロスに標準装備する。
月間販売台数     804台(23年7月~12月平均値)
現行型発表      19年3月(一部改良 23年11月)
WLTCモード燃費    23.3 ㎞/ℓ ※eKクロス「G」系のFF車

ラゲッジルーム

eKクロスは全車15インチタイヤになるため、乗り心地が少し引き締まり、スポーティなフットワークが味わえる。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.157「2024 軽自動車のすべて」の再構成です。

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