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■人気フリードの派生車「フリードスパイク」がデビュー
2010(平成22)年7月8日、ホンダは人気のコンパクトミニバン「フリード」をベースに、2列/5人乗りに限定した派生車「フリードスパイク」を発表(発売は翌日)。シートアレンジや収納などの自由度を上げ、アウトドアなど5人が楽しんで遊べる新しいタイプのミニバンである。
●フリードは、取り回しの良い3列シートのコンパクトミニバン
2008年にデビューしたフリードは、先代にあたる「モビリオ」のボクシーなスタイリングから、全長をやや長くしてスタイリッシュに変貌。ホンダ独自の低床・低重心技術を採用し、人気のステップワゴンよりひと回り小さいながら、ゆとりある室内空間とライフスタイルに合わせた自由な使い方が魅力だった。
引き締まったフロントフェイス、スムーズな乗降性と利便性に優れた両側スライドドアに加え、7人乗りと8人乗りの多彩なシートアレンジが可能。パワートレインは、1.5L直4 DOHC i-VTECエンジンと、CVTおよび5ATの組み合わせで、ミニバンながら力強い走りと低燃費を実現。駆動方式は、FFとフルタイム4WDが用意された。
コンパクトながら自由度が高く、運転しやすいフリードは、約1ヶ月で約2万台を受注するなど、20代~40代の子育て世代のファミリー層から圧倒的な支持を受けて大ヒットした。
●5人が楽しんで遊べるミニバンを目指したフリードスパイク
2010年のこの日、フリードスパイクは人気のフリードの派生車として登場。3列シートの3列目を取り除き、フリード譲りの低床低重心で幅広荷室を実現。フロントマスクは、フリードと差別化するためベースよりもやや精悍なデザインが採用された。
3列シートは便利だが、実際には3列目が乗員シートとして使用される例は少ない点に着目し、2列シートに限定すれば、荷室全体をフルフラットにでき、車中泊にも対応できる。さらに、自転車なら2台積んでもまだまだ余裕があり、長尺のロングサーフボードやフィッシングロッドも問題なく収納でき、アウトドアのレジャーにも適している。
パワートレインは、フリードと同じく1.5L直4 i-VTECエンジンと、CVTおよび5速MTの組み合わせ。駆動方式は、FFと4WDが用意された。フリード同様、ミニバンながら優れた走りと燃費も注目された。
車両価格は、標準的なGグレードで169.8万円(FF/CVT)、189.7万円(4WD/5AT)。ちなみにフリードは同グレードで169.1万円(FF/CVT)、194.3万円(4WD/5AT)でほぼ同額に設定された。
フリードスパイクは、アウトドア好きのファミリー層から人気を獲得し、ベースのフリードの約半分に相当する月販3000台~4000台と堅調な販売を続けた。
●フリードスパイクはフリードプラス(+)に改名して継続
フリードスパイクは、翌2011年に1.5L i-VTECにIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)を組み合わせた独自のハイブリッドシステムを搭載して低燃費化を図り、堅調な販売を継続した。
そして、2016年にフリード初のモデルチェンジで2代目が登場。これを機に、フリードスパイクは車名を「フリードプラス(+)」に変更。フリードスパイクは、ベースのフリードとフロントマスクを変更して差別化を図ったが、フリードプラスのスタイリングは、ベースのフリードと共通とした。ただし、基本的なコンセプト(2列/5人乗車)は、フリードスパイクを継承している。
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フリードは、2023年のミニバン販売ランキングでトップの座に君論しているが、フリードスパイクを継承したフリードプラスは1/4~1/5を占めている。ファミリカーカー志向の強い昨今では、やはり3列シートの方が好まれるようである。
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