試乗インプレッションから開発秘話まで、広く深く知りたいなら『すべてシリーズ』
日本市場で12年ぶりの復活を遂げ、話題を呼んだ三菱の新型トライトン。その起源は1978年に登場したフォルテまで遡ることが可能で、以来、45年間にわたって約570万台を生産。さまざまな国で、庶民の生活を支えるワークホースとして活躍を続けている。
久しぶりの新型登場となった日本では、1トンピックアップトラックを必要とするプロフェッショナルの数は多くはない。しかし、昨今のアウトドアブームも相まって、さまざまなアクティビティを楽しむユーザーからも注目を集めているようだ。
そんな新型トライトンの情報をもっと詳しく知りたい方に手に取っていただきたいのが、ニューモデル速報第638弾『三菱トライトンのすべて』(定価:660円)だ。
【ニューモデル速報とは?】 1981年創刊(第1号は初代トヨタ・ソアラ)。試乗インプレッションやライバル車比較試乗、使い勝手徹底チェック、メカニズム詳密解説、デザインインタビュー、バイヤーズガイドといったコンテンツにより、新型車の魅力をさまざまな角度から掘り下げて解説する。
今回、『三菱トライトンのすべて』の制作にあたって印象深かったのは、三菱がこれまで歴代パジェロの開発などを通して連綿と培ってきたオフローダーに関するノウハウが、新型トライトンにも存分に注ぎ込まれているということ。それは新開発のラダーフレームやディーゼルエンジン、スーパーセレクト4WD-II、アクティブヨーコントロールといったテクノロジーにとどまらない。「こんなところにも!?」と驚くような細部に至るまで、三菱オフローダーのDNAが息づいているのだ。
その一例が、サイドステップだ。上面には溝が刻まれているのだが、実はこのパターン、パジェロと同じものなのだ。いろいろと試してみた結果、このパターンが一番スリップしにくく、水抜けが良くて凍りにくかったのだという。
他社のオフローダーではハニカム形状などデザイン性を重視したパターンを採用したサイドステップもあるのだが、それだと水が溜まりやすく、寒冷地ではすぐに凍ってしまいがちなのだとか。パジェロは惜しまれつつ2021年に生産終了となってしまったが、その魂は新型トライトンにもしっかりと継承されている…そんなことを感じさせてくれるエピソードではないだろうか。
さて、そんな新型トライトンの魅力がギュッと凝縮された『三菱トライトンのすべて』、その見どころを簡単にご紹介しよう。
試乗インプレッションでは、新型トライトンの本籍地(?)であるオフロードでの印象もたっぷりとご紹介。また、オンロードでは走り始めてすぐ、タフなイメージの印象を覆す意外な乗り味を披露した…という話の続きは、本誌でご覧ください。
ライバル比較インプレッションでは、トヨタ・ハイラックスが登場。ボディサイズはほぼ同一、エンジンも2.4Lディーゼルターボと似通ったスペックをもつ2台だが、乗り比べてみると、そのキャラクターと設計思想の違いが明らかになった。
開発者自身が新型車をつくり上げるまでの知られざるエピソードを語る開発ストーリー。新型トライトンが2ステージターボを採用したのは、標高が4000〜5000mというチリの鉱山でも使用されることを考慮したため…といった興味深い裏話を数多く聞くことができる。
デザインインタビューには、三菱自動車のデザイナー9名が登場。先代および先々代でトライトンの特徴となっていたJライン(キャビンと荷台のつなぎ目部分の緩やかなカーブ)を踏襲せず、シンプルなラインを採用したその理由など、新型トライトンの姿に込められたデザイナーの想いと狙いが明かされる。
パッケージング、ボディ構造、パワートレイン、足まわりなど、新型トライトンを構成するテクノロジーを丸裸にするメカニズム詳密解説も必読。新開発のラダーフレームや前後サスペンション、2.4Lディーゼルターボエンジンの特徴が詳細かつわかりやすくまとめられている。
使い勝手徹底チェックではインパネの仕様やシートの座り心地、乗り降りしやすさ、収納スペースをはじめとするユーテリティといった細部に注目。新型トライトンの目玉(!?)であるカーゴスペースも要チェックだ。
上記で紹介した以外にも、バイヤーズガイドや純正アクセサリー用品の紹介、カタログの縮刷版など、新型トライトンに関するあれこれが一冊に凝縮されている。ぜひ、『三菱トライトンのすべて』を手に取ってご覧になっていただきたい。