400万円台〜!電動ハイエースになれるか!? “モンスター”タジマが販売する商用ワンボックスEV「TVC-700」&「TWC-07」ってどんなクルマ?

「モンスタータジマ」で知られる田嶋伸博氏が代表を務めるタジマモーターコーポレーションが発表した新型EV群。その中に今話題の商用EVが含まれていた。三菱ミニキャブEVやホンダNバンe:で本格的に普及が始まりそうな商用EVだが、タジマコーポレーションが導入する2台はどのようなクルマなのだろうか?

サイズは日産NV200バネット以上、トヨタ・ハイエース未満の5ナンバー

TVC-700

今回発表された新型EVのラインナップに5ナンバーサイズのキャブオーバーバンとワゴンがあった。サイズ的には日産NV200バネットとトヨタ・ハイエースのややハイエース寄りに位置している。
モデルは後部を独立した荷室としている700kg積みのパネルバン「TVC-700」と、7名乗車のワゴン「TWC-07」で、基本的な仕様は共通している。

TVC-700
TWC-07

全長こそハイエースの4695mmより200mm短いが、逆にEVである点を利してホイールベースが2925mmと群を抜いて長い。逆にその分最小回転半径では不利となるが、荷室フロア長(後述)ではハイエースを上回る。

メーカータジマモーターコーポレーショントヨタ日産
車名TVC-700/TWC-07ハイエース
(DX・標準ボディ)※
NV200バネット
(DX)※※
全長4495mm4695mm4400mm
全幅1680mm1695mm1695mm
全高1990mm1980mm1855mm
ホイールベース2925mm2570mm2725mm
最低地上高165mm195mm160mm
車両重量1450kg/1390kg1630kg〜1690kg1260kg〜1270kg
最小回転半径5.5m5.0m5.2m
サスペンションF:マクファーソンストラット
R:リーフリジッド
F:ダブルウィッシュボーン
R:リーフリジッド
F:ストラット
R:リーフリジッド
タイヤサイズ175/70R14195/80R15165/80R14
駆動方式後輪駆動後輪駆動/4WD前輪駆動/4WD
乗車定員2名/7名3名/6名2名/5名/7名
※スペックは2WD車
※※スペックは2名乗車の2WD車

インテリアは商用車として至極シンプルな作りになっており、AC100V50Hz1500W電源は備えるものの装備も控えめ。横滑り防止装置(ESC)やSRSエアバッグ、ヒルホールドアシスト、車両接近警報、バックカメラ+モニター、オートレベリング機能付きオートヘッドライトやバックミラー一体型ドライブレコーダーは備える。

TVC-700の前席。前席の仕様はTWC-07と共通。装備もデザインも極めてシンプル。
パーキングブレーキはレバー式とコンサバティブだが、ドライブセレクターはダイヤル式。スポーツモードも備える。

ただし、動力性能としては最高速度が90km/hに留まり、航続距離も最大で251kmとそれほど大きくない。加えて充電方法をAC200Vの普通充電のみとしているため、バンにしろワゴンにしろ高速道路を飛ばして現場へ向かう……といった使い方には向いていない。

原動機(電動機)永久磁石モーター
定格出力/最大出力30kW/60kW
最大トルク220Nm
バッテリーCATL製 LFP長寿命電池セル
定格電圧335V
容量41.86kWh
充電AC200V普通充電(急速充電なし)
充電時間4時間(30%〜80%)/5時間(30%〜100%)
最高速度90km/h
登攀能力35%
航続距離(WLTCモード)251km
TVC-700/TWC-07の動力性能

用途としては市街地でのデリバリーや送迎、乗り合いといった短距離かつ毎日拠点に戻るような使い方が適していると言えるだろう。特に住宅街のような場所であれば、静粛性に優れ排ガスを出さないEVは歓迎されるのではないだろうか。

TWC-07

積載重量以上に荷室容積はハイエースに匹敵する?

バンは前席と荷室を完全に仕切り窓も埋めたパネルバンで最大積載量は700kg。荷室床面積は約5平方メートルを確保する。
また、ワゴンは3列シート仕様で2列目席はキャプテンシートとなっており、3列目シートへのウォークスルーが可能なほか、3列目シートを格納して荷室を拡大することもできる。

バンの荷室。二列目席もない完全な貨物車仕様。
荷室前端は前席の張り出しがやや大きい。

トヨタ・ハイエースと日産NV200バネットと荷室のサイズ比較を表にまとめみた。クルマの内寸は届出数値ではなく各社の自社調べなので完全にイコールコンディションな比較ではない点をご理解いただき、あくまで参考として見てほしい。

メーカータジマモーターコーポレーショントヨタ日産
車名TVC-700ハイエース
(DX・標準ボディ)
NV200バネット
(DX・2名乗車)
荷室長(上部)2420mm3000mm1900mm
荷室長(フロア)2510mm2470mm2040mm
荷室高1350mm1335mm1315mm
荷室幅1475mm1545mm1500mm
荷室床高600mm620mm520mm
荷室床面積約5平方メートル約3平方メートル
最大積載量700kg850kg〜1200kg650kg
荷室サイズ比較(編集部調べ)

価格はバンで400万円台……補助金次第で300万円台になるかも?

商用バンでは、三菱ミニキャブEVやホンダNバンe:など軽自動車規格のものがリリースされてきたが、このサイズの商用EVはまだまだ。それだけに商用EV市場では貴重な存在になる。価格は488万4000円(TVC-700)と547万8000円と、ハイエースと比較しても高い。

車名TVC-700TWC-07ハイエースバンハイエースワゴン
価格488万4000円547万8000円243万9500円〜420万600円294万6600円〜405万200円
価格比較

しかし、CEV(クリーンエネルギービークル)補助金が適用されれば、ガソリン/ディーゼル車との価格競争力も十分ありそうだ。
なお、タジマモーターコーポレーションでは同車の信頼性にも自信を覗かせており、車両で5年20万km、バッテリーで6年36万kmを保証対象としている。

TVC-700

環境省は国土交通省・経済産業省との連携事業として「商用車の電動化促進事業」を進めており、商用車の電動化を支援しているだけに、タジマコーポレーションのこの商用EVはひとつの試金石になりそうだ。

TWC-07

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