フェラーリ伝説のミッドシップF355、カーボンボディで現代に復活!

355 by エヴォルート
イタリアのチューナー『Evoluto Automobilim(エヴォルート・アウトモビリ)』が、フェラーリ F355のレストモッド版、『355 by エヴォルート』を公開した。

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F355はフェラーリが1994年から1999年にかけて製造・販売したミッドシップモデルで、「世界最高のスポーツカー」とも伝えられる伝説のミッドシップ・マシンだ。

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今、世界的に流行中の「レストモッド」とは、「レストア」と「モディファイ」を掛け合わせた造語で、旧車に現代の最新技術を投入して復活させることを意味する。従来の、単なる「カスタムカー/チューニングカー」とは少し意味合いが違っている。

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「最高のアナログ・ドライビング・エクスペリエンス」を提供するよう設計し直されたこの新生F355は、まったく新しいカーボンファイバーボディを備え、拡大されたエアインテーク、最新のスプリッターのほか、ポップアップ式のヘッドライトとLEDデイタイムランニングライトも装備した新設計のフロントエンドを持っている。

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サイドに目を向けると、刷新されたサイドミラー、フラッシュマウント・ドアハンドルが装備され、リヤセクションを見ると、最新のLEDテールライトリング、アグレッシブなディフューザーが確認できる。

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355 by エヴォルート

またインテリアも刷新されている。「顧客がカスタマイズできる幅広いオプション」を用意しているとのことで、公開された画像では、カーボンファイバーのトリムとメタリックのアクセント、レザーとマイクロファイバーの室内装飾が施された最先端モードのキャビンが見てとれる。

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心臓部もアップグレードされており、3.5LのV8エンジンは、200を超える新たな、あるいは再設計された部品や補器類が装備されている。その中には、新たなエンジン管理システム、コイル・オン・プラグ点火システム、より大きな吸気バルブを備えたCNCポートヘッド、特注の吸気カムシャフトに連結されたソリッド・カム・リフターなどがある。またチタン製の排気システムと、最新のトルクセンサーが組み合わされており、振動が低減されて「21世紀レベルの信頼性を獲得」しているという。

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これらすべての変更により、V8エンジンは元の379psからかなり向上した426psを発揮する。エンジンは「改良された」6速マニュアルトランスミッションと組み合わされており、「シフトチェンジのたびに最高の喜びが感じられるだろう」と言う。同社は最高速度については言及していないが、オリジナルモデルの0〜100km/hの4.7秒加速、最高速度295km/hの動力性能を大きく超えていることも間違いない。

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エンジンのアップグレードに加え、このモデルにはシャシー用の包括的なカーボンフュージングプログラムも施されているようだ。エヴォルート社は詳細には触れなかったが、「シャシーの重要なハードポイントはすべて強化されており、シャシーのたわみは最小限に抑えられている」と述べている。また、カーボンファイバー製のピラーにより、ねじり剛性が23%向上していると報告されている。

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パフォーマンスの向上に対応するため、足まわりにはミシュラン・パイロット・スポーツ4Sタイヤを履いた、特注の19インチ鍛造アルミホイールが装着された。また、ブレンボ製のブレーキシステムには4ピストンおよび6ピストンのキャリパーと、アップグレードされたパッドとラインが備わっているほか、オプションのカーボンセラミックブレーキにアップグレードすることも可能だ。

そしてこの車には「完全に新しい電気配線と電子アーキテクチャ」が採用されており、オリジナルよりも確実に信頼性とパフォーマンスが向上していると断言している。

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エボルート社はこのプログラムについて、「90年代の象徴的なイタリアン・スーパーカーの要素や魅力を再構築し、高度なドライビングダイナミクス、最先端のテクノロジー、クラスを再定義するエンジニアリングを組み合わせた究極のレストモッド・プログラムです」と語っている。

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生産台数は限定55台で、ベースのF355は顧客が用意する必要がある。価格については何も発表されていないが、かなりの高額となることが予想される。

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著者プロフィール

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APOLLO

1965年東京文京区生まれ・世田谷区在住。INS通信社を経て1996年に独立し、車ニュース配信会社アポロニュー…