正式公開されていないが、この新型パナメーラは、コードネーム「ライオン」と呼ばれ最高出力820psと伝えられている
ポルシェは2020年7月、ニュルに「パナメーラ ターボ」を持ち込み、当時世界最速となる7分29秒81を記録、ニュル北コースにおける「世界最速のエグゼクティブカー」カテゴリーで王座となった。しかしわずか数カ月後には、永遠のライバル、メルセデスAMG「GT 63S 4Matic+」がパナメーラのタイムを100分の1短縮して新王座となっていた。
そして今回、同ブランドのテストドライバー、ラース・ケルン氏がハンドルを握ったこの名も無い高性能パナメーラは、以前の最上位モデルであるターボSよりも5.64秒速い、7分24秒17のタイムを記録したのだ。
ポルシェはこの成功を、いくつかのハンドリング改善によるものとしているが、その中で最も注目すべきものの1つがポルシェ・アクティブ・ライド・サスペンション・システムだ。これは、アクティブ・ショックアブソーバーと電子制御油圧ポンプを組み合わせたもので、このポンプは、乗り心地とハンドリングを向上し、あらゆる状況で車をフラットに保つために、乗り心地を迅速かつ正確に変更することができるのだ。ポルシェによると、この車は「コーナーではバイクのように傾き、加速時には前方に傾き、ブレーキ時には後方に傾く」という。
改良されたのは車体部分だけではない。ミシュラン・パイロット・スポーツカップ2タイヤは、パナメーラ専用に開発され (フロント275/35 ZR 21、リア325/30 ZR 2)、オプションのカーボンファイバーエアロキットはフロントアクスルの揚力を排除すると言われている。また空力バランスを維持するために、アダプティブ4ウェイ・リア・スポイラーにはガーニーフラップが装備されており、リア アクスルのダウンフォースを高める。
この7:24.17というラップタイムを、ハイパーカーと比較してみると、マセラティMC12(7:24:29)、パガーニ ゾンダFクラブスポーツ(7:24:65)、生産終了したばかりのランボルギーニ アヴェンタドールLP700-4(7:25:00)より早い。
また今回持ち込まれたパナメーラ最上級車種となるモデルの車名やスペックは、正式公開されていないが、コードネーム「ライオン」と呼ばれ、最高出力820psと伝えられている。