低燃費と低価格を追求し続けるロングセラー「スズキ・アルト」【最新軽自動車 車種別解説 SUZUKI ALTO】

「低燃費と低価格」の追求という軽自動車誕生のコンセプトを変わらず保持し続ける「スズキ・アルト」。軽自動車の必要条件をシンプルに実現してきた中、現モデルは衝突被害軽減ブレーキや安全運転支援機能も充実し、インテリアも良質。老若男女、ベテラン、ビギナー問わずに誰もがそのコンセプトに賛同するであろう軽自動車の定番中の定番である。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:河辺ほのか

水平基調で運転しやすい設計 最新の衝突安全装備も標準化

初代スズキ・アルトは、1979年に47万円の低価格で発売されて大ヒットした。それ以来、アルトは軽自動車の本質とされる「低燃費と低価格」を追求している。

エクステリア

カジュアルなスタイルに演出するホワイトルーフのツートーンカラーは「A 」以外の幅広いグレードで選択可能。撮影車の最上級グレードではアルミホイールも標準装備する。最小回転半径は4.4m。

ちなみに79年当時の47万円は、大卒初任給を基準に今の価値に換算すると、約98万円になる。この価格は現行アルト「A」の106万4800円に近い。アルトの最廉価グレードは、いつの時代も「79年の47万円」に相当する価格設定で進化してきた。そして初代アルトの装備は簡素で左側の鍵穴まで省いたが、今は衝突被害軽減ブレーキなども標準装備する。

インストルメントパネル

インパネシフトを採用することでフロントシート間にボックスティッシュが収まるサイズのトレーを装備するなど収納力につなげている。助手席前の大きなパッドはSRSエアバッグを収めたスペースとして機能と意匠を両立する。

現行アルトは水平基調の外観により、ボンネットも視野に入ってボディの四隅がわかりやすい。最小回転半径は4.4mに収まり、縦列駐車もしやすい。全高は1525㎜だから、立体駐車場も利用できる。

居住性

その一方でインパネなどの内装は、安価な割に見栄えが良い。しかも軽自動車のプラットフォームは空間効率が高いから、後席の足元空間も意外なほど広い。身長170㎝の大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシふたつ半だ。頭上にも握りコブシひとつ弱の余裕があるから4名乗車にも適する。

うれしい装備

月間販売台数      3041台(23年7月~12月平均値)
現行型発表       21年12月(一部仕様変更 23年11月)
WLTCモード燃費     27.7 ㎞/ℓ※「ハイブリッド」系のFF車

ラゲッジルーム

車両重量はFFなら700㎏前後と軽く、自然吸気でもパワー不足を感じない。WLTCモード燃費は、自然吸気が25.2㎞/ℓでマイルドハイブリッドなら27.7㎞/ℓに達する。運転のしやすさ、軽さ、低燃費、低価格を追求し続けている。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.157「2024 軽自動車のすべて」の再構成です。

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