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■レヴォーグのトップグレードとして登場したSTIスポーツ
2016(平成28)年のこの日、スバル「レヴォーグSTIスポーツ」がデビュー。レヴォーグSTIスポーツは、2014年にデビューして人気モデルとなった「レヴォーグ」のトップグレードとして、スバルのモータースポーツ統括会社であるSTIとのコラボで開発されたスポーツモデルである。
●レガシィ・ツーリングワゴンをコンパクトにしたレヴォーグ誕生
レヴォーグの先代にあたるのは、1989年にデビューした「レガシィ」である。セダンとツーリングワゴンの2タイプが用意され、当時最強の220psを発生する2.0L水平対向DOHCターボエンジンとフルタイム4WDを組み合わせ、スバルが誇る唯一無二の優れた運動性能を生み出した。
特に、お洒落なスタイリングと走りを極めたツーリングワゴンは大ヒットモデルとなり、ステーションワゴンという新しいジャンルを開拓。しかし、レガシィは北米を意識してボディが徐々に大きくなったため、日本市場用にダウンサイジングして2014年に誕生したのがレヴォーグである。
レヴォーグは、扱いやすいボディサイズながら、十分な室内空間を確保し、ルーフ後端を低く抑えた流麗なスタイリングを採用。パワートレインは、最高出力170ps/最大トルク250Nmの1.6L(FB16型)&300ps/400Nmの2.0L(FA20型)水平対向DOHC直噴ターボエンジンとCVTの組み合わせ、駆動方式はもちろんフルタイムAWD。さらに、当時最も進んでいた安全運転支援技術「アイサイト」の最新ver.3を搭載された。
多くのスバリストの原点回帰の熱望に応えたレヴォーグは、低迷したワゴン人気のなかでも人気を集めることに成功した。
●レヴォーグの最高級グレードとして追加されたSTIスポーツ
レヴォーグ誕生の2年後、2016年のこの日、レヴォーグSTI スポーツがデビューした。STIとのコラボによって誕生したが、STIのコンプリートカーではなく、レヴォーグのトップグレードとして位置付けられたカタログモデルである。
パワートレインはベースと同じだが、足回りやボディにSTIならではの専用チューニングが施された専用サスペンションや、専用デザインのフロントバンパー・グリル、LEDフォグランプ、18インチアルミホイール、大型マフラーカッターなどが採用され、スポーティさをアピールした。
STIスポーツは、標準モデル305.6万円に対して348.8万円(1.6L)、356.4万円に対して394.2万円(2.0L)と約40万円高額に設定された。STIスポーツは、従来のSTIシリーズのように走りに特化するのではなく、レヴォーグの高級バージョンをアピールするのが狙いであり、その分価格設定も控えめだった。
発売1ヶ月の受注は3000台を超え、STIスポーツはレヴォーグ全体の40%を占める人気を獲得した。
●2代目レヴォーグではSTIスポーツRに進化
2020年10月に、レヴォーグは初めてのモデルチェンジで2代目に移行。シャープな形状のヘッドライトを装備し、全体的にはアグレッシブなスタイリングに変貌した。
新旧レヴォーグで大きく異なるのはエンジンである。2代目は、実用回転域のトルク特性を重視した最高出力177ps/300Nmの新型1.8Lターボ(FA24型)だけに統一された。
そして、最高級グレードSTIスポーツも、「レヴォーグSTIスポーツR」と名称を変更。なかでも「STIスポーツR EX」には、275ps/375Nmの2.4L水平対向DOHC直噴ターボエンジン(FA24型)を搭載。スペックだけを見ると、先代(2.0L)のSTIスポーツより劣るが、2.4Lの太いトルク特性や高いボディ剛性、スポーティな足回りなど全体的に質感が向上し、力強くて扱いやすいスポーツモデルとして仕上がっている。
ちなみに、車両価格はSTIスポーツ Rが438.9万円、STI スポーツR EXが477.4万円とかなり高額である。
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レヴォーグSTIスポーツは、走りに特化したSTIコンプリートカーとは異なり、比較的落ち着いた雰囲気で大人っぽく仕上げていた。やや物足りないという声もあったようだが、当初のユーザーの78%が40歳以上だったことからも、目論見通り大人のスポーツモデルとして成功したのではないだろうか。
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