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■アクアと同じHVシステムTHS IIを搭載したカローラHV
2013(平成25)年8月6日、トヨタは「カローラアクシオ/カローラフィールダー」にハイブリッドモデルを追加。アクアと同じ(1.5Lアトキンソンサイクルエンジン+THS II)ハイブリッドシステムで、クラストップの燃費33.0km/Lを達成し人気に拍車をかけた。
大衆車の王道を歩み続けているカローラ
カローラは、1966年のデビュー以来、半世紀以上にわたり日本を代表する大衆車として、ロングランヒットを続け、2021年11月時点のグローバル販売台数は5000万台を超え、2024年現在も累計販売台数で世界1位の座に君臨している。カローラ10代目までの歴史を簡単に振り返ってみる。
・初代(1966~1970年)
パブリカとコロナの中間的な位置づけで、半年前にデビューした日産自動車「ダットサンサニー」に対抗しデビュー。サニーより排気量が100cc大きい1.1L直4エンジンを搭載し、“プラス100ccの余裕”というキャッチコピーで、人気のサニーを凌駕して大衆車トップの座に君臨。
・2代目(1970~1974年)
カローラスプリンターが独立して兄弟車「スプリンター」が誕生、1972年には「カローラレビン/スプリンタートレノ」も追加され、ワイドバリエーションを展開。
・3代目(1974~1979年)
衝突安全性能に対応するため大型化し、ハードトップやリフトバックなどさらにワイドバリエーションを進め、生産台数世界一を記録。
・4代目(1979~1983年)
直線的なスタイリングとなり、レビン専用だった1.6L直4 DOHCエンジンをカローラのスポーツグレードにも搭載。また、現在のカローラフィールダーの元祖となるワゴンが登場。
・5代目(1983~1987年)
それまでのFRレイアウトからカローラ初のFFに変更。ただし、レビン/トレノはFRを継続、このタイミングで誕生したレビンが、現在も高い人気を誇るAE86。
・6代目(1987~1991年)
バブル景気の波に乗って高級志向となり、DOHCエンジンを多くのモデルに採用し、レビンにはスーパーチャージャーモデルを設定。1990年に、国内の年間最多販売台数30.8万台を記録。
・7代目(1991~1995年)
さらに高級志向は進み、ボディサイズも拡大し、高級感のある大衆車に変貌。
・8代目(1995~2000年)
バブル崩壊とともに、ボディサイズは変えずに最大50kg軽量化に成功。4ドアハードトップの「セレス」と、ミニバンの「スパシオ」が追加。
・9代目(2000~2006年)
「New Century Value」をコンセプトに、プラットフォームやエンジンを一新。スポーツグレードのレビンと兄弟車スプリンターを廃止し、ワゴンは「フィールダー」を名乗る。
・10代目(2006~2012年)
セダンに「アクシオ」のサブネームが付き、プラットフォームは日本専用設計に変更。
11代目はダウンサイジングしカローラ初のHV登場
2012年5月に登場した11代目カローラの特徴は、燃費低減のために徐々に大きくなったボディをダウンサイジングして、翌2013年にさらなる燃費低減のためにHVモデルを追加したこと。
HVシステムは、高効率の1.5L直4 DOHCアトキンソンサイクルエンジンに、アクアと同じリダクション付きハイブリッドTHS IIを組み合わせ、システム全体の最高出力は100psに達した。バッテリー容量に余裕があれば、車速60km/hまでEV走行ができる。
その他にも、エンジン各部のフリクション低減やクールドEGR、電動ウォーターポンプの採用などによりエンジン自体の効率も向上し、燃費はクラストップレベルの33.0km/L(JC08モード)を達成した。
車両価格は、標準的なグレードGでカローラアクシオHVが207.5万円、カローラフィールダーが216.5万円の設定で、受注1ヶ月で6000台を超え、その後も堅調な販売を記録した。
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アクシオとフィールダーにHVが設定された翌月2013年9月から、カローラの月販台数は翌年3月までの7ヶ月間でそれまでの約2倍近い1万台越えを達成した。なぜトヨタの看板モデルであるカローラに2013年までHVが設定されなかったのか不思議に思っていたが、この結果を見る限り、カローラファンはHVを待ちわびていたということなのだろう。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。