AXCR2023を3位という好成績でデビュー戦を飾った新型トライトンだったが、AXCR2022ではチーム三菱ラリーアートの復活を勝利で飾っているだけに、2024年は王座奪還が期待される。
そのため、トライトンは市販車に近かった2023年仕様から大幅に開発を進め、まさに”戦うクルマ”に仕上がっているという。
6月下旬の800kmの現地テストにより、4リンクリジッド+ツインショックアブソーバーに変更されたリヤサスペンションまわりのセッティングを煮詰め、進化した動力性能と走破性を確認。さらに8月6日のテストで実戦に向けてのシェイクダウンを実施。車両を万全の体制として本番に望む。
増岡浩チーム三菱ラリーアート総監督は
「トライトンはワイドトレッド化に加え、ダカールラリーを制したパジェロのノウハウも注ぎ込み、大幅に動力性能を向上させています。アベレージが100km/hを超えるような高速ステージでも全開で走ることができ、従来の強みである悪路走破性と優れたハンドリング性能と合わせて狙い通りに仕上がりました。チームも4台体制とすることで、各クルーがしっかりと役割を果たしてくれると思います。2年ぶりの総合優勝はもちろん、過酷なモータースポーツの経験をクルマづくりに活かすという三菱自動車の伝統を受け継いでいきます」
とコメントした。
クイックサポート1台にサポートカー6台という万全体制
さらに今年は、三菱自動車のトップテストドライバーをエントリーリストに加え、クイックサポートカーとして競技車両と共に走らせるだけでなく、サポートカーを6台投入。
2023年はデリカD:5をサポートカーとして走らせて話題を呼んだが、2024年はなんとデリカミニもサポートカーに加わっている。
デリカミニは三菱が培ってきた4WDシステムを搭載しており、その走破性は増岡浩総監督もデリカミニ発表時にお墨付きを与えたほど。過酷なAXCRにおいても、その走破性、三菱自動車らしい堅牢性を発揮して競技車両を力強くサポートすることだろう。
加えて、サポートカーにはアウトランダーPHEVも用意。アウトランダーPHEVは先代モデルが2013年から2015年のAXCRに出場し、3年連続完走。2015年は総合20位、T1-3クラス(電気自動車クラス)優勝をはたしている。サポートカーではあるが、現行モデルがAXCRの舞台でどのような走りを見せるのか気になるところだ。
競技車両が走るコースサイドを視察する増岡総監督が乗るデリカD:5のサポートカーは、悪路走破性をより高めるため車高を約20mmリフトアップした専用のサスペンションを装着。アルミ製エンジンガードも装着されている。
サポートカーは全車競技車両と同じWORK製アルミホイールを装着。「CRAG T-GRABIC II」や「WORK EMOTION M8R」(アウトランダーPHEV)をセレクトしている。さらにタイヤも競技車両と同じ「GEOLANDAR」ブランドのオフロードタイヤを装着。マッドフラップやルーフキャリアなどの装備を追加してフラットダートからマッドまでラリー全行程をサポートできる仕様になっている。
さらに、サポートカーも全車が競技車両と同様のエネルギッシュなレッドを基調とし、巻き上げる砂埃をデジタライズしたグラフィック、強固な岩盤をイメージしたガンメタリックカラーのデザインにまとめられており、タフな装備と合わせてカスタム派の参考になりそうだ。