ニュル高速テストに出現したプロトタイプは、依然として厳重なカモフラージュがほどこされており、ディテールは見えてこない。ただし、以前に捉えたプロトタイプに見られたフロントバンパーの可動式エアインテーク(アクティブベント)が固定式スラットに置き換えられえていることから、グレード違いではないかと思われる。
また、ヘッドライト周辺にカモフラージュが見られるが、現行型よりコンパクトサイズになることを偽装しているのだろう。
そして最大の注目はそのサイズで、ホイールベースがかなりストレッチされていることがわかる。次世代型ではボディが大型化され、初の3列7人乗りが導入されそうだ。
量産型では、マカンEVと同様に、プレミアムEV用に設計されたフォルクスワーゲングループの“PPEモジュラープラットフォーム”を採用する。このプラットフォームは柔軟性が高く、複数のサイズのカテゴリーにおいて普及版モデルと高性能版モデルとを生み出すことができる。
マカンEVの場合、このプラットフォームは100kwh(使用可能95kwh)のバッテリーパックと、各車軸を駆動するモーターをサポートする。現在、マカンEVの総合出力はターボグレードで630ps、最大トルク1128Nmを発揮するが、カイエンEVでは、最上位ターボグレードに“クワッドモーター”パワートレインの採用が予想されており、その場合は最高出力800ps以上も期待できるだろう。
また、PPEプラットフォームの800ボルトアーキテクチャと、バッテリーセルの最適化技術により、最大270 kWの急速充電が可能になる。フォルクスワーゲングループ内の他のモデルから類推すると、約20分で10~80%の充電が可能になり、理想的な条件下では、ほぼ空の状態からわずか10分で最大160マイル(255 km)の走行距離が走行可能となる量の充電が完了する。
次期型カイエンEVのワールドプレミアだが、開発に遅れが生じているようで、現段階では、早くても2026年初頭となると思われる。