この新型モデルは、AMG史上初の完全電動スポーツカーとして2025年に登場予定とされている。実質的にAMG「GT4ドア」の後継モデルとして大型で超スタイリッシュなデザインが期待され、多様なEVモデルのラインナップ強化に向けた第1弾モデルだ。
写真はAMGの開発センターがあるニュルブルクリンク周辺の道路で捉えたプロトタイプだが、この付近にはスウェーデンの企業「オーリンズ」もある。実はこのプロトタイプがオーリンズを行き来している所が目撃されているのだが、オーリンズは、高度なサスペンション技術で有名のため、量産型にはオーリンズ製の新世代サスペンションの採用が期待できそうだ。
プロトタイプ自体はこれまでと同レベルのカモフラージュをまとっており、新たな発見はないが、タイヤのサイズが変わったことに気づいた。このプロトタイプは21インチのホイールにハイグリップのミシュランタイヤを履いており、サイズはフロントが275/35、リヤが315/35であることがわかった。
量産型には次世代プラットフォーム「AMG.EA」アーキテクチャを採用。同社はこれを「数々の新しいイノベーションの先駆けとなる技術的な先駆者」と表現している。
その中心となる要素は軸流電動モーターだ。同社はこの分野で最高のパフォーマンスを提供するために、最近、英国の軸流モーター専門企業「YASA」(ヤサ)社を買収している。このモーターは特別な高性能高電圧バッテリーと組み合わせることで、非常に高いレベルの電力密度とトルクを特徴としているという。
YASAの最高責任者であるWoolmer氏は以前、メディアに「生産予定のユニット1台の重量はわずか53ポンドですが、最大480馬力を発揮します。これらのモーターを2つ使用すれば、AMGは1000馬力近くまで出力できます」と語っている。
また洗練されたデザインも効率をさらに高めそうだ。AMG GT4ドアEVプロトタイプには、アクティブリアスポイラーがはっきりと確認できるが、AMGのF1マシンやハイパーカーで使用されているものと同様のアクティブエアロダイナミック機能も予想される。
同ブランドは先月「主要市場で2020年代末までにフルエレクトリックモデルのみ発売する計画を断念した」と発表した。代わりにガソリン車を次の10年、おそらくそれ以上の期間も提供し続ける計画に変更した可能性もあり、ガソリンエンジンを搭載したGT 4ドアクーペは以前の計画よりも長く残ると予想される。
つまり、この新型EVはICE搭載AMG GT4ドアの後継モデルではあるが、このEVとICEの2つのバージョンはしばらくの間は並行して販売される可能性が高い。