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2代目 トヨタ プロボックス/サクシード (P160系) (2014年~) 仕事も遊びも、走る相棒!
中古車価格帯: 54-237万(ハイブリッド車/カスタム車除く) 平均中古車価格:145.5万円
2014年に登場した2代目トヨタ プロボックスは、商用車としての頑丈さと信頼性を持ちながら、個人ユーザー向けに少しずつ変化を遂げてきたモデルで、2024年9月現在、この2代目が現行モデルになります。ここでは公式に則って2代目としましたが、実質的には初代モデルのビッグマイナーチェンジとも言えます。
堅牢なプラットフォームとシンプルなデザインは、カスタム車のベースとして非常に優れており、さまざまな用途に対応可能です。中古車市場では程度の良いショップ製のカスタムカーやコンプリートカーが比較的手ごろな価格で流通しているのも特徴の一つと言えるでしょう。かつてはサクシードという兄弟車がありましたが内容はほぼ同じで、中古車市場ではどちらも同価格帯です。また、2018年からマツダにファミリアバンとしてOEM供給されています。
エンジンは1.3Lと1.5Lが用意されていますが、自家用車として使用するなら余裕のある1.5Lの方が良いでしょう。また1.5Lのハイブリッド車もあります。駆動方式はFFのほか4WDも用意されていますので、好みに応じて選ぶことが可能です。また、ボディが軽量なため意外と速く、しっかりした走りを見せてくれます。ここではひとまず1.5LのFFのFグレードを今回のオススメとしておきます。
プロボックスは、もともと商用車として設計されていることから、長期間にわたって信頼できる堅牢な作りによる高い耐久性、日常使いにおいて大きな魅力となる燃費の良さと維持費の低さ、カスタムの可能性が広がるシンプルな外観とインテリアおよびアフターパーツの充実は、多くのマニアからこの車の長所に挙げられています。また、息が長い車なので現行車種であることも強みの一つでしょう。
反面、弊メディアがオーナーに対して実施している『モーターファン ユーザーアンケート』によると、もともと商用車ゆえにサスペンションは荷物の積載が前提のため空荷時の乗り心地はやや硬めであり、実用性重視の車のため、内装の質感が他の乗用車に比べるとシンプルで豪華さに欠ける部分があるとの声が寄せられています。
詳細スペック: 1.5L F (FF) / DBE-NCP160V型
全長×全幅×全高(㎜)=4245×1690×1525
ホイールベース(㎜)=2550
エンジン:1.5ℓ 直列4気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:109ps(80kW)/6000rpm
最大トルク:13.9kgm(136Nm)/4800rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1090
燃費:18.2km/L(JC08モード)
新車価格:158.3673万円
※2014年発売当時のスペック
初代 スバル レヴォーグ (VM型) (2014-2020年) スポーティな走りのDNAはここでも健在
中古車価格帯:76-263万円(STI除く/1.6L車のみ) 平均中古車価格:169.5万円
スバル レヴォーグは、走りの楽しさと実用性を両立したハイパフォーマンスワゴンです。スバル自慢のシンメトリカルAWDと水平対向ターボエンジンが組み合わされたモデルで、悪天候や荒れた路面でも安定感のある走行が楽しめます。現行モデルは2020年に登場した2代目に当たるVN系ですが、中古車市場ではまだタマ数が少なく値落ちもしていないので、今回のオススメは初代モデルとなります。とは言え、その特徴は現行の2代目モデルと変わりはありません。レヴォーグは今回ご紹介している中では間違いなく、最も「走り」に特化している車ですが、重量は最も重いため、「4WDの走りを楽しむ」と言った方が正しいかもしれません。
先述の通り、レヴォーグはスバル自慢のAWDシステムと独特の水平対向ターボエンジンにより、力強い加速と安定した走行が可能です。エンジンは1.6Lと2.0Lの2種類が用意されており、どちらも捨てがたいのですが、今回は中古車市場でも比較的値段がこなれている1.6Lの方をオススメしておきましょう。一番人気はスポーツ・グレードであるSTIですが、こちらも状態の良し悪しが割と激しいため、「今、比較的安心して乗るなら」という条件で1.6GT-Sアイサイトをオススメとしておきます。
また、レヴォーグには比較的多くのアフターパーツが存在し、エンジンチューニングからエクステリアまで、カスタムが楽しめます。さらに、スバル独自のアイサイトをはじめとする先進の安全装備が充実しており、長距離ドライブでも安心感は高いでしょう。
その一方で、『モーターファン ユーザーアンケート』では、水平対向ターボエンジンのため燃費は他車に比べて悪くなる傾向があり、パフォーマンスの高いモデルゆえに、タイヤやブレーキパーツなどの消耗品のコストが高めだという声が見られます。
詳細スペック: 1.6 GT-S アイサイト (4WD) / DBA-VM4型
全長×全幅×全高(㎜)=4690×1780×1490
ホイールベース(㎜)=2650
エンジン:1.6ℓ 水平対向4気筒DOHCターボ
駆動:4WD
最高出力:170ps(125kW)/4800~5600rpm
最大トルク:25.5kgm(250Nm)/1800~4800rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1550
燃費:16.0km/L(JC08モード)
新車価格:305.6400万円
※2014年発売当時のスペック
4代目 日産 AD (Y12型) (2006年~) 軽快に、自由に、そして頼もしく
中古車価格帯: 35-180万円(1.6L車のみ) 平均中古車価格帯:107.5万円
日産 ADもトヨタ プロボックス同様に商用車としてのイメージが強い車ですが、現行の4代目には3代目ウイングロードという乗用仕様の兄弟車がありました。商用仕様のみとなってからも、そのシンプルで使いやすい設計は、個人ユーザーにも根強い人気を誇っています。特に、シンプルなボディと高い実用性は、カスタムのベース車としても魅力的なようです。
現行モデルは先述のように2006年に登場した4代目モデルですが、登場からかなり年月が経っているため、現行モデルの初期型は中古車市場でもかなりおトクな価格で購入できます。また、当初はADバン/ADワゴンと呼ばれていましたが、この4代目からADの名に統一されました。ただし2016年11月から2021年5月まではNV150という車名に改められた期間があります。この2016年11月までは、乗用仕様に近いADエキスパートという車種がありましたが、現在ではADの上級グレードである「エキスパート」グレードという位置づけになっています。また、マツダにはファミリアバンとして、三菱に対してはランサーカーゴとしてOEM供給されていました。
エンジンは1.2~1.8Lと多彩でしたが、2024年9月現在では整理されて1.5Lと1.6Lの2種になっており、1.5L車はCVTでFFのみ、1.6L車は4ATで4WDのみとグレードが整理されています。ADはかなりインテリアがシンプルですが、エキスパートGXというグレードでは後席にもヘッドレストが装備されるなど、かなり内容が乗用車に近づきますので、今回はこれをオススメとしておきます。
ワゴンとしての荷室の広さはADはトップクラスで、アウトドアや引っ越しなど、大きな荷物を運ぶのにも対応する実用性の高さを誇ります。また、軽量で取り回しが良く、街中での使い勝手が非常に良好です。さらに、今回の3車種の中でも中古市場で最も手頃な価格で購入できるため、カスタム費用に余裕を持てる点も魅力の一つでしょう。また、トヨタ プロボックス同様に現在も現行車種であることも強みの一つです。
その反面、『モーターファン ユーザーアンケート』では、商用車ベースのエンジンはパワーに乏しく走りの楽しさでは他車に劣る部分がある、価格相応のシンプルな内装は、豪華さや快適性を求めるユーザーには不向きかもしれないという声が寄せられています。
詳細スペック: エキスパートGX (FF) / 5BF-VY12型
全長×全幅×全高(㎜)=4395×1695×1500
ホイールベース(㎜)=2600
エンジン:1.5ℓ 直列4気筒DOHC
駆動:FF
最高出力:110ps(81kW)/6000rpm
最大トルク:14.9kgm(146Nm)/4000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1150
燃費:19.0km/L(JC08モード)
新車価格:182.38万円
※2021年発売当時のスペック
2代目トヨタ プロボックス/サクシード、初代スバル レヴォーグ、4代目日産 ADはいずれも、走行性能、カスタムの楽しさ、そして実用性を兼ね備えたステーションワゴンです。それぞれに独自の特長と長所・短所があるため、自分のライフスタイルや目的に合わせて最適な一台を選んでみてください。