SPA2プラットフォームを採用、最大111kWhのバッテリー、最高出力402ps
初代S60は、それまでのボルボの特徴であった角張ったデザインを曲線に変更、V70のプラットフォームを流用して2000年に発売された。現行型となる3代目は2019年に登場、すでに5年が経過しており、北米での生産中止が決定、EVへの移行にともない、すべての市場での終焉が近づいていると伝えられている。
しかし、希望の光はある。現在同ブランドでは、「S60」と「S90」の後継モデルの開発に着手しているという。入手した情報によると、フロントエンドは、従来のグリルに代わる空力シールド、高解像度の1.3メガピクセル「トールハンマー」ヘッドライトを装備するなど、EX30 SUVおよびPolestar 5の影響を調和させたデザインになるという。
側面は、力強いプロポーションを特徴としており、筋肉質のキャラクターライン、フラッシュウィンドウグレージング、最終的には後方への途切れない空気の流れを確保するフラッシュドアハンドルも採用される可能性がある。後部では、S60のイメージを継承する「C」字型OLEDテールライトを装備する。
キャビン内では、間違いなく高級感と最先端のテクノロジーの融合を提供してくれるだろう。ボルボの他の最近のモデル、特にEX90と同様に、広々としたキャビンにはモダンでスリムなインストルメントパネルと、幅広のフィンエアベントが備わり、風通しの良い雰囲気に仕上げられる。また、照明付きの天然木やウール混紡、織物などの天然素材の使用は、ボルボの持続可能性への取り組みを反映するはずだ。
デジタルのハイライトには、車の機能を直感的に制御でき、EX90にインスパイアされた縦長の大型15インチタッチスクリーンや、車に近づいた瞬間からユーザーエクスペリエンスを向上させ、ウェルカムシーケンスを有効にするデジタルキーなどが予想される。
市販型では、SPA2プラットフォームを採用、最大111kWhのリチウムイオン バッテリー容量を使用し、デュアルモーターにより最高出力402ps(300kW)を超える出力と、最大トルク910Nm を発揮する。大容量バッテリーは、WLTP サイクルで 373 マイル(600km)の航続距離を実現、これはライバルとなるメルセデス・ベンツ「CクラスEV」が持つと予想される、300マイル(480km)を圧倒する数値だ。また、DC急速充電をサポートしているため、30分未満でバッテリーを10%から80%まで充電できる。この航続距離と急速充電の組み合わせにより、ES60はパワフルであると同時に実用的になることは間違いない。
ES60のワールドプレミアは、2025年後半から2026年前半とみられ、市場では前述CクラスEVの他、近々発売予定のBMW「i3」、フルエレクトリック「A4」新型、テスラ「モデル3」などと競合するだろう。