中古100万円以下からイケる個性派コンパクトカーで欧州車入門はいかが?

今回の【モーターファンおすすめ中古車】は、中古車市場で100万円以下から買える、まさに下駄代わりで使える小さな個性派欧州車、ルノー トゥインゴ、フィアット 500、フォルクスワーゲン up!の3車種ご紹介しましょう。

個性あふれる3台の欧州コンパクトカー

フィアット 500C (2019年モデル)

コンパクトながらも個性的なデザインや機能を持つルノー トゥインゴ、フィアット 500、フォルクスワーゲン up!の3車種は、もともと欧州ではシティコミューター、つまり主に街中の移動手段=下駄代わりとして使われるクルマとして知られています。日本で言えば軽自動車が担っている役どころでしょうか。それゆえ質素で使いやすいという共通点がありますが、それぞれの特長や長所、短所などを見ていきましょう。

3代目ルノー トゥインゴ(2014年~)/ユニークなエンジン配置だが意外と実用性は高い

ルノー トゥインゴ(2019年モデル)

中古車価格帯: 66-286万円 平均中古車価格:176万円

3代目トゥインゴの最大の特徴は、エンジンをリヤに配置したユニークなRR(リヤエンジン・リヤ駆動)レイアウトです。この設計により最小回転半径が非常に小さく小回り性能に優れ、都市部の狭い路地や駐車も楽にこなします。また、リヤエンジンによる前席の広さと後部座席のレッグルームの確保に成功し、実用的な車内空間が確保されています。さらに、フランス車ならではのカラフルでポップ、ユニークでおしゃれなデザインが、街中でひときわ目を引き、オーナーのファッションセンスを際立たせます。尚、本車のインテリアデザイナーは実は2代目アルピーヌA110と同じロラン・ネグローニという方で、一部界隈ではいわゆる飛行機オタクのイラストレーターとして有名です。そのため、アルピーヌA110は最新ビジネスジェット機のコクピットを、本車は戦前の民間複葉機のコクピットをモチーフにデザインされたそうです。

ルノー トゥインゴ(2019年モデル)

また、本車には2014年から2021年まで製造販売された2代目スマート フォーフォー(W453型)という兄弟車がありました。こちらはダイムラー系列の会社のクルマなのでドイツ車的なデザインを持っています。好みに合わせ、こちらを選ぶのもアリでしょう。

ルノー トゥインゴ(2019年モデル)

その反面、弊メディアがオーナーに実施している『モーターファン ユーザーアンケート』には、リヤエンジン配置により、エンジン音や振動が車内に響きやすく、特に高速走行時に騒音が気になるという声や、リヤエンジンのためトランクスペースが限られ、荷物を多く積むのは難しいという声が見られました。また、日本国内ではややマイナーなため、整備時にパーツの入手に時間がかかることがあるかもしれないという声もありましたが、現在、ルノーは日産との協力関係にあるため、そのあたりの心配は他の外国車と比較すれば比較的軽微でしょう。また2024年9月現在、現行車種である点も強みと言えるでしょう。

詳細スペック: インテンス (RR) / DBA-AHH4B型

全長×全幅×全高(㎜)=3620×1650×1545

ホイールベース(㎜)=2490

エンジン:0.9ℓ 直列3気筒DOHCターボ

駆動:RR

最高出力:90ps(66kW)/5500rpm

最大トルク:13.8kgm(135Nm)/2500rpm

使用燃料:無鉛プレミアムガソリン

トランスミッション:6DCT(EDC)

車重(kg):1010

燃費:21.7km/L(JC08モード)

新車価格:189万円

※2016年発売当時のスペック

3代目フィアット 500(2007年~)/ かわいいデザインと軽快な走りはイメージ通り

フィアット 500 (2019年モデル)

中古車価格帯: 26-338万円 平均中古車価格:182万円

往年のフィアット500をモチーフにしたレトロでキュートなデザインが、3代目フィアット 500の最大の魅力です。幌製の天井を備えたオープントップモデルは500Cとなります。レトロモダンなデザインと豊富なカラーバリエーションは、街中でもおしゃれに映えますし、丸みを帯びた内外装のデザインは、他にはない独特の雰囲気を醸し出します。もちろんデザイン性だけのクルマではありません。全長約3.6mというコンパクトなボディは都市部での取り回しに最適で、軽快なステアリングとしっかりとした足まわりで、街中のドライブが楽しいことでしょう。また、小型エンジンにより、燃費が良く経済的です。トランスミッションはATに分類されていますが、実際にはデュアロジックと呼ぶATモード付きシーケンシャルトランスミッション(MT)です。この車は同じフィアットの3代目パンダや2代目フォードKaとは兄弟車となります。

フィアット 500 (2019年モデル)

しかしながら弊メディアが実施している『モーターファン ユーザーアンケート』には、コンパクトなデザインのため、後部座席や荷室が狭く、4人での長距離移動には不向きであるとか、硬めの足まわりにより路面の凹凸を感じやすく、長距離ドライブでの快適性に欠けるといった声が寄せられていました。さらにデュアロジックにまつわる不安の声も見られます。これは基本的に、こまめに交換するべき専用オイルの交換不備に起因するようですので、愛車のメンテナンスに無頓着な方にはオススメできないというものでした。また、輸入車特有のメンテナンスコストがかかり、パーツの供給に時間がかかることもあるという声も見られましたが、これは本車に限った事ではないでしょう。2024年9月現在、現行車種である点は強みと言えます。

フィアット 500 (2016年モデル)

詳細スペック: 1.28Vラウンジ(FF) / ABA-31212型

全長×全幅×全高(㎜)=3545×1625×1515

ホイールベース(㎜)=2300

エンジン:1.2ℓ 直列4気筒SOHC

駆動:FF

最高出力:69ps(51kW)/5500rpm

最大トルク:10.4kgm(102Nm)/3000rpm

使用燃料:無鉛プレミアムガソリン

トランスミッション:5AMT(デュアロジック)

車重(kg):1010

燃費:15.6 km/L(JC08モード)

新車価格:225万円

※2008年発売当時のスペック

フォルクスワーゲン up!(2012~2020年)/ ドイツらしい愚直な作りと高い安全性能が魅力

フォルクスワーゲン UP! (2012年モデル)

中古車価格帯: 29-252万円 平均中古車価格:140.5万円

シンプルで実用的なデザインのフォルクスワーゲン up! は、広い室内空間と高い安全性能を備えたエントリーモデルです。実用性に重きを置いた設計ながら、フォルクスワーゲンらしいしっかりとした品質が感じられます。コンパクトながらも、室内スペースが広く、特に頭上に余裕があるため、開放的な乗り心地です。また、小型エンジンと軽量ボディにより燃費性能が良好で、経済的に使用できます。加えてエマージェンシーブレーキなどの先進安全装備が搭載されており、小型車ながら安心感がある点も見逃せません。

フォルクスワーゲン UP! (2012年モデル)

その反面、『モーターファン ユーザーアンケート』に寄せられた声には、燃費重視設計の小型エンジンのため、高速道路や坂道でのパワー不足を感じることがあるというものや、独特のトランスミッションの動きにギクシャク感があるというもの、ホイールベースが短いため段差や凹凸のある路面での跳ねる感覚が強く、長時間移動にはやや不向きかもしれないというもの、実用性を重視しているため内装は質素で、豪華さを求めるユーザーには物足りないかもしれないというものが見られました。今回の3車種の中では唯一の絶版車種になります。

フォルクスワーゲン UP! (2012年モデル)

詳細スペック: ムーブ アップ! (FF) / DBA-AACHY型

全長×全幅×全高(㎜)=3545×1650×1495

ホイールベース(㎜)=2420

エンジン:1.0ℓ 直列3気筒DOHC

駆動:FF

最高出力:75ps(55kW)/6200rpm

最大トルク:9.7kgm(95Nm)/3000-4300rpm

使用燃料:無鉛プレミアムガソリン

トランスミッション:5AMT(ASG)

車重(kg):920

燃費:23.1km/L(JC08モード)

新車価格:168万円

※2012年発売当時のスペック
ルノー トゥインゴ (2016年モデル)

これら3車種はそれぞれ異なる魅力を持ちつつも、シティコミューターとしての性能を十分に発揮してくれます。オシャレな街乗り車が欲しい方や、個性的なドライブ体験(いずれもAT免許で運転可能ですが、トランスミッションは実際には自動モード付きのMT)を求める方にいかがでしょうか?

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