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「ジャパンモビリティショービズウィーク2024」は、モビリティ関連企業と次世代を担うスタートアップによる、ビジネス共創を生み出すイベントとして開催される。ホンダブースではハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」の特長を活かし、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)など、DXの視点を加えた新たな移動体験のパートナー探索や、自転車に取り付ける電動アシストユニットと、それに連動するスマートフォンアプリによりさまざまな自転車を電動アシスト化・コネクテッド化できるサービス「SmaChari(スマチャリ)」の販売、取り扱いパートナーの意向獲得を図る。
また、社会課題解決に向けた新事業創出プログラム「IGNITION(イグニッション)」、スタートアップ企業とホンダのコラボレーションを促進するオープンイノベーションプログラム「Honda Xcelerator Ventures(ホンダ・エクセラレーター ベンチャーズ)」の紹介により、参加・来場企業とのコミュニケーションを図る予定だ。
このほか、一般社団法人 日本自動車工業会 合同展示エリアでは、燃料電池車「CR-V e:FCEV(シーアールブイ イーエフシーイーブイ)」や、電動二輪パーソナルコミューター「EM1 e: (イーエムワン イー)」などの車両を展示する予定だ。
「UNI-ONE(ユニワン)」
ユニワンは、着座型で両手が自由に使えるパーソナルモビリティ。ロボティクス研究から生まれたバランス制御技術とホンダ独自の車輪機構「ホンダ オムニ トラクション ドライブ システム」」の採用により、ユニワンの特長である目線が立位に近く両手が自由になることで、周囲の人とコミュニケーションしながらの移動が可能だ。さまざまな人の移動をアシストし、自身の力で移動する楽しさと移動したい原動力を生み出す。今回、ユニワンにDXの視点を加えることで、新しい未来の移動体験をともに提供するパートナーの探索とコミュニケーションを図っていく。
「SmaChari(スマチャリ)」
スマチャリは、スマートフォンアプリと自転車に取り付ける電動アシストユニットで構成され、日本初(ホンダ調べ)となる、法規に準拠する出力制御技術により、さまざまなタイプの自転車を電動アシスト化・コネクテッド化することが可能だ。また、スマートフォンアプリを通じて、個人に合わせたアシスト出力の最適化、故障の検知、走行データ管理、位置情報の共有、所有者情報の管理など、コネクテッド機能を活用したさまざまな機能・情報を利用できる。
ホンダは、スマチャリのスマートフォンアプリを提供するとともに、スマチャリを搭載した自転車を製造・販売する企業に対して、電動アシストユニットの制御ソフトウェアに関する技術を始めとする各種ライセンス、ならびにスマチャリを運用・管理するコネクテッドプラットフォームを有償で提供する。
スマチャリは今後、幅広い自転車への搭載を目指すとともに、システムを継続的に進化させていく。
「IGNITION(イグニッション)」
イグニッションは、従業員の持つ独創的な技術・アイデア・デザインを形にし、社会課題の解決と新しい価値の創造につなげる新事業創出プログラムとして、2017年にホンダの研究開発子会社である株式会社本田技術研究所でスタートし、2021年にはホンダ全社に対象を拡大した。
その後、対象を社外に拡大し、社外のアイデアとホンダの技術や知見を組み合わせることで、より一層、社会課題解決と新しい価値創造につなげることを目指している。また、社外への支援を通じ、将来の協業やアライアンスの可能性を探っていく。今年は一般公募の中から下記3テーマを採択し、ホンダは各々の社会課題の解決に向けて支援している。
【一般公募採択テーマ】
●起立や長距離歩行が困難な下肢運動機能障がい者向けの「すばやい立ち上がり動作」と「立ったままの移動」を実現するモビリティ(Qolo株式会社 江口洋丞CEO)
●脳卒中患者が手軽に楽しみながらリハビリに取り組める歩行リハビリテーションシステム(国立大学法人筑波大学 バーチャルリアリティ研究室 矢野博明教授)
●自分好みのビオトープで、ロボットとともに植物を育てることを通して自然に愛着を感じ、環境意識を育むことで自然保護を目指す“ロビオトープ”(独立行政法人国立高等専門学校機構 沼津工業高等専門学校 蔭山朱鷺さん)
「Honda Xcelerator Ventures(ホンダ・エクセラレーター ベンチャーズ)」
ホンダ・エクセラレーター ベンチャーズは、ホンダが推進するスタートアップ企業とホンダのコラボレーションを促進するオープンイノベーションプログラム。ホンダは同プログラムを通して、日本、北米、欧州、イスラエルなど、グローバルで先進技術を有する多くのベンチャー企業に出資・協業している。
昨年4月には、グローバルでのコーポレートベンチャリング機能を担う「ホンダ・イノベーションズ株式会社」を日本に設立。ホンダの全社戦略と連動しながら、革新的な技術やアイデアを持つスタートアップへの出資・協業をスピーディに行える体制を整えた。
【スタートアップへの出資事例】
●教師なし学習によるAI画像認識技術を持つHelm.ai社(米国)
●電池からレアメタルを効率良く抽出する株式会社エマルションフローテクノロジーズ(日本)
●小型モジュール型核融合発電を開発するnT-Tao社(イスラエル)
ホンダは将来有望な先端技術やビジネスモデルを持つスタートアップ企業などに対して、年間100億円規模の予算を確保し、AIや合成燃料、電池のリサイクル、核融合発電などの領域において、将来を見据えた先端技術のスタートアップへ出資を行い、技術・事業の幅を広げることを目指している。