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サーキットで磨かれたポテンザブランドの真価
最新モデル「ポテンザRE-10D」は、サーキットでのラップタイム短縮を追求したハイグリップスポーツタイヤとして先ごろにデビュー。国内最大級のワンメイクレース「TOYOTA GAZOO Racing・GR86/BRZカップ」の競技規定を満たしたこのモデルは、ブリヂストン独自のタイヤの接地面を可視化する計測技術「アルティメット アイ」によって最適な接地性を追求。専用設計した新パタンの採用と構造・形状の最適化を実施しているのが特徴となっている。モータースポーツで培った技術を惜しみなく投入することで、ポテンザらしいサーキットから一般道走行まで、速さと走りの楽しさを提供するモデルなのだ。
ポテンザ始まりの1本は時代を動かしたハイパフォーマンスタイヤ
そんな最新の技術もブリヂストンが、これまでの長年かけて積み上げたモータースポーツでの実績が裏付けとなっていることは間違いない。特に1979年に誕生したポテンザブランドは、サーキット走行を主な目的とする「ポテンザRE47」からスタートしている。そのため極限の環境で求められる性能を満たすことを目指し、時代とともに様々な技術革新を行ってきている。実際に現在もモータースポーツの場は「走る実験室」として捉えているため、ここで得られたノウハウは次世代のタイヤ開発にもつながっているというわけだ。
欧州にも認められたプレミアム性能
そんなポテンザのターニングポイントとなったのが「ポテンザRE71」。1984年に登場したこのモデルがポルシェの承認を受け、1986年にはポルシェ959に標準装着されることが決まったのだ。もちろん標準装着されるタイヤは時速300km/hオーバーでの安定性を求められるため、既存製品のさらなるブラッシュアップが行われ厳しい生産管理が行われていたという。
以降、ポテンザはポルシェ標準装着タイヤとして数々のモデルに装着され、サーキットでのタイム請負人としてだけでなく、プレミアムスポーツタイヤとしての商品力を高めていくこととなる。
上質を求める全てのユーザーに向けての進化
とは言っても、ポテンザの主軸はあくまでもモータースポーツにある。その後も新たな技術を基にした商品開発を行い続け、フォーミュラからグループAさらにサンデーレースなど様々なマシンに提供することで、貪欲なまでにノウハウの蓄積を行なっていた。中で特に記憶に残るのは全日本選手権に出場したカルソニックスカイライン。このマシンの勝利を支えたのもポテンザなのである。
モータースポーツでの勝利と欧州自動車メーカーに認められるプレミアム性。一見すると全く違った目的にも思える2つの性能ながら、その本質は走りを楽しむことにある。この基本コセプトを見失うことなく、その後もモデルチェンジを行ったポテンザは、日本を代表するハイパフォーマンスタイヤの代名詞にまで成長。さらにモデルラインアップを増強することで、現在ではスポーツカーからミニバン、軽自動車オーナーなど幅広い“タイヤの性能にこだわる”ユーザーを満足させるブランドへと発展しているのだ。