グランツーリスモ世界大会の東京ラウンドで日本人選手が優勝!夜の首都高速もレースの舞台に!

9月28日、東京・新宿で「グランツーリスモ ワールドシリーズ ラウンド3 東京」が開催され、世界中から集まったトップクラスのeスポーツドライバーたちが熱戦を繰り広げた。この東京ラウンドでは「マニュファクチャラーズカップ」と「ネイションズカップ」の2つの主要レースが行われた。東京での開催は5年ぶりとなる。

5年ぶりの東京ラウンド開催、世界のトップ選手が集結!

会場には700人を超える観客が詰めかけ満員となった。大会の模様は世界に配信された。

「グランツーリスモ ワールドシリーズ」は、世界中のトッププレイヤーが参加する公式eスポーツ大会で、プレイステーションの人気レースゲーム「グランツーリスモ7」を使用して競われる。この大会は「マニュファクチャラーズカップ」と「ネイションズカップ」の2部門に分かれ、それぞれ国別と自動車メーカー別に対戦する。各ラウンドは世界各地で開催され、2024年シーズンは全3戦のワールドシリーズ、12月に開催されるワールドファイナルでチャンピオンが決定される。今回の東京大会はラウンド3となる。

マニュファクチャラーズカップでは、グランツーシリスモに登場する世界の自動車メーカー全27社から、オフィシャルパートナーであるトヨタ、ジェネシス、マツダを含む、12マニュファクチャラーが参加する。開催地域の各マニュファクチャラー代表選手ひとりが出場する個人戦で戦い、ワールドファイナルでは各開催地区から3人の代表選手が集いチーム戦で戦う。

ステアリングのフィードバックもリアルに再現されたコントローラーを使用する。

ネイションズカップでは、各国の代表プレイヤーが自国の名誉をかけて争う。オンライン予選で世界各地から選ばれた12名の選手が参加し直接対決。ワールドシリーズの開催地によって出場選手が入れ替わるマニュファクチャラーズカップとは異なり、全3戦のワールドシリーズとワールドファイナル、すべて同じメンバーで争われる。

レクサスが巧みなレース戦略で勝利

レクサスの川上がポールトゥーウィンで勝利した。

マニュファクチャラーズカップの予選セッションは今回も激戦となったが、ポールポジションを獲得したのはレクサスの川上 奏だ。注目の日本人選手勢は、2位にシボレーの後藤優介、3位にマツダの宮園拓真、4位にトヨタの山中智瑛、7位にマツダの國分諒汰と続いた。各自動車メーカーが誇る市販車をベースにしたレーシングカーで、オーストラリアのマウントパノラマ・サーキットを舞台に22週のレースを争う。ポールポジションからスタートしたレクサス川上はソフトタイヤを選択、2位以下はミディアムやハードを選択。周回を重ねて燃料を消費し、少しでも車重が軽くなった後半にソフトタイヤを投入する作戦だ。レクサスはタイヤに厳しいという車両特性だが、川上は最初にソフトタイヤでリードを広げ、ミディアムで周回を重ねる粘りの走りを見せる。最後にハードタイヤで逃げ切るという作戦で見事に優勝を飾った。レクサスは今季2勝目となる。2位はスバルの宮園、3位はBMWの鈴木聖弥という順位となった。

ラウンド3終了時のポイントランキングは、首位にレクサス、2位にポルシェ、3位にBMW、4位にマツダと続いている。

優勝は川上 奏、2位は宮園拓真、3位は鈴木聖弥となった。
レースストラテジーのセンスは参加選手の中でも最高レベルと評される、マツダの國分は諒汰は4位でフィニッシュ。

夜の首都高を舞台にチューンドカーが激しいバトル!

世界から予選を勝ち上がった12名の選手で争うネイションズカップは、市販車を使用した10周の準決勝スプリントレースと、近未来的なフォルムを持つシングルシーターのレーシングカー「X2019 Competition」を使用するグランドファイナルで争われる。日本勢は宮園拓真、佐々木 拓眞が参戦する。

準決勝スプリントレースの舞台は夜の首都高速をイメージした、トーキョーエクスプレスウェイが舞台だ。ロングストレートと中高速コーナーが連続する区間で構成される東ルート外回りを1000馬力級のチューニングカーが、最高速度400km/hオーバーの戦いを繰り広げる。

夜の首都高を舞台に1000PS超えのチューンドカーがバトル。
日産GTR NISMO R-32やフェラーリF40、ホンダNSX、4ローターのマツダRX-7、トヨタ・スープラも登場。

ポールポジションは宮園拓真、セカンドローに佐々木 拓眞と日本勢は絶好のポジションでレースをスタートさせた。エスケープゾーンが無いに等しい首都高速では中位グループの混戦では壁への接触も発生する激しいレース。スタートから首位を守りつつけていた宮園も9周目のストレートでイタリアのヴァレリオ・ガロにオーバーテイクされる、気迫で追いかける宮園はファイナルラップの最終コーナーでブレーキングを遅らせ加速重視のコーナリング、ゴール前のストレートガロを抜き返し優勝。3/1000秒の僅差でチェッカーを受けた。2位にヴァレリオ・ガロ、3位に佐々木 拓眞となった。

スプリントレース優勝の宮園拓真「一瞬も気を抜くことができない緊張感のあるレースだった、とても疲れた!」と振り返った。

ネイションズカップグランドファイナルは、グランドバレーハイウェイを舞台に27周のレースで争われる。スプリントレースのリザルト順にグリッドが決定するため、ポールは宮園、フロントローにガロ、3位に佐々木と続く。ソフト、ミディアム、ハードの3種類のタイヤ使用義務と給油の必要があるためピット戦略が勝負の鍵となる。

スプリントレースで優勝した宮園がポールポジションでレースをスタート。

首位の宮園はスタート時にソフトタイヤを選択、2位のガロを含む中位グループはミディアム、下位グループはハード選択するという展開。スタート直後の2周目で下位グループは一斉にピットインしハードからミディアムに履き替える作戦をとった。

24周目に9番グリッドからスタートのキリアン・ドルモンが宮園に迫り、25周目でオーバーテイク。

首位の宮園はソフトで逃げ切り、ミディアムからハードでリードを温存する作戦だったが、スプリントレースで集中力が切れたのか、序盤のミスで1.5秒ほどタイムをロスし思ったよりタイム差を広げられず、25周目に9番グリッドからスタートのキリアン・ドルモンにオーバーテイクされる、続く26周目にはホセ・セラーノに抜かれ、3位で宮園はチェッカーを受けた。佐々木 拓眞は4位でフィニッシュ。
優勝はキリアン・ドルモン、2位にホセ・セラーノ、3位に宮園拓真、4位、佐々木拓眞となった。

ラウンド3終了時のポイントランキングは、首位にキリアン・ドルモン、2位にホセ・セラーノ、3位に宮園拓真となった。

優勝はキリアン・ドルモン、2位にホセ・セラーノ、3位に宮園拓真

「スガンツーリスモ ワールドシリーズ 2024 ワールドファイナル – アムステルダム」は、12月6日(金)から12月8日(日)に開催予定となっている。詳細はグランツーリスモ公式HPでご確認いただきたい。

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