日産「スカイラインクーペ」2代目、初代よりパワーアップ&プレミアム感をアピールし369.5万円~登場【今日は何の日?10月2日】

日産2代目スカイラインクーペ
日産2代目スカイラインクーペ
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日は、12代目V36型「スカイライン」をベースにした2代目CKV型「スカイラインクーペ」が誕生した日だ。11代目V35型スカイラインをベースにした初代CPV型スカイラインクーペより、さらにハイスペック化を図ったプレミアアムクーペである。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・新型スカイラインクーペのすべて、スカイラインのすべて

■米国カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した2代目スカイラインクーペ

2007(平成19)年10月2日、日産の2003年に誕生した初代「スカイラインクーペ」がモデルチェンジし、2代目がデビューした。2代目スカイランクーペは、12代目V36型スカイラインをベースにし、パワーアップしたVQ37VHRエンジンを搭載し、さらなる走りと内外装をブラッシュアップした。

日産2代目スカイラインクーペ
2007年にデビューした日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」
3.7L V6 DOHC(VQ37VHR)エンジン
日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」搭載の3.7L V6 DOHC(VQ37VHR)エンジン
日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」のフロントシート
日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」のフロントシート

初代スカイラインクーペのベースは11代目スカイライン

初代スカイラインクーペのベースとなった11代目V35型スカイラインは、世界に通用する“21世紀に向けた理想のプレミアムスポーツセダン”を目指して2001年6月にデビューした。

11代目V35型「スカイライン」
日産初代CPV35型「スカイラインクーペ」のベースとなった、2001年にデビューした11代目V35型「スカイライン」

その特徴は、エンジンを前車軸後方に配置する新世代“フロントミッドシップ(FM)パッケージ”を採用した、スポーティな走りと高級サルーンの乗り心地を両立させたこと。ショートオーバーハングと大径タイヤを履いたスポーティなスタイリングで、縦目2灯の異形ヘッドライトや、片側18個を連ねたブレーキランプなどが特徴的だった。

エンジンは、先代の直6 からV6に切り替えた。パワートレインは、最高出力260ps/最大トルク33kgmを発揮する3.0L V6 DOHC(VQ30DD)と5速ATの組み合わせ、および215ps/27.5kgmの2.5L V6 DOHC(VQVQ25DD)と4速ATの組み合わせが用意された。駆動方式はFRベースだが、アテーサE-TSを備えたフルタイム4WDが追加された。

よりスタイリッシュな初代(CPV型)スカイラインクーペ誕生

V35型スカイラインの約1年半後の2003年に登場したのが、初代CPV35型スカイラインクーペである。“スタイリッシュ&高性能”をコンセプトに流麗なクーペスタイリングに、FMパッケージによってパワフルな走りと高度なハンドリング性能が実現された。

日産初代CPV型「スカイラインクーペ」
2003年にデビューした日産初代CPV型「スカイラインクーペ」

また、セダンと共通のL字型テールランプながら、その中にLEDを丸形に配列して、セダンとは異なるスカイライン伝統の丸形テールランプを復活させたのも特徴だった。パワートレインは、セダンよりハイパワーの280ps/37.0kgmを発揮する3.5L V6 DOHC(VQ35DE)エンジンと、5速ATおよび6速MTの組み合わせが用意され、車両価格は325万~356万円に設定された。

米国では「インフィニティG35・スポーツクーペ」の車名で投入され、“カー・オブ・ザ・イヤー”を受賞するなど高い評価を受けたが、日本市場では月販400台を超える程度の微妙な結果だった。

2代目スカイラインクーペのベースとなったのは12代目スカイライン

12代目となるV36型スカイラインは、基本的にはV35型のキープコンセプトで2006年にデビューした。先代譲りの流麗なスタイリングが継承され、ホイールベースは同一ながら全長と全幅が若干拡大され、全高は僅かに下げられた。

日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」のベースとなった2006年にデビューした12代目V36型「スカイライン」
日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」のベースとなった2006年にデビューした12代目V36型「スカイライン」

パワートレインは、最高出力225ps/最大トルク26.8kgmを発揮する2.5L V6 DOHC(VQ25HR)と315ps/36.5kgmの3.5L V6 DOHC(VQ35HR)の2種エンジンと、一本化された5速ATの組み合わせ。駆動方式は、先代同様FRをベースにフルタイム4WDが設定された。

新たに4輪操舵(4WS)や可変ステアリング、自動ブレーキシステム、前車追従型クルーズコントロールなどがオプション設定され、先代に対する安全装備の進化も特徴だった。

さらに走りと装備をブラッシュアップした2代目スカイラインスポーツ

日産2代目スカイラインクーペ
日産2代目スカイラインクーペ
日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」のコクピット
日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」のコクピット

V36型スカイラインの約1年後、2007年のこの日登場したのが、2代目CKV36型スカイラインクーペである。キャッチコピー“日本に、クーペのときめきを”のもと、フロント周りはヘッドランプの内側に回り込んだフェンダーラインや抑揚感のあるエンジンフード、精悍なヘッドランプなどを装備して、クーペならでは流麗なラインが構成された。

日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」のリアビュー
日産2代目CKV36型「スカイラインクーペ」のリアビュー

シャシーや足回りは専用チューニングが施され、他にも4輪アクティブステア(4WAS)やビークルダイナミクスコントロール(VDC)、車速感応式パワーステアリング、インテリジェントコントロール(低速追従機能)など先進技術も多く盛り込まれた。
パワートレインは、先代より大幅にパワーアップした333ps/37.0kgmを発揮する3.7L V6 DOHC(VQ37VHR)と6速MTおよび5速ATの組み合わせ。車両価格も、369.5万~447.3万円と大きくアップした。

日産2代目スカイラインクーペ
日産2代目スカイラインクーペのスタイル
日産2代目スカイラインクーペ
日産2代目スカイラインクーペのインテリア&エンジン

市場に放たれたCKV36型スカイランクーペは、月販目標200台に対して発売後2週間で受注1562台に達し好調に滑り出しが、その後は徐々に低迷して2016年には国内生産を終えた。

日産2代目スカイラインクーペ
日産2代目スカイラインクーペ

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1970年代~1980年代はクーペスタイルがブームとなり人気を博していたが、バブル崩壊によってクーペはセダンとともに市場から淘汰された。しかし、最近になってクーペのようなスタイルのSUVやセダンが増えている。40年以上経った今、クーペスタイルの人気が復活するのか注目したい。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…