高級路線を開拓したロングセラーモデル「トヨタ・ハリアー」【最新国産SUV 車種別解説 TOYOTA HARRIER】

エレガントなSUVとして誕生し、4代目となる今もその魅力は変わらない「トヨタ・ハリアー」。ガソリン、ハイブリッドのラインナップに22年秋には待望のプラグインハイブリッドモデルも追加され、確かなブランド力はさらに高まったと言える。専用開発の19インチタイヤ装着モデルの静粛性と操縦安定性の高さは特筆ものだ。
REPORT:青山尚暉(本文)/青山尚暉(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:日南まみ

乗り味や静粛性の高さは絶品 他車を圧倒する自慢の快適性

国内のSUVブームの火付け役ともなった1台がハリアー。現行モデルは4代目で2020年にデビュー。SUVにして土の香りがせず、ホテルのエントランスにも似合うフォーマル感、トヨタの高級サルーン並みの乗り心地や静粛性といった快適感もハリアーの人気の秘密。

流麗なルーフライン、フロントからリヤにかけての造形を水滴のようなティアドロップ形状とすることで、シャープさを強調。赤色の横一文字テールランプは、後ろ姿に先進性の高さを付与している。最小回転半径は5.7m。

パワートレインは主力のHV、ガソリン(FF/4WD)、そしてハリアー誕生25周年の22年に加わった、RAV4譲りのシステムを譲り受けた、それまでのハリアーになかったPHEVも揃う。こちらはシステム出力306㎰を誇り、最上級グレード「Z」、4WDのみの設定となる。

インストルメントパネル

馬の鞍を想起させる幅広なセンターコンソールからセンタークラスターまでの連続感のある造形、ソフトパッドなどを使った質感の高さが特徴。エアコンは左右独立式で、コネクティッドナビ対応ディスプレイオーディオを標準装備。

2.0ℓエンジンを積むガソリン車でも乗り心地は高級サルーンに匹敵するが、いかんせん、アクセルペダルを踏み込んだときの車内へのエンジンの透過音が大きめ。開発陣イチ押しのHVは自慢の快適性に加え、ウルトラスムーズな加速感、車速を問わない車内の静粛性が魅力だが、専用開発の19インチタイヤ装着車だと乗り心地は重厚にしてやや硬め。スポーティな乗り味となる。

居住性

では、HVで専用開発ではない18インチタイヤになるとどうかと言えば、良路では静かで快適ながら全体的な静粛性の高さから、荒れた路面ではロードノイズが目立つのが惜しまれる。

うれしい装備

「Z」系にオプション設定される電動サンシェード付き調光パノラマルーフは、スイッチを押すことで調光、透過状態を切り替えることができる。
PHEVは左にEV/HV切り替え用、右にAUTO EV/HVスイッチを配置。AUTO EV/HVモードはモーターとエンジンを使った力強い走りが可能。
月間販売台数    5475台 (23年9月~24年2月平均値)
現行型発表     20年6月(一部改良&新エンジン追加 22年9月)
WLTCモード燃費   22.3 ㎞/ℓ ※ハイブリッドのFF車

ラゲッジルーム

HVに対して200㎏以上重くなる普通充電のみ可能なPHEVのEV走行可能距離は実質90㎞程度と長く、その範囲なら無論、EV走行に徹する。19インチのオールシーズンタイヤによる乗り心地と操縦安定性のハイレベルなバランスも見事だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.158「2024-2025 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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