実は一番売れてる輸入ミニバン!? シトロエン・ベルランゴがモデルチェンジ!フロントマスクのデザインは新型と旧型どっちが好き?

2024年10月4日(金)、ステランティス・ジャパン株式会社はシトロエンのMPV(Mult-Purpose Vehicle=マルチパーパスビークル)「ベルランゴ」および「ベルランゴ・ロング」の最新モデルを発表・発売した。有明ガーデンギャラリーにて行われた発表会の様子と、実際に提示されたベルランゴを紹介しよう。
REPORT&PHOTO:MotorFan.jp

輸入CセグメントMPVナンバーワン

シトロエン・ベルランゴは2020年の日本導入以来、累計1万台を販売。今や日本におけるシトロエン車の中で最も売れているモデルとなっており、これまで2000台〜3000台だったシトロエンの年間販売台数を5000台にまで跳ね上げた立役者でもある。

シトロエン・ベルランゴ

ベルランゴは日本で販売されるシトロエン車の約半数を占めるだけでなく、これまでルノー・カングーが不動の人気だった輸入MPV市場においても、デビュー以来トップシェアを獲得してきているという。

2021年〜2023年の輸入CセグメントMPVの販売台数とシェア。ベルランゴはこの市場で約30%のシェアを占めてきている。

この市場においてはルノーがカングーを、ステランティスはベルランゴの兄弟車としてプジョー・リフター、フィアット・ドブロも販売している。兄弟車の販売比率はベルランゴが約6割、リフターとドブロがそれぞれ約2割ずつということだ。上記のシェアから推察するとこの兄弟車で市場の約半数を占めることになり、この兄弟車のポテンシャルと人気の高さを窺わせる。

プジョー・リフターロングGT
フィアット・ドブロ

この兄弟車の中で最も人気があるのがベルランゴなのだが、今回のフェイスリフトを伴うマイナーチェンジが人気を加速することになるのか、気になるところ。

エクステリア

ベルランゴは子育て世代や趣味をアクティブに楽しむ層を中心に、その独特のデザインやフランス車ならではの走りなどに魅力を感じるクルマにこだわりのあるユーザーに支持されてきた。特にこれまでの曲線を多用したシトロエンデザインが「人と違うクルマに乗りたい」という個性派ユーザーにマッチしていたと言えるだろう。

新型ベルランゴ

しかし、新型ベルランゴではフロントマスクを一新。シトロエンの最新デザインラインである「オリ・コンセプト」に由来するマスクを採用している。これは、これまでの曲線的なデザインから直線的なデザインになっており、ベルランゴはもちろんシトロエンの新型車のイメージを大きく変えている。

2022年のパリモーターショーで発表されたオリ・コンセプト(左)のデザインを踏襲し、ベルランゴだけでなく新型C3やC3エアクロスもこの新型フェイスを採用する。

このオリ・コンセプトからシトロエンのエンブレム「ダブルシェブロン」も新しくなり、シトロエン創業時のロゴをオマージュした縦長のオーバルを採用。これまでよりクロームパーツを減らしピアノブラックのグリルを配している。

新型ベルランゴのフロントフェイス。

ヘッドランプまわりはLEDを採用し、縦横ラインのシグネイチャーが特徴的。また、バンパーに埋め込まれたフォグランプまわりも、これまでの大きな楕円デザインから小型化された縦長のデザインに変わり、縦方向のアクセントラインもあしらわれている。

新エンブレム
LEDヘッドランプ、フォグランプとアクセントライン。

刷新されたフロントマスクに対してサイドやリヤに特に変更はない。

新型ベルランゴのサイドビュー。
新型ベルランゴ・ロングのサイドビュー。
新型ベルランゴ・ロングのリヤビュー。

従来モデルのシトロエンデザインがかなり個性的だったため、新型ベルランゴはむしろ個性が薄れたような印象を受ける。実際、既存ユーザーは機能面はもちろんその個性的なデザインに魅力を感じているという。逆に、クルマにあまり詳しくないユーザーには、新型のデザインはポジティブな印象だそうだ。

新型ベルランゴ・ロング(グリーンシルカ)

ステランティスジャパンでは、この好調なベルランゴに日本車からの乗り換え需要をさらに喚起するとともに、新規ユーザーへのアピールに力を入れてゆく方針を示した。そのため、ベルランゴによるアクティブなライフスタイルを感じさせるムービーを制作。ネット広告やTVCMで放映されているので、チェックしてみてはいかがだろうか。

インテリア

新型ベルランゴのコックピット。

ブラックとグレーを基調にしたシンプルな構成のインテリアは実用車を感じるところだが、白いラインの入ったシートはシックながらオシャレな雰囲気も醸し出している。

新型ベルランゴのフロントシート。

新型ではメーターが従来のアナログタイプからデジタルメーターになり、表示は好みに応じて変更することができるようになった。また、ステアリングは2本スポークの楕円形状とすることで操作性を向上。ステアリングヒーターも標準装備となっている。

センターコンソールはややドライバー側に向けられている。

新型ベルランゴではミリ波レーダーを追加してアクティブクルーズコントロール(ACC)の性能を向上。停止3秒以内であれば自動再発進が可能になった。さらに、レーンポジショニングアシスト機能を追加。車線維持支援によりロングドライブ時の疲労を軽減する。

新型ベルランゴのステアリング。上端と下端を削って僅かに楕円になっている。
新型ベルランゴではデジタルメーターを採用。こちらのモニタも10インチ。表示内容は変更可能。

クルーズコントロールやスピード設定のスイッチを、これまでのステアリングコラム上から一般的なステアリングスポークに移設。ステアリングから手を離さず操作できるようになったので、より使いやすくなっている。

10インチタッチディスプレイ。Apple CarPlayやAndoroid Autoのミラーリングが可能。
エアコンの操作パネルは物理スイッチ。インフォテインメントシステムとスマートフォンが接続できるUSBコネクタはタイプCが2つ。シフトセレクターはトグルタイプ。

センターコンソールに設置されたタッチスクリーンは従来の8インチから10インチにサイズアップ。インフォテインメントも刷新し、Apple CarPlayやAndoroid Autoに対応したUSB(タイプC)コネクタも装備された。

前席
後席
リヤシートは座面、背もたれともに独立した形状。
センターコンソール後端には後席用のエアコン吹き出し口。操作は風量調節のみ。その下にUSB(タイプA)ソケットがひとつ。
フロントシートバックには左右ともテーブルとシートバックポケットを用意。
リヤクォーターウインドウ横にドリンクホルダー。右側のみDC12V電源も設置。
助手席
後席

展示車両は5名乗車(ベルランゴ)と7名乗車(ベルランゴ・ロング)が用意されていたが、7名乗車のベルランゴ・ロングは三列目シートを外してラゲッジルームを拡大、荷物を満載した状態での展示だっため、三列目シートを見ることができなかった。しかし、二列目シート以降には特に変更はないため、従来モデルと同様と考えて良いだろう。

車名ベルランゴベルランゴ・ロング
全長4405mm4770mm
全幅1850mm1850mm
全高1830mm1850mm
ホイルベース2785mm2985mm
最小回転半径5.6m5.8m
車両重量1600/1630(特別仕様車)1660
乗車定員5名7名
ボディサイズ

ラゲッジスペース&ユーティリティ

ベルランゴの魅力は実用車ならではの多彩なシートアレンジと積載量だが、これは従来モデルから変更はない。ベルランゴは最大2162L、ベルランゴ・ロングは最大2693Lまで積載可能。ベルランゴ・ロングは助手席まで倒せば前後長最大3060mmの収納スペースを確保できる(ベルランゴは2700mm)。

5名乗車のラゲッジルーム。
カーゴルームランプは左サイド。
トノカバーは上下二段に移動可能。
トノカバーはハードタイプ。
二段折り畳みで、ガラスハッチからラゲッジスペースにアクセス可能。 
固定はできないが、トノカバーを全開にすることも。
ベルランゴ・ロングの積載例。この例は三列目シートを外した状態で、容量は912L(シートバック上端)。
ボディタイプ5名乗車7名乗車
三列目なし983L(※1)
641L(※2)
597L(※3)
1538L(※1)
912L(※2)
850L(※3)
二列目格納2126L(※1)
1414L(※3)
2693L(※1)
1672L(※3)
助手席格納時最大前後長2700mm3060mm
※1天井まで ※2シートバック上端まで ※3トノカバーまで

リヤゲートのガラスハッチのみ開閉可能な「リヤオープニングガラスハッチ」や、5名乗車モデルに採用されていた「Modutop(モジュトップ)」は従来モデル同様に装備されており、10箇所以上の豊富な収納スペースが用意されている。

リヤオープニングガラスハッチ
開閉スイッチはリヤゲートハンドル内の右側。
採光、開放感、収納を併せ持った「Modutop(モジュトップ)」。は5名乗車にのみ装備。前端の収納スペースは前席用のアシストグリップと一体構造になっている。
モジュトップ後端、ラゲッジスペースの天井に収納スペースを用意。
開閉は2枚のスライドドア。向かって左側オープン時。
向かって右側オープン時。
ドア配置の関係で左右同時には全開できない。
ラゲッジルーム側からも開閉可能。この収納スペースは吊り下げ式になっており、耐荷重は10kgまで。
7名乗車(ロング)の天井。モジュトップは無いが、前席頭上の収納スペースはある。
センターコンソールのスライドシャッター式収納スペース。
前側にはDC12V電源を設置。間仕切りの後側は浅めでカーペット敷き。

パワートレーン

ベルランゴのセールスポイントになっていたエンジンは特に変更はなく、最大出力130ps・最大トルク300Nmを発揮する1.5L直列4気筒DOHCディーゼルターボを搭載する。トランスミッションも従来と同様に8速ATとなる。駆動方式はFFのみ。
16インチアロイホイールを全車に標準装備し、205/60R16サイズのタイヤを装着する。

1.5L直列4気筒DOHCディーゼルターボは最大出力130ps/3750rpm・最大トルク300Nm/1750rpmを発揮。8速ATと組み合わされる。カタログ燃費はWLTCモードで18.1km/L。
展示車両のタイヤはNEXEN N FERA Primusを装着。
車両後方から見たフロア下。
リヤサスペンションはトーションビーム。
エンジン直列4気筒DOHCインタークーラーターボディーゼル
排気量1498cc
最高出力130ps/3750rpm
最大トルク300Nm/1750rpm
燃料(タンク容量)軽油(50L)
燃費(WLTC)18.1km/L
トランスミッション8速AT
駆動方式FF
サスペンション前:マクファーソンストラット
後:トーションビーム
ブレーキ前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
タイヤ205/60R16(特別仕様車:205/55R17)
ベルランゴ、ベルランゴ・ロング共通

価格は439万円〜457万円
特別仕様車「XTR ローンチエディション」も用意

モデルはベルランゴとベルランゴ・ロングの2種類で、それぞれワングレード設定。価格はベルランゴが439万円。ベルランゴ・ロングが457万円となっている。
ボディカラーは新色として「ブルーキアマ」と「グリーンシルカ」を用意。「ブランイシ」(ホワイト)と合わせて3色設定となる。

また、新型ベルランゴのデビューを記念した特別仕様車「XTR ローンチエディション」をベルランゴのみに設定。こちらは457万2500円で、フロントに「アドバンスドコンフォートシート」、17インチアロイホイール(205/55R17タイヤ)、前後スキッドプレート、専用カラーダッシュボード、専用エアバンプカラーアクセント、XTRバッジが装着される。

モデル名乗車定員価格
ベルランゴ MAX BlueHDi5名439万円
ベルランゴ MAX XTR Launch Edition BlueHDi5名457万2500円
ベルランゴ・ロング MAX BlueHDi7名457万円
新型ベルランゴ価格設定

「NEW BERLINGO CITY CAMP AREA」

発表会の会場となった有明ガーデンギャラリーでは10月6日(日)まで「NEW BERLINGO CITY CAMP AREA」を実施中。ベルランゴとベルランゴロングを実際に見て触れるだけでなく、さまざまなコンテンツも用意されている。

「NEW BERLINGO CITY CAMP AREA」

新型ベルランゴが展示されているだけでなく、アンケートに回答するとシトロエンHトラックのキッチンカー「ベルランゴ・カフェ」でどリングがもらえたり、オリジナルランタンづくりができる「ベルランゴ・クラフト」、ゲームをクリアするとお菓子がもらえる「キッズエリア」を設置。

ベルランゴ・カフェ

他にも、シトロエンのオリジナルグッズ販売やアンケート回答プレゼント、シトロエンオーナー限定プレゼントなど、盛りだくさんの内容になっている。

シトロエンのオリジナルグッズ。

また、10月12日(土)〜14日(月・祝)には全国のディーラーショールームで新型ベルランゴ・デビューフェアを実施。Webで来店ご予約のうえ期間中にショールームに行くと抽選で各店5名にシトロエン・オリジナルトランクオーガナイザーが当たる。

キャンプエリアというだけあってアウトドアギアを満載&セッティングしていた。

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