【日米新型オフロードSUV対決】ジープ ラングラー vs.トヨタ ランドクルーザー250、真に優れたオフ車はどっちだ?

2024年4月にトヨタからランドクルーザー250が発売された。翌5月には、より精悍な顔つきになったジープ ラングラーの改良モデルが登場している。いま選ぶべきオフロードSUVはどちらだろうか。両車のスペックを比較してみよう。

JEEP WRANGLER
×
TOYOTA LANDCRUISER 250

日常的な使い勝手ではランクル250が圧倒

新型ラングラーはフロントグリルデザインの変更とともに、12.3インチの新型タッチスクリーンやサイドエアバッグが追加されたが、ボディサイズや基本デザインは2018年からそのままだ。

ボディサイズはラングラーのほうがコンパクトだが、両車ともラダーフレームを採用しており、どちらも大柄な割に車内はそれほど広くない。ランクル250の7人乗りモデルに備わる3列目シートは緊急用か短距離用と割り切るべきだ。

ラングラーの車内はランクル250と比べてもさらに狭い。しかもルーフが着脱可能なラングラーは、車内に張り巡らされたロールケージが乗員を圧迫する。満足な内張りも備わらないため夏は暑く、冬は寒い。そのうえランクル250のように乗降ステップも備わらないため乗り降りも大変だ。

ラングラーの荷室にはロールケージの基部があるため狭く、荷室の広さでもランクル250が勝る。生粋のオフロードカーであるラングラーに快適性は期待できないと思ったほうがよいだろう。

ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ
ボディサイズ:全長4870mm×全幅1895mm×全高1845mm
ホイールベース:3010mm
車両重量:2000kg
タイヤサイズ:255/70R18(前後)

トヨタ ランドクルーザー250 ZX
ボディサイズ:全長4925mm×全幅1980mm×全高1935mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2410kg
タイヤサイズ:265/60R20(前後)

オフロードSUVとしての資質はラングラーが上

ラングラーはスポーツ/サハラ/ルビコンのいずれのグレードも2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載している。

ランクル250が搭載する2.8Lディーゼルエンジンには最大トルクや燃費性能では劣るが、ランクル250の中間グレードに設定される2.7Lガソリンエンジンに対しては、出力/トルク/燃費性能のいずれの点でも勝っている。ちなみにラングラーとガソリンエンジンのランクル250はどちらもレギュラーガソリン指定だ。

不整地の走行性能は、前後リジットアクスルとなるラングラーの方が高いと言えるだろう。ランクル250はフロントサスペンションがダブルウィッシュボーンとなっており、舗装路面での操縦安定性や乗り心地には優れるものの、絶対的な悪路走破性でラングラーには敵わない。

ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ
エンジン形式:直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量:1995cc
最高出力:272ps/5250rpm
最大トルク:400Nm/3000rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:パートタイム4WD

トヨタ ランドクルーザー250 ZX
エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量:2754cc
最高出力:204ps/3000-3400rpm
最大トルク:500Nm/1600-2800rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:フルタイム4WD

ジープ ラングラーの価格は高いか? 安いか?

ラングラーのオンロード向け上級グレード「サハラ」の価格は、ランクル250の最上級グレード「ZX」と比べても100万円以上高額だ。

最廉価の「スポーツ」でもランクル250より約65万円も高額で、本格的なオフロード装備が追加される「ルビコン」とでは150万円もの差がつく。ランクル300並みに高額化したランクル250だが、ラングラーと比較するとお買い得とも思えるほどの高いトータルパフォーマンスが備わっている。

オフロードSUVに実用性を求めるなら迷わずランクルを選ぶべきだ。ラングラーは同じSUVの枠に括られているものの、オフロードスポーツカーとも言える存在であり、日常的に使用するには犠牲にするものがあまりにも多すぎる。

しかし、ラングラー以上に所有欲を満たしてくれる魅力的なオフロードSUVを、この価格で探し出すのは不可能と言えるだろう。

車両本体価格

キーワードで検索する

著者プロフィール

ピーコックブルー 近影

ピーコックブルー

クルマやバイクの分野では日本最大級の記事配信数を誇るコンテンツ・プロダクション。ビギナー向けのやわ…