目次
JEEP WRANGLER
×
TOYOTA LANDCRUISER 250
日常的な使い勝手ではランクル250が圧倒
新型ラングラーはフロントグリルデザインの変更とともに、12.3インチの新型タッチスクリーンやサイドエアバッグが追加されたが、ボディサイズや基本デザインは2018年からそのままだ。
ボディサイズはラングラーのほうがコンパクトだが、両車ともラダーフレームを採用しており、どちらも大柄な割に車内はそれほど広くない。ランクル250の7人乗りモデルに備わる3列目シートは緊急用か短距離用と割り切るべきだ。
ラングラーの車内はランクル250と比べてもさらに狭い。しかもルーフが着脱可能なラングラーは、車内に張り巡らされたロールケージが乗員を圧迫する。満足な内張りも備わらないため夏は暑く、冬は寒い。そのうえランクル250のように乗降ステップも備わらないため乗り降りも大変だ。
ラングラーの荷室にはロールケージの基部があるため狭く、荷室の広さでもランクル250が勝る。生粋のオフロードカーであるラングラーに快適性は期待できないと思ったほうがよいだろう。
ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ
ボディサイズ:全長4870mm×全幅1895mm×全高1845mm
ホイールベース:3010mm
車両重量:2000kg
タイヤサイズ:255/70R18(前後)
トヨタ ランドクルーザー250 ZX
ボディサイズ:全長4925mm×全幅1980mm×全高1935mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2410kg
タイヤサイズ:265/60R20(前後)
オフロードSUVとしての資質はラングラーが上
ラングラーはスポーツ/サハラ/ルビコンのいずれのグレードも2.0L直列4気筒ガソリンターボエンジンを搭載している。
ランクル250が搭載する2.8Lディーゼルエンジンには最大トルクや燃費性能では劣るが、ランクル250の中間グレードに設定される2.7Lガソリンエンジンに対しては、出力/トルク/燃費性能のいずれの点でも勝っている。ちなみにラングラーとガソリンエンジンのランクル250はどちらもレギュラーガソリン指定だ。
不整地の走行性能は、前後リジットアクスルとなるラングラーの方が高いと言えるだろう。ランクル250はフロントサスペンションがダブルウィッシュボーンとなっており、舗装路面での操縦安定性や乗り心地には優れるものの、絶対的な悪路走破性でラングラーには敵わない。
ジープ ラングラー アンリミテッド サハラ
エンジン形式:直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量:1995cc
最高出力:272ps/5250rpm
最大トルク:400Nm/3000rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:パートタイム4WD
トヨタ ランドクルーザー250 ZX
エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量:2754cc
最高出力:204ps/3000-3400rpm
最大トルク:500Nm/1600-2800rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:フルタイム4WD
ジープ ラングラーの価格は高いか? 安いか?
ラングラーのオンロード向け上級グレード「サハラ」の価格は、ランクル250の最上級グレード「ZX」と比べても100万円以上高額だ。
最廉価の「スポーツ」でもランクル250より約65万円も高額で、本格的なオフロード装備が追加される「ルビコン」とでは150万円もの差がつく。ランクル300並みに高額化したランクル250だが、ラングラーと比較するとお買い得とも思えるほどの高いトータルパフォーマンスが備わっている。
オフロードSUVに実用性を求めるなら迷わずランクルを選ぶべきだ。ラングラーは同じSUVの枠に括られているものの、オフロードスポーツカーとも言える存在であり、日常的に使用するには犠牲にするものがあまりにも多すぎる。
しかし、ラングラー以上に所有欲を満たしてくれる魅力的なオフロードSUVを、この価格で探し出すのは不可能と言えるだろう。