手にできるのは、世界人口82億人中、たったの10人!
わずか限定10台のスペシャルモデルは、992.1ターボSをベースに開発されているが、特注のボディはすべてカーボンファイバー製で、大幅な性能向上が施されている。
その名前からもわかるように、P39 40SE はエンジニアリング会社の創立40周年を記念して作られた。このプロジェクトの主な目標の1つは、ニュルブルクリンクを推定6分45秒で周回することで、これはポルシェ「992 GT3 RS」より4秒速く、992 Turbo Sのベース車より32 秒も速い。
RMLグループのCEOであるMichael Mallock氏は、P39 40SEが目指したのは、「北コースで GT3 RS の記録を楽に超え、リラックスして運転しやすい」車を作ることだと語った。
P39 40SEの特注カーボンファイバー製ボディは、現在のル・マン・ハイパーカーからヒントを得ている。911から引き継がれたパーツは、ライトユニット、ミラー、グリーンハウス、ドアハンドルのみのようだ。生産バージョンでは、ワイドフェンダー、長めのテール、DRS(ドラッグリダクションシステム)を備えたアクティブエアロコンポーネント、フロント20インチ、リア21インチの特注鍛造ホイールを特徴としている。
ボディサイズは、911 Turbo Sよりも170 mm(6.7インチ)長く、90 mm(3.5インチ)幅が広くなっており、トレッドは100 mm(3.9インチ)広くなり、ホイールベースは15 mm(0.6インチ)伸びている。
新開発のボディワークは、標準の911 Turbo Sの204 kg(450 ポンド)と比較して、285 km/h(177 mph)で 923 kg(2,035ポンド)という驚異的なダウンフォースを生み出す。241 km/h (150 mph) でも、662 kg(1,460 ポンド)のダウンフォースを生み出し、GT3 RSの617 kg(1,360 ポンド)を上回るという。
トラックモードの他に、ドライバーはツアーモードも利用できる。このモードでは、油圧アクチュエーターによって車高が上がり、ダンパーが柔らかくなるため、道路での使用に適した状態になるのだ。インテリアには、4点式安全ハーネスを備えた新しいスポーツシートが採用され、リアシートはハーフロールケージに置き換えられている。
最後にパワートレインだが、3.7リットルフラット6ツインターボエンジンをアップグレードし、最高出力912ps、最大トルク1,000 Nmを発揮する。これは、標準の911 Turbo Sと比較して262psと、200 Nmの大幅な増加で、「新しい ECU、アップグレードされたターボとインタークーラー、新しいマニホールドと触媒コンバーター、調整されたインコネル製スポーツエキゾースト」によって実現している。
「モンスター911」ことP39の価格だが、RMLによると、コンバージョンだけで税抜645,022ドル(約1億円)かかり、さらにポルシェ911 Turbo Sドナー車の費用がかかる(ドナー車はRMLで調達も可能)。10ユニットのうち最初の1ユニットは、ウェリングバラにあるRMLのエンジニアリングセンターですでに製造されているという。