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インドネシアはダイハツの重要な市場であり生産拠点
ダイハツの海外事業はインドネシアとマレーシアが主力となっており、いずれの国にも生産工場がある。特にインドネシアでは現地開発をおこなうため、同国初のテストコースを備えたR&Dセンターも併設されている。
実は、日本にもインドネシア製のモデルが導入されており、それが小型商用のバン&トラックシリーズ「グランマックス」だ。またダイハツの海外工場では、トヨタ向けに車両の提供も行うなど、ダイハツだけでなくトヨタとしても重要な拠点となっている。今回の主役は、インドネシアのご当地ダイハツ車のひとつである「テリオス」だ。
テリオスってどんなクルマ?
さてテリオスといえば、日本でも初代が1997年には発売された小型SUVだ。軽自動車の弟分「テリオスキッド」もあり、いずれも手頃で4WDも選べることで人気を博したのは、皆さんもご存じの通り。
2006年に登場した2代目は「ビーゴ」を名乗ったが、海外ではテリオスの名を継承。驚くべきことに、ロングホイールベース仕様の3列7人乗り仕様まで存在した。日本では、2016年で販売を終了しているが、海外では、2018年に3代目となる現行型へと進化を遂げた。
2018年にデビューした3代目テリオスが2023年にマイナーチェンジ
3代目となったテリオスだが、そのビジュアルはかなり立派に。そのボディサイズは、全長4455mm×全幅1695mm×全高1705mmという大きさまで成長し、ホイールベースも、2685mmを確保している。トヨタ・カローラクロスよりひと回り小さい程度であり、日本ならば5ナンバーサイズに収まるものだ。
スタイリングは力強さを感じさせる王道的なSUVらしいものに仕上げている。ボディも肉厚で、タフな雰囲気を放つ。最低地上高も220mmを確保しているので、悪路にも強いつくりとなっている。2023年のマイナーチェンジを受けており、グリルを小型化し、よりスポーティな顔付きに進化している。
インテリアはオーソドックスなもので、フロアシフトの3列7人乗り仕様となる。シートレイアウトは2+3+2となり、2列目と3列目共に2分割可倒式シートを採用。ルーフ部にもエアコンの吹き出し口があり、後席の快適性も高そうだ。全車タッチスクリーンオーディオを装備し、上位グレードではスマホのワイヤレスチャージャーが標準化されるなど、今どきのアイテムもしっかりと押さえている。
パワートレインは全車共通となり、縦置きの自然吸気仕様の1.5L直列4気筒DOHCエンジンを搭載。最高出力104ps/6000rpm、最大トルク13.9kgm/4200rpmの実用スペックとなる。トランスミッションは5速MTと4速ATの選択が可能。エンジンスペックからすれば、街乗り中心以外ならばMTを選んだ方が良いかもしれない。サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式、リヤが5リンクリジット式とオーソドックスなものだ。
サイズこそ大きくなったが、テリオス系の伝統をしっかりと受け継いでいる。それはFRレイアウトだ。この手のSUVは、FFベースも当たり前となっているが、テリオスは後輪駆動車なのだ。ただし、歴代の日本仕様と大きく異なるのは4WDが非設定である点だ。
カスタムモデル「テリオス・グラファイト」がカッコイイ!
ショーの目玉のひとつとして用意されたのが「テリオス・グラファイト」だ。最上位グレード「Rカスタム(4速AT)」をベースに、カスタマイズを加えたドレスアップ仕様である。
しかし、単なるパーツ装着車と侮ることなかれ。何とボディカラーはグレーメタリックとブラックグロスソリッドを組み合わせた専用ツートーンカラーを採用している。ちなみに、カタログモデルにツートーンカラーは非設定だ。
さらにフロントバンパー、ヘッドランプ、サイドモールには、レッドラインの加えることでスポーティさを表現した。これは最新ミニバン「セニア」でも取り入れられるスポーティな演出である。
足元は、ダークカラーの17インチホイールでワイルド感を演出しつつ、オールテレインタイヤを組み合わせることで、走破性も高めている。
インテリアでは、メタル製ペダルカバーの装着に加え、「グラファイト」のロゴ入りレザーシート仕様となるのが大きな特徴だ。テールゲートには、サイクルキャリアも装着されており、アウトドアでの活躍を予感させる。
カッコいいドレスアップ仕様が用意された背景には、テリオスの人気の高さがある。テリオスはインドネシアで最も売れているコンパクトSUVであり、2024年第1四半期のダイハツ車販売においてもトップ3にランクインしているほど。
日本円換算なら231万円〜!? 最上位グレードでも300万円以下!
現地価格はエントリーグレード「X」のMT車が2億4155万ルピア(約231万円)〜最上位グレード「R」のAT車が3億775万ルピア(約295万円)となっている。
この他にも、テリオスには姉妹車として、マレーシアのプロドゥアが製造する「アルズ」がある。インドネシアには非導入となるが、トヨタ向けの「ラッシュ」もアルズがベースとなるため、そこも差別化となっている。仕様や装備もあるものの、基本的な部分は共通だ。
今やSUVは必ずしもオフロードとは結びつかない存在となっているが、まだまだ未舗装路も多い新興国ではエントリークラスのSUVでもテリオスのようなワイルド系のモデルが多い。そのタフさこそ、新興国向けのSUVの魅力のひとつといえるのではないだろうか。
車名 | テリオス |
全長 | 4455mm |
全幅 | 1695mm |
全高 | 1705mm |
ホイールベース | 2685mm |
最低地上高 | 220mm |
車重 | 1245kg〜1270kg |
最小回転半径 | 5.2m |
乗車定員 | 7名 |
エンジン | 2NR-VE型 1496cc直列4気筒DOHC16バルブDual VVT-i |
最大出力 | 104ps/6000rpm |
最大トルク | 13.9kgm/4200rpm |
駆動方式 | FR |
燃料タンク(油種) | 45L(ガソリン) |
トランスミッション | 5速MT/4速AT |
ブレーキ(前/後) | ベンチレーテッドディスク/ドラム |
サスペンション(前/後) | マクファーソンストラット/5リンクリジッド |
タイヤサイズ | 「R」:215/60/R17 「X」:215/65/R16 |