【日独高級SUV比較】レクサスRZ vs.メルセデス・ベンツEQA、性能&価格は互角、決め手はブランドへのエンパシーに

EV市場が停滞気味とはいえ、各メーカーは将来を見据えて電動車ラインナップの強化を図っている。レクサスは2023年11月に2WDモデルとなるRZ300eを追加。メルセデス・ベンツはEQAを2024年4月にマイナーチェンジして航続距離を大幅に延ばした。日独を代表するプレミアムブランドのBEV2台をスペック面から比較してみよう。

LEXUS RZ × MERCEDES-BENZ EQA

ボディサイズが大きなRZのほうが室内空間は広い

レクサス初のBEV専用モデルとなるRZは、トヨタbZ4Xと共通のBEV専用プラットフォームを用いたDセグメントのSUVとなる。対するEQAは、GLAのBEV版といった位置づけであり、メルセデス最小クラスとなるCセグメントのSUVだ。

ボディサイズが大きいぶんRZのほうが後席の足元空間がわずかに広いが、頭上空間はほぼ変わらない。荷室容量はRZの552Lに対してEQAは340Lと狭く、ボディサイズの違いがより顕著に出ている。

その代わりEQAのほうが小回りがきき、BEVが得意とする街乗りで使いやすい。内外装もスポーツテイストを前面に出したRZに対し、EQAは都市の景観と調和するラグジュアリーなデザインだ。

レクサス RZ 300e version L
ボディサイズ:全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:1990kg
タイヤサイズ:235/60R18(前後)

メルセデスベンツ EQA 250+
ボディサイズ:全長4465mm×全幅1835mm×全高1610mm
ホイールベース:2730mm
車両重量:1980kg
タイヤサイズ:235/55R18(前後)

航続距離は互角! モーターの最大トルクはEQAが勝る

両車に搭載されるモーターの最高出力は同じくらいだが、EQAの最大トルクはマイナーチェンジで15Nm上乗せされ、RZとは120Nmもの差がついている。

とはいえ前輪駆動しか設定されないEQAでは、全開加速をすればすぐさまトラクションコントロールが介入するうえ、バッテリーの消耗も激しくなる。一方、RZは後輪に109psのモーターが追加されるAWDモデルを選べる強みがあるが、航続距離はやはり100kmほど短くなってしまう。

FFモデル同士であれば、両者のフル充電で走行できる距離はRZが599km、改良されたEQAが591kmとほぼ同等だ。

レクサス RZ 300e version L
駆動用バッテリーの種類:リチウムイオンバッテリー
最高出力:203.9ps/ーrpm
最大トルク:266Nm/ーrpm
トランスミッション:単速
駆動方式:2WD(FF)

メルセデスベンツ EQA 250+
駆動用バッテリーの種類:リチウムイオンバッテリー
最高出力:190ps/3550-7000rpm
最大トルク:385Nm/0-3550rpm
トランスミッション:単速
駆動方式:2WD(FF)

レクサス初のBEV専用モデル vs. 老舗メルセデス・ベンツの改良モデル

価格はRZのほうが約50万円ほど高いが、総額から見ると大きな差とは言えない。CEV補助金額も両車ともに上限額の85万円となる。

価格からスペックまでよく似た2台だが、デザインやキャラクター、ハンドリングなど多くの点が対象的だ。加えて、RZはレクサス初のBEVとなる意欲作であり、EQAはEV開発だけなく自動車メーカーとして一日の長があるメルセデス・ベンツの熟成モデルとなる。

どちらも高価なクルマだが、それに見合う特別感が備わっているのは確かだ。最終的に選ぶ決め手となるのは、それぞれのブランドへのエンパシー(共感性)となるだろう。

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