国産SUV随一の悪路走破性が魅力「スズキ・ジムニーシエラ」【最新国産SUV 車種別解説 SUZUKI JIMNY SIERRA】

山間部や林道など悪路にも高い走破性を見せる「スズキ・ジムニーシエラ」。軽自動車「ジムニー」と40kg程の車重の違いで、1.5ℓ NAエンジンを持つ「シエラ」はパワフルで安定感は抜群。高速走行でも走行性能は高く、日常生活でも扱いやすいメリハリのある本格アウトドアSUVといえる。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:日南まみ

迫力満点のワイドフェンダー 副変速機採用で駆動力を向上

ジムニーシエラは、軽自動車サイズのジムニーに、直列4気筒1.5ℓエンジンを搭載した小型車サイズの悪路向けのSUVだ。

エクステリア

スクエアなフォルムと直立気味のグラスエリアは、悪路での取り回しのため。軽規格のジムニーと異なり、オーバーフェンダーを纏うことで、SUVらしいタフな雰囲気とワイド感を醸し出している。最小回転半径は4.9m。

軽自動車のジムニーに比べると、バンパーが変更されてワイドフェンダーも備わり、全長が155㎜、全幅は170㎜拡大された。車内の広さはジムニーと同じだ。

インストルメントパネル

グローブをしたままでも操作しやすい大型ダイヤルやスイッチを配置した機能的な設計。フルオートエアコン、プッシュ式スターターを標準化し、利便性にも配慮している。オーディオレスが標準で、写真のナビは販売店オプション。

ボディの基本構造もジムニーと共通で、耐久性の優れたラダー(梯型の)フレームに、ボディや悪路走行に対応したサスペンションなどを装備する。駆動方式は後輪駆動をベースにした4WDのみで、悪路での駆動力を高める副変速機も採用している。これらの組み合わせは、ランドクルーザーなどと基本的には同じタイプだ。ただしジムニーやジムニーシエラには、カーブを曲がるときに前後輪の回転数を調節できるセンターデフが備わらない。従って4WDはスリップの発生しやすい雪道や悪路で使い、舗装路では後輪駆動の2WDで走行する。

居住性

それでもコンパクトで軽い悪路向けのSUVだから、走破力は極めて高い。軽自動車のジムニーは660㏄のターボエンジンを搭載するが、ジムニーシエラは1.5ℓの自然吸気だから、実用回転域の駆動力も上回る。悪路から高速道路まで、さまざまな場面で運転しやすい。特に悪路走破力は、日本で購入可能なSUVの中では最も優れている。

うれしい装備

横滑り防止装置を制御し、急な下り坂で車速を一定速以下に保つヒルディセントコントロールを全車に搭載。滑りやすい路面などで重宝する。
トランスファーは、先代のスイッチ式からレバー式に戻った。2Hと4Hはレバーを押さずに操作し、4Hから4Lには押し下げながら操作する。
月間販売台数     2186台 (23年9月~24年2月平均値)
現行型発表      18年7月( 一部仕様変更 24年2月)
WLTCモード燃費    15.4 ㎞/ℓ ※5速MT車

ラゲッジルーム

小型車だから、軽自動車のジムニーに比べて税金は多く納めるが、林道などの悪路を走る機会の多いユーザーには最適なSUVだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.158「2024-2025 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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