目次
3代目 レクサス IS (30系)(2013年~):上質なドライブと静粛性で魅了するセダンにハマる
中古車価格帯:113~1140万円 平均中古車価格:626.5万円
レクサス IS (30系)は、200万円以下で手に入るスポーツセダンの中でも、特に高級感と静粛性に優れたモデルです。また2013年のデビューですが、たいへん息の長いモデルのため、マイナーチェンジをはさんでいるものの、2024年10月現在も現行モデルです。このため中古車市場では特に初期モデルが入手しやすくなっており、レクサスのステイタス性ゆえか、あまり走行距離も長くなく、大事に乗られていた“掘り出し物”もあるようです。
さて、レクサスISの洗練されたデザインと先進技術が融合した外観は、まさにプレミアムブランドの名にふさわしいもの。内装には上質な素材が使われ、細部にまでこだわりが感じられます。特に、フロントシートの快適さや静粛性の高さは、長距離ドライブでも疲れにくい要因となっています。
走行性能においては、FR(後輪駆動)レイアウトが実現する優れたバランスが特徴です。コーナリング時の安定感と操縦性の良さは、スポーツセダンならではの楽しさを提供します。また、ハンドリングのしなやかさとレスポンスの良さが、運転の楽しさを一層引き立てています。特にスポーツモードに切り替えると、アクセルレスポンスが向上し、よりダイナミックな走行が楽しめます。エンジンは!S250に搭載される2.5L V6やIS350の3.5L V6などのほか、IS300(当初はIS200tと呼称)の2.0L 直4ターボエンジンがあり、ハイブリッドモデルのIS300hも用意されるなどバリエーションに富んでいます。
ただし、弊メディアがユーザーに対して実施している『モーターファン ユーザーアンケート』には、2.5Lエンジンを搭載したモデルでは、特に高回転域でのパワーが物足りなく感じることがあるという声が寄せられています。運転を楽しむためにパワーを求めるタイプの方には向かないかもしれません。また、高級車であるため、維持費はやや高めで、特にメンテナンスや部品交換にかかる費用には注意が必要です。それでも、上質なドライブを求める方には、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
詳細スペック: IS250 (FR) / DBA-GSE30型
全長×全幅×全高(㎜)=4665×1810×1430
ホイールベース(㎜)=2800
エンジン:2.5ℓ V型6気筒DOHC
駆動:FR
最高出力:215ps(158kW)/6400rpm
最大トルク:26.5kgm(260Nm)/3800rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6AT
車重(kg):1580
燃費:11.6km/L(JC08モード)
新車価格:420万円
※2013年発売当時のスペック
13代目 日産スカイライン(V37型)(2014年~):パワフルなエンジンの加速を楽しむ
中古車価格帯:66~1008万円 平均中古車価格:537万円
2014年に登場したV37型の日産スカイラインは、スカイラインの伝統を受け継ぎながらも、現代的なデザインと先進技術を取り入れたスポーツセダンです。こちらも数度のマイナーチェンジを経たものの、2024年10月現在、現行モデルとなっています。中古車市場における価格はそれこそピンキリで、100万円以下の個体も少なからず存在します。こちらもレクサスIS同様に初期モデルが入手しやすくなっていますが、昔からスカイラインは“走り”をセールスポイントにしていたブランドゆえに、安い値付けのものは走行距離がかなり行った個体が少なくないようです。このため購入検討時には、レクサスIS以上に吟味する必要がありそうです。
さて、V37型スカイラインに搭載されているエンジンは、2024年10月現在では3.0L V6 DOHCツインターボに1本化されていますが、登場以来、ハイブリッド用を含めて様々なバリエーションがあり、いずれも力強い加速性能を誇り、高速道路でのストレスフリーな走行を実現しています。中でも2014年5月に追加発売されて2019年7月まで用いられた直列4気筒ターボエンジンはダイムラーから供給を受けたもので、W212型メルセデスベンツE250などに搭載されていたものとほぼ同じエンジンということで知られていました。「ベンツの心臓を持ったスカイライン」ということで、現在でも比較的、人気が高いようです。
また、V37型はしっかりとしたボディ剛性と高い安定性を持ち合わせており、コーナリングでも安心してドライブを楽しむことができます。特にスポーツドライブを楽しむためのサスペンションセッティングが施されているため、タイトなコーナーでもしっかりと車体が追従し、安定感のある走行が実現されます。広い室内空間も特徴で、フロントシートはもちろん、後部座席も十分なスペースが確保されているため、長時間のドライブでも快適です。
もちろん良い評価ばかりではありません。弊メディアがユーザーに対して実施している『モーターファン ユーザーアンケート』には、このスカイラインで世界に先駆けて市販車に採用した、ステアリング・バイ・ワイヤ技術を用いた電子制御ステアリングに対する不安や不満の声が見られました。実際、リコールが届け出られた点でもあるので、リコール該当車の場合は改善措置を受けたかどうかの確認は必須です。また、燃費が少々悪く、日常の使用では燃料コストが気になるという声が寄せられています。加えて中古車市場では走行距離が多いモデルも見受けられるため、購入時には先のリコール対策の件も含め、しっかりとした状態確認が必要でしょう。これらの点を考慮しつつ、スカイラインのパフォーマンスを堪能する価値は十分にあるでしょう。
詳細スペック: 200GT-t (FR) / DBA-ZV37型
全長×全幅×全高(㎜)=4790×1820×1450
ホイールベース(㎜)=2850
エンジン:2.0ℓ 直列4気筒DOHCターボ
駆動:FR
最高出力:211ps(155kW)/5500rpm
最大トルク:35.7kgm(350Nm)/1250~3500rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:7AT
車重(kg):1650
燃費:13.6km/L(JC08モード)
新車価格:383.4万円
※2014年発売当時のスペック
6代目 BMW 3シリーズ(G20型)(2019年~):欧州車らしいハンドリングと高効率エンジンを操る
中古車価格帯:198~807万円 平均中古車価格:502.5万円
欧州車からBMWの6代目3シリーズ(F30型)をおすすめしておきましょう。2019年に登場した現行モデルのG20型は、BMWのスポーツセダンの真骨頂とも言える走行性能をさらに進化させたモデルです。この世代から採用となった新しいプラットフォームは、より高いボディ剛性を確保しつつ軽量化を実現したため、ハンドリング性能が格段に向上しました。操舵に対する応答性が非常に良く、ドライバーの意図にスムーズに反応する感覚は、まさにドライバーズカーと呼ぶにふさわしいものです。
今回の調査中、たしかに200万円以内の中古車が見つかりましたが、現状の中古車価格はまだ最低限200万円オーバーが標準的であり、中古車としての主流は先代のF30型と見た方が良いかも知れません。
パワーユニットは2.0L 直4ターボエンジンが主力で、必要なパワーを持ちながらも、燃費効率が改善されているのが特徴です。普段使いでも扱いやすいトルクとスムーズな加速を実現し、都市部での運転でも快適さを保ちながらパフォーマンスを発揮します。このほかに2.0L 直4ターボディーゼルや3.0L 直6ターボエンジンなどもあり、電気モーターのみで時速120kmまで、約60kmの走行が可能なプラグイン・ハイブリッドも用意されています。さらに、最新のインフォテインメントシステムや充実した安全装備が搭載されており、運転をサポートする機能も備えています。
一方で、『モーターファン ユーザーアンケート』には外国車ゆえにメンテナンスコストがやや高めである点に注意が必要というユーザーの声が寄せられています。修理費や部品の交換費用が国内車よりも高いことがあり、維持費の面での負担が増える可能性が指摘されています。それでも、BMWならではのプレミアムな走行体験を楽しみたい方にとって、このG20型3シリーズは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
詳細スペック: 320i (FR) / 3BA-5F20型
全長×全幅×全高(㎜)=4715×1825×1440
ホイールベース(㎜)=2850
エンジン:2.0ℓ 直列4気筒DOHCターボ
駆動:FR
最高出力:184ps(135kW)/5000rpm
最大トルク:30.6kgm(300Nm)/1350~4000rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:8AT
車重(kg):1560
燃費:15.2km/L(JC08モード)/13.1km/L(WLTCモード)
新車価格:533万円
※2019年発売当時のスペック
これら3台のスポーツセダンは、現在の中古車市場で200万円以下で購入できながらも、それぞれ独自の魅力と走行性能に優れたモデルです。レクサス IS(30系)は高級感と静粛性、日産スカイライン(V37型)はパワフルな加速と広い室内空間、BMW 3シリーズ(G20型)は軽快なハンドリングと高効率なエンジンを備えており、どれも走りを楽しみながら快適に移動できる一台となっています。