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自衛隊新戦力図鑑
120mm迫撃砲RTの全体像がこれ。中央が砲身、そして砲身と車輪の間が支持架、右下が底盤だ。砲口には専用フックが取り付けられ、重迫牽引車に接続して運ぶ。

20mm迫撃砲RTは牽引式重迫撃砲と呼ばれるもの。フランス・TDA社で開発され、1992年度から国内でライセンス生産されている。陸上自衛隊普通科(歩兵)連隊の重迫撃砲中隊に配備していて、普通科が持つ装備のなかでは最大の火砲だ。

迫撃砲とは、構造がシンプルで比較的コンパクトな火砲のこと。持ち運びや移動性に優れるのが特徴。射撃した砲弾は大きく山なりの弾道で飛び、ほぼ垂直に落下する。炸裂すれば広範囲に影響を及ぼして目標を面的に制圧できる。歩兵部隊とともに第一線に展開させることで有効に使える装備だ。

陸上自衛隊でみれば、普通科(歩兵)小銃チームの露払い的に連続大量射撃して相手の進行を止めたり、迫撃砲部隊が機敏に移動して相手の側面を突いたり、地形を利用して尾根や丘越えで砲撃したりと、展開・撤収の素早さを活かして自在に活動することが特徴になる。

陸自ではいくつかの迫撃砲を装備してきているが、今回紹介する120mm迫撃砲RTはそのなかで大型の部類になる。120mmは口径を指し、威力も大きい。フランス・TDA社で開発された牽引式重迫撃砲というタイプで、1992年度からは国内でライセンス生産されている。主に普通科(歩兵)連隊の重迫撃砲中隊に配備し、普通科装備では最大火砲に位置している。

実弾射撃を前に、砲弾の装填からの手順を確認しているようす。砲身に正対する隊員が両手で持ち上げているのが砲弾。砲弾を砲口から差し入れ、合図とともに手を離して砲身内部へ落とす。砲弾が落ちると砲身の底にある撃針が砲弾を撃発させて発射する仕組みだ。写真/陸上自衛隊

まず、120mm迫撃砲RTの構成から。迫撃砲は「砲身」「支持架」「底盤」の3つから成っている。砲身長は約2m、単純な筒形状の砲身内部には螺旋状の溝(ライフリング)が切られ、砲弾に回転を与えて撃ち出す。砲身外部の表面には細かな溝が施され、これは射撃による砲身の過熱を抑える冷却フィンだ。

支持架はいわゆる2脚部分で、砲身と支持架で三脚を形作ることになる。支持架は文字どおり砲身を支え、角度等の調節機構もある。支持架の下には車輪を装着してあり、これは砲架とトレーラー機構が一体化した構造を示す。本砲が「牽引砲」と呼ばれる所以であり、車両で引っ張り移動することができる。牽引には高機動車の派生タイプである「重迫牽引車」が使われている。また、本砲を装軌車両に搭載した「96式自走120mm迫撃砲」という希少な装備もある。最後に底盤は砲身の下に取り付けられており、砲身をしっかり支えながら射撃時には衝撃を地面へ逃がす働きがある。

実弾射撃訓練で使う120mm迫撃砲RTの砲弾。写真/陸上自衛隊

次に迫撃砲の射撃の仕組み。砲弾は砲口から砲身内部へ落として撃発させ発射する。砲弾が落ちると砲身の底にある撃針に接触、これで砲弾を撃発させ発射する。撃発方法は2種類あり、砲弾の着底と同時に撃発する方式と、撃針を操作して一時的に引っ込め、砲弾を底に収めたのち外部から撃針を操作して撃つ方式に分かれる。

ちなみに迫撃砲の操作はすべて人力だ。そして砲弾は重い。操作員は砲弾を砲口まで両手で持ち上げて保持し、合図で砲弾を落とす。と同時に発砲炎などを避けるため防護姿勢をとる。重量物を持ち上げ、離した直後に大きくしゃがみ込む感じだ。なかなかシンドイ作業だと思う。

牽引には高機動車の派生タイプである「重迫牽引車」が使われている。

120mm迫撃砲は重迫牽引車で移動するのに加え、輸送ヘリコプターなどで空輸もできる。富士総合火力演習や第1空挺団の訓練展示などでは輸送ヘリCH-47JAが機外に吊り下げて120mm迫撃砲の輸送をデモンストレーションすることが多い。これは後方から前線へ一気に運び込んで、降着後には素早く射撃を開始、前線部隊を強火力で支援する運用例を見せているわけだ。迫撃砲は大きく運び込み、撃ったら移動、これを繰り返すような使い方をする。

120mm迫撃砲RTを輸送ヘリCH-47JAが機外に吊り下げて運んでいる(写真左側)。同時に重迫牽引車も運んでいるから、降着地では両者を連結してさらに移動可能だ。

さらに小規模の迫撃砲ならば主要部ごとに分割して人力で運搬することもできる。「81mm迫撃砲L16」などがそうだ。また、新装備である「60mm迫撃砲(B)」(M6Cコマンド・モーター)は重量約5.1kg、砲身長約81.5cmで、小銃の大きさと似ており、携行性に優れるのが特徴。射撃はひとりで可能で、自在に運んで攻勢し、射撃したあとは自位置暴露による反撃を避けるためサッサと撤収、新たな射撃位置でさらに撃つ、こうした使い方が適しているものだ。

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