ヤマハがグリーンスローモビリティ事業における社会的インパクトの貨幣換算化を実施

ヤマハ発動機はこのほど、グリーンスローモビリティ(以下グリスロ)事業の医療・介護・環境分野における社会的インパクトの貨幣換算化手法を開発。その手法を用いて、2023年度事業の社会的インパクトの貨幣換算化を実施した。この取り組みは今年2月にアーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社(以下ADLジャパン)と開始した協業活動の一環である。

2023年度事業活動における社会的インパクトは全国24カ所で31台が運行し、推定ユニークユーザー数は2572名に。年間約1840万円の社会的インパクトがあると算出

ヤマハ発動機では経営環境や価値観の変化への対応と持続的な企業成長のため、社会共創型事業を探索している。また、社会共創型事業の事業評価指標の開発にも併せて取り組んでいる。ヤマハ発動機とADLジャパンは2022年11月に、持続可能なモビリティ社会実装を目指し、内閣府の推進する「成果連動型民間委託契約方式(以下PFS)やソーシャルインパクトボンド(以下SIB)」の組成検討について協業を開始した。

今回の協業活動では、PFS/SIB組成に必要なKPI(※)として、グリスロで創出し得る社会的インパクトの貨幣換算化を実施した。貨幣換算化にあたり、これまで産学連携プラットフォームで得た成果を基にインパクト加重会計手法を用いて算出。加えて、貨幣的価値の裏付けとして今回開発した社会的インパクトを貨幣換算化する計算ロジックモデルの妥当性について、有識者の確認を行った。
※キー・パフォーマンス・インジケーターの略。目標達成に向けたプロセスの進捗状況を定量的に評価・分析するための指標。日本語では「重要業績評価指標」や「重要達成度指標」とも呼ばれる。

結果として、同社の2023年度事業活動における社会的インパクトは、全国24カ所で31台が運行し、推定ユニークユーザー数は2572名となった。また、年間約1840万円の社会的インパクトがあると算出された(対象地域は生活用途の利用地域に限定され、観光用途のみの利用地域は除外している)。

今回の研究結果を踏まえ、同社では引き続き、より精度の高い計算ロジックモデルや事業評価指標の開発を目指していく。

ヤマハ発動機公式サイト「インパクト評価」

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