スズキの軽クロスオーバーSUV「Keiワークス」のエンジンはアルトワークスと一緒! 124.2万円~【今日は何の日?11月12日】

スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日は、スズキの軽クロスオーバーSUV「Kei」のホットモデルとして「Keiワークス」が誕生した日だ。オフロードでも街中でも似合うお洒落なSUVとして1998年にデビューしたKeiをベースに、スポーティさをアピールしたホットモデルである。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・軽自動車のすべて

■軽クロスオーバーSUVのホットモデルKeiワークス

2002(平成14)年11月12日、スズキから軽のクロスオーバーSUV「Kei」のホットモデル「Keiワークス」がデビューした。「アルトワークス」のエンジンを搭載してスポーティさをアピールしたが、SUVで車重が重いため、走りについては評価されなかった。

スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」

軽のクロスオーバーSUVの先駆けKei

Keiは、1998年10月の軽自動車の規格改定を機に、街中でもオフロードでも快適に走れる軽自動車のクロスオーバーSUVとしてデビューした。アルトより全高が145mm高く大型タイヤを履いたダイナミックなボディに、十分な最低地上高を確保して、オフロードにも耐えられるように構成されていた。

スズキ「Kei」
1998年にデビューした軽のクロスオーバーSUV、スズキ「Kei」

エンジンは、軽の出力自主規制値である最高出力64ps/最大トルク10.8kgmを発揮するアルミ製660cc直3 VVT(可変バルブ機構)付DOHCインタークーラー付ターボと、60psのSOHCインタークーラー付ターボ、ベーシックな55psのNA(無過給)のDOHCエンジンの3種を用意。トランスミッションは、5速MTと3速&4速AT、駆動方式はFFと4WDが選べた。

特にインタークーラー付ターボモデルは、リッターカーを凌ぐ走りとオフロードの優れた走破性を発揮し、当時大ヒットしていたワゴンRとともにスズキの人気モデルとなった。

アルトワークスと同じエンジンを搭載したKeiワークス

スズキのホットモデルと言えば、1987年にデビューした「アルトワークス」だが、4代目アルトワークスは2000年末をもって一旦生産を中止。その2年後に登場したのが、Keiワークスだった。

スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」のスタイリング
スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」のコクピット

Keiワークスには、Keiのトップグレードと同じ最高出力64psの660cc直3 VVT付DOHCインタークーラー付ターボを搭載。スポーティさをアピールする装備としては、専用フロントグリル&バンパー、大型フォグランプ、大型ルーフエンドスポイラー、専用15インチアルミホイールなど。またインテリアについてもシートは専用で、前席はレカロと共同開発した専用バケットシートが組み込まれた。

スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」のK6A型エンジン

アルトワークスが存在しない当時のホットモデルとして期待されたKeiワークスだったが、アルトワークスのような人気は得られずにKeiとともに2009年に生産を終えた。

スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」の居住性

ちなみに、ワゴンR+のプラットフォームに、サイドパネルやドアを「Kei」と共用し2000年にデビューしたのが初代「スイフト」だ。

初代「スイフト」
サイドパネルやドアを「Kei」と共用、2000年にデビューした初代「スイフト」

重いKeiワークスの走りに不満の声

Keiワークスの人気が得られなかったのは、アルトワークスに比べて走りが劣っていたためだった。

スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」

1998年に登場した4代目アルトワークスとKeiワークスンを比べると、同じエンジンを搭載しながらも、Keiワークスは全高が4代目アルトワークスより80mm高く、車両重量はアルトワークスの670kg(FF)/720(4WD)に対して、Keiワークスは790kg(FF)/820kg(4WD)と、100kg程度重いことが分かる。

スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」のリヤビュー

このクラスで100kg車重が変わると、走りにも大きな影響が出てしまい、Keiワークスの走りに不満が出るのも当然のこと。何よりも走り自慢のアルトワークスのイメージに、Keiワークスはそぐわなかったのだ。

スズキ「Keiワークス」
スズキ「Keiワークス」

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アルトワークスが途切れた間に登場したKeiワークスだったが、リトルモンスターと呼ばれたアルトワークスのイメージが強すぎたためか、期待に応えることはできなかった。今もスズキはもとより、他車からもアルトワークスに対抗する、代りになるようなクルマは出ていない。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…