5年間で10倍の販売を目指すヒョンデの野望が明らかに! 2025年春に新コンパクトEV「インスター」を導入して勢いを加速させる

ヒョンデは11月8日、ヒョンでカスタマーエクスペリエンスセンター横浜で「Hyundai Biz.Day」を開催。そこで掲げられたのが、「今後の5年間で10倍以上の販売」を目指す新たなビジョンだ。その達成に向けた今後のブランド方針や、2025年のビジネスプランとは!?

「Hyundai Biz.Day」でヒョンデが今後のビジネスプランを発表

11月8日にヒョンデカスタマーエクスペリエンスセンター横浜で開催された「Hyundai Biz.Day」では、マネージングダイレクターの七五三木敏幸氏が登壇。2022年の再参入を果たしてから、販売台数が1511台(24年10月末時点)に達したことを発表。さらに今後の5年間で10倍以上の販売規模を目指す新たなビジョンも明かした。

これからの取り組みとして七五三木氏が掲げたのは「3つの約束」。サステナビリティ、品質と安心、そして購入体験の提供に対する取り組みを行なうとのこと。それを順にご紹介しよう。

ヒョンデは2022年5月にアイオニック5とネッソの販売を開始。23年11月にはコナがラインナップに加わった。販売台数の累計は1511台を達成。
ヒョンデは今後の5年間で10倍以上の販売規模を目指す。
Hyundai Mobility Japanでマネージングダイレクターを務める七五三木敏幸氏。

1:持続可能なモビリティ:ゼロエミッションビークルのみの提供を続ける

まず掲げたのは「持続可能なモビリティ」の提供だ。気候変動への対策が重要視される中、自動車産業が担うべき責任を強く認識していると語った。ヒョンデは日本市場向けに、BEV(バッテリー式電気自動車)や水素燃料電池車といったゼロエミッションビークルのみを提供しているが、それは今後も継続されるとしている。

2:世界最高水準の品質・安心:日本市場に特化した改良と充実のサポート体制

二つ目の約束は「世界最高水準の品質・安心」だ。ヒョンデは、世界で最も品質への要求が厳しいと言われる日本市場での顧客満足度の向上を目指している。日本市場専用の改良点としては、ウインカーレバーの位置を右側に設置している点が挙げられほか、アクセルのレスポンスやサスペンションのセッティングも日本市場に合わせて調整が行なわれている。

また、バッテリーの長寿命化にも注力しており、15万kmを走行した車両でも、バッテリー容量の減少はわずか3%に抑えられるとしている。さらに万が一のトラブルに備えた「ロードサイドアシスタンス」や車検・点検を無償でサポートする「アシュアランスプログラム」など購入後のサポート体制も整備されており、ユーザーが安心してクルマを長期的に利用できる環境を用意しているという。

3:快適な購入体験:オンラインとオフラインの融合

三つ目の約束として、「快適な購入体験」の提供が掲げられた。ヒョンデはディーラー網を構築しない販売スタイルだが、消費者のライフスタイルやニーズが多様化する中、オンラインだけでなくオフラインを組み合わせた購入体験の充実が重要視されている。実車を確認したい場合はカスタマーエクスペリエンスセンター横浜などに出向いてもらい、さらにオンラインでのコミュニケーションの機会も提供するなど、リアルとデジタルの両方を取り入れた購入体験を構築する。そのさらなる充実化のためにも、さまざまなアライアンスパートナーとの提携を検討しているとのことだ。

2025年春にはコンパクトBEV「インスター」を導入

今回の発表会では、新モデルの導入予定についても発表が行われた。まず、コナに初の特別仕様車「マウナロア」が10月より導入されたほか、発表会同日の11月8日には改良型の「アイオニック5」の発売が開始された。さらに2025年春には新型EV「インスター」の日本導入も予定しており、ラインナップの拡充を図っている。

ヒョンデは今回掲げた「3つの約束」を着実に実行していくことで、日本市場のユーザーとの信頼の構築を目指している。そして「⾃由で豊かなライフスタイルを楽しむためのモビリティ」を新たな価値として提案していくとして、2025年度に向けてさらにブランド地位の強化を図る意欲を示した。

オフロードテイストがあしらわれた特別仕様車のコナ マウナ ロアは30台限定で販売中。
アイオニック5の改良モデル。バッテリーの容量拡大により、航続距離は最長で703kmに。
Aセグメントの小型BEVであるインスターは、2025年春の日本導入が発表された。

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