ルノーが販売しているコンパクトハッチバック、「ルーテシア」(海外名:クリオ)の次期型プロトタイプを、スクープ班のカメラが初めて捉えた。
初代クリオは1990年に「シュペール5」の後継車としてデビュー。日本市場では1991年から当時の輸入元「ジャックス」が「ルーテシア」として発売した。5台目となる現行型は、ルノー・日産・三菱自動車アライアンスが開発した「CMF-B」プラットフォームを最初に採用したルノー車として2019年に登場。モデルチェンジを受けるのは6年ぶりとなる。
ヨーロッパ山中で捉えた第6世代プロトタイプは厳重なカモフラージュを施されているものの、現行型のボディスタイルを維持していることがわかる。上昇するウエストラインとCピラーに隣接するドアフレームマウントのリヤドアハンドルも継続していることも確認できる。
側面を見ると、リヤドアフレームの上部は2024年型クリオよりも急激に先細りになっており、ドアの下部はリヤピラーに向かってキックアップするのではなく、ホイールアーチの形状に沿っている。また、リヤウィンドウの傾斜が強くなり、よりスポーティになっているが、注目すべきは下のハッチ部分で、トランクスペースを改善するためにより突き出ていることがわかる。また、サイドシルの下からは謎のエキゾーストパイプを装備しているが、量産型で採用されるかは不明だ。
後部では、スリムな水平LEDテールライトの一部が露出しているが、偽装が多いため全幅ライトバーを装備しているかは断定できない。
フロントエンドも同様に多くのカモフラージュがみられるためディテールを見ることはできないが、バンパーの外縁に斜めのLEDデイタイムランニングライトが配置されており、グリルにはブランドのエンブレムである、ダイヤモンドパターンのメッシュ確認できる。
また、現行のグリルエンブレムの上半分が配置される、ボンネットの前端のノッチを廃止し、切り込みの入ったボンネットが見られる。ラファール、キャプチャー、シンビオズなどの他の新しいルノーモデルは、直線的なボンネットの下にエンブレム配置しており、同様の処理が予想される。
パワートレインは、現行車で使用されているガソリン電気式E-Techの進化版が採用される予定だ。自然吸気の直列4気筒エンジンに電気モーター、スタータージェネレーター、小容量バッテリーを組み合わせ、低複合排出量とエンジンを切った状態での短距離走行を実現する。ラインナップ全体で排出量を削減する必要があるため、ルノーは次世代に向けてクリオの最も安価な純ガソリンモデルを段階的に廃止することになる。
小型電気自動車用CMF-BEVプラットフォームは、クリオの「CMF-B」アーキテクチャと非常に密接に関連しているため、将来的には電気派生モデルが登場する可能性があるが、関係者によると断言はできないという。
クリオ(ルーテシア)次期型のワールドプレミアは、2025年内と予想される。