運転感覚に優れた5ナンバーサイズのSUV「トヨタ・ライズ」【最新コンパクトカー 車種別解説 TOYOTA RAIZE】

正統派コンパクトSUVの代表格「トヨタ・ライズ」。4mの全長と5m以内の最小回転半径は込み入った街中や山の小道でも取り回しは抜群。居住空間も見た目のコンパクトさからは意外なほどの余裕を持ち、後席の広さも荷室の使い勝手も十分。車重が1t以下ということもありパワーも価格とともに文句なしの良車と言える。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/小林秀雄(写真解説) PHOTO:中野幸次 MODEL:大須賀あみ

選択肢3つのパワートレイン 後席のゆとりや積載性は特筆

ライズは数少ない5ナンバーサイズのSUVで、全長は4mを下回り、最小回転半径も5m以内だから街中でも運転しやすい。ヤリスのようなコンパクトカーの感覚で扱えるが、SUVだから全高は1620㎜と少し高いので、全長が短い割には居住空間に余裕がある。

エクステリア

運転しやすい5ナンバーサイズで、SUVらしい角張ったスタイリングと広い荷室を実現。ツートーン仕様のボディ色も用意される。「Z」系は17 インチアルミホイールやシーケンシャルターンランプ付きLEDヘッドランプなどを装備。最小回転半径は5.0m。

身長170㎝の大人4名が乗車したとき、後席の膝先空間は握りコブシひとつ少々と狭いが、室内高に余裕があるから床と座面の間隔は十分にある。また後席に座る乗員の足が前席の下に収まるので、あまり窮屈に感じないのは美点だ。荷室もリヤゲートの角度を立てたから、荷物を積みやすい。

インストルメントパネル

メーカーオプションとなる9インチディスプレイオーディオの画面を、少し運転席側に傾けた左右非対称デザイン。「Z」系は本革巻きのステアリングやシフトノブが備わり、上質感が高められている。「Z」と「G」はオートエアコンも採用。

パワートレインは、1.2ℓ直列3気筒の自然吸気とハイブリッド、4WDには1.0ℓターボを搭載する。自然吸気の動力性能は大人しいが、車両重量が1tを下回るからパワー不足はさほど生じない。ハイブリッドでは1.2ℓエンジンが発電を行なって駆動はモーターが受け持つ。

居住性

駆動用電池は容量が小さく、EV走行の時間は短いが、自然吸気との価格差は「Z」であれば約29万円に抑えられている。WLTCモード燃費は、自然吸気が20.7㎞/ℓでハイブリッドは28.0㎞/ℓだ。走行安定性は特に高くないが、街中の走りなら不満もない。乗り心地は40㎞/h以下で少し上下に揺すられる粗さを感じる部分が少々ある。

うれしい装備

ハイブリッド車は、アクセル操作だけで停止までコントロールできるスマートペダルを搭載。S-PDLスイッチで任意に切り替え可能だ。
ハイブリッド車の「Z」と「G」はオプションとしてAC100V・1500Wアクセサリーコンセントを設定。非常時給電システムも搭載する。
月間販売台数       3365台(23年11月~24年4月平均値)
現行型発表    19年11月(新エンジン追加 21年11月)
WLTCモード燃費  28.0 ㎞/ℓ※ハイブリッド車

ラゲッジルーム

それでもライズの運転のしやすさと価格はコンパクトカーに近く、それでいて外観はSUVらしく存在感が伴って後席と荷室にも余裕がある。かなりお買い得な一台だ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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