パワーユニットはMHEV Plusテクノロジーを組み合わせた2.0Lのガソリンやディーゼル、高性能Sモデル用3.0Lターボを採用
新型Q5スポーツバックのデザインは先代モデルよりさらにシャープで洗練されたものになった。SUVの特長である多用性と広々としたインテリアを、さらにダイナミックなシルエットと融合させている。その個性的なデザインは、傾斜したリヤとエレガントなラインによってスポーティさを際立たせている。
幅広のシングルフレームは高い位置にあり、縦方向の機能的なエアカーテンに挟まれており、鋭く彫刻的なヘッドライトは、洗練された印象を与える。シングルフレームの下部には大きなエアインテークがあり、そこにセンサーが収められている。ダイナミックなラインはロッカーパネル上部からホイールアーチを越えてリヤバンパーまで続き、停車していてもその躍動を感じさせる。フロントとリヤライトをつなぐ水平のショルダーラインは、リヤライトの上でわずかに持ち上がり、フラットなリヤウィンドウとともにルーフアーチを視覚的に支えている。Q5スポーツバックのリヤは限界まで伸ばされ、Bピラーから傾斜したルーフラインが生み出されている。
このデザインはSUVのクラシックなプロポーションを強調し、スタイリッシュなスポーツバックのスタイルにより、さらにダイナミックなシルエットを実現している。
リヤビューはミニマルなラインでシャープに仕上げられており、リヤウィンドウから彫刻的なライトストリップの下端まで続く滑らかな表面が、全幅にわたるシャープなカットで縁取られている。スポーティで特徴的なトランクリッドのエッジが、この先進的なデザインを完成させている。ディフューザーは隆起したバンパーの高い位置に統合され、アイランド効果を生み出している。その下にはテールパイプが配置され、Sモデルでは、アイコニックなツインラウンドテールパイプが、新たにシャープなデザインで採用されている。
新型Q5スポーツバックには「アドバンスド」と「Sライン」の2バージョンが用意された。さらに、高性能版となるSQ5スポーツバックは独自のエクステリアが採用された。
「アドバンスド」はスタイリッシュなアクセントを加えた、ダイナミックな要素を備えている。例えば、ラジエーターグリルとフロントエアインテークのインレイはスカンジウムグレー、下部のラインはタンボラグレーでコントラストを効かせている。ディフューザーはマットブラックのグレイン仕上げで、リヤのインレイはセレナイトシルバーだ。ホイールは18インチの5アームツイストデザインが標準装備されている。
「Sライン」と「SQ5スポーツバック」は、フロントエアインテークがより大きく、リヤディフューザーもよりスポーティなデザイン。シングルフレームは、S ラインエクステリアではマットアンスラサイトのクローム調フレーム、Sモデルではマットシルバーのフレームで囲まれている。大きなLウィング型のサイドエアロチューブがQ5のスポーティな印象を強調する。Sモデルでは、シングルフレームがマットシルバーのクローム調のL字型装飾により、さらに際立っている。
Sラインエクステリアのマットアンスラサイト、Sモデルのマットシルバーのクローム調ロッカーパネルトリムは、ダイナミックなキャラクターをさらに強調。ウィンドウトリムはアルミ調仕上げが標準だ。第2世代のデジタルOLEDリヤライトと、新しいリヤウィンドウ上のスポイラーにあるプロジェクションライトは安全性向上にも寄与。とくに後者はグラフィックをリヤウィンドウ上部に投影し、ブレーキライトの面積を増やしている。
インテリアは乗員のニーズに合わせて綿密にデザインされており、新しいアウディのデザイン哲学を体現している。デザインの初期段階から素材の特性に配慮し、アウディMMIパノラマディスプレイとMMIパッセンジャーディスプレイとともに、視覚的に際立つデジタルステージを形成している。コントラストの効いたインテリアデザインは、要素を前景または背景に配置し、美しさとエルゴノミクスが融合した3次元的な空間アーキテクチャを作り出している。インテリアは極めて居心地の良い空間をつくっており、「ソフトラップ」がドアからコックピット全体を通りセンターコンソールまで伸び、統一感の取れた温かみのある空間を演出している。また、ユーザーセントリックに加え、持続可能な素材選びにも配慮されている。Cascade(カスケード)のシート表皮やDinamica(ダイナミカ)マイクロファイバーといった素材は、主にリサイクルポリエステルから作られており、アウディがQ5スポーツバックにおいて、持続可能かつ効率的に資源を活用することにも力を入れていることを示している。
なお、荷室容量は515Lで、SQ5スポーツバックは470L。リヤシートを倒すと最大1415L、SQ5スポーツバックは最大1388Lまで拡大する。
新型Q5スポーツバックは、縦置きエンジンを搭載した内燃エンジン向けのプラットフォームPPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)を採用している。市場導入時には、効率性に優れたMHEV plusテクノロジーが標準装備される。新しい48VのMHEV plus電気システムは、燃焼エンジンをサポートし、排出ガスの削減、性能の向上、快適なドライビングを実現。また、一定範囲での電動走行や駐車も可能だ。
新しいパワートレインジェネレーター(PTG)は、最大230 Nmと18 kW(24 ps)の追加アウトプットを発生。さらに、48Vシステムにより、電動エアコンプレッサーの使用が可能となり、エンジンがオフの状態(例えばコースティングや信号待ち)でも、エアコンを全力で稼働させ、快適な車内温度を維持する。
MHEV plusを搭載した車両のリチウムイオンバッテリーは、リン酸鉄リチウム(LFP)をベースにしており、1.7 kWhの容量を持っている。ベルトオルタネータースターター(BAS)の主な機能は、エンジンの始動とバッテリーへの電力供給。BASは長距離の電動走行を可能にし、燃焼エンジンの負担を軽減して、燃料消費の削減に貢献する。ブレーキング時には、BASが最大25 kWの電力をバッテリーに回生できる。PPCプラットフォームは、このようにマイルドハイブリッドとして部分的な電動化を可能にする。Q5スポーツバックのライフサイクルの後半には、外部充電器と大容量バッテリーを備えたプラグインハイブリッドも登場する見通しだ。
新型Q5スポーツバックは、ヨーロッパ市場導入時に3種類のエンジンで提供され、その後さらに多くの駆動バリエーションが追加される。最初はすべてのバージョンにMHEV plusテクノロジーが搭載される。トランスミッションは全モデルに7速DCT(Sトロニック)を組み合わせる。エントリーレベルのエンジンは、204ps/340Nmを発揮する2.0L直列4気筒の「2.0 TFSI」で、前輪駆動となるが、オプションでクワトロ四輪駆動も選べる。2.0L直列4気筒ディーゼルの「2.0 TDI」はEA288 evo世代で、204ps/400Nm発し、クワトロのみで提供。シリーズのトップモデルSQ5 スポーツバックには、3.0LV 型6気筒ターボの「3.0 TFSI」エンジンは、367ps/550Nmを引き出す。