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NISMO(ニスモ)」は日産モータースポーツ子会社として1984年9月に設立されたニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社の愛称。同社は現在、同じく日産系のオーテックとジャパンと統合し、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)のニスモ事業所となっている。
毎年12月に富士スピードウェイで開催されるファンイベント『ニスモフェスティバル』は、その年ごとにテーマが設定されているが今年はもちろんニスモ40周年。展示される車両や参加するドライバーも、もちろんニスモと関係に深い内容になっていた。
レーシングマシンからコンプリートカーなどが並ぶレーシングイベントエリア
ピットには日産&ニスモ歴代レーシングマシンや、2024年シーズンを戦った現役のレーシングカー、さらにはニスモコンプリートカーが一堂に展示され、その歴史をマシンから体感することができた。普段は日産ヘリテージコレクションに収蔵されている車両も見る事ができる貴重な機会だけに、多くのファンが熱心にマシンを観察していた。
貴重なレーシングマシンのサウンドを聞き、コース内で間近に見る
レーシングコースのコンテンツとして、ニスモのオーナーカーによるパレードランやフェアレディZ、ヒストリックカーのエキシビジョンレースが行われるのは恒例だが、やはり注目はヘリテージランやサーキットサファリ。
ヘリテージランではレジェンドマシンがレーシングサウンド轟かせてコースを疾走し、サーキットサファリではコースを走るレーシングカーをバスに乗って間近に見る事ができる人気コンテンツだ。
現役からレジェンドドライバーが勢揃いしたウェルカムセレモニー
スタンド前に行われたウェルカムセレモニーでは、現役の日産系ドライバーからチーム監督、さらにレジェンドドライバーまでが勢揃い。チームインパルの星野一義総監督は往年のカルソニックのレーシングスーツに身を包み、グランドスタンドのファンを沸かせた。
星野一義総監督はもちろん、柳田春人、和田孝夫、鈴木利男、長谷見 昌弘、影山正美、本山哲(敬称略)といった日産で活躍したレジェンドドライバーも勢揃い。サーキットサファリやヘリテージランでレジェンドマシンのステアリングを握るなど往年のファンなら感涙もののイベントとなったのは間違いない。
パーツメーカーやショップが多数並んだパドックイベントエリア
様々なマシンが展示されたピットの裏、パドックエリアには今年も多くの出展社がブースを連ね、デモカーの展示やグッズ、パーツの販売が行われていた。
ファミリーで遊べる!学べる!VANTEC&日産自動車大学校
クルマ好きや日産ファンを惹きつける出典ブースだけでなく、ファミリーでも楽しめるブースが並ぶのもニスモフェスティバルの魅力。
毎年出展しているVANTECブースでは、自分でソープボックスカーを作ってトラックの荷台に設置されたコースでレースを行っていたほか、トラックの運転席に座った時にトラックの前にいる子供がどれくらいドライバーから見えるのかを実際に体験。トラックの視界やトラックの周囲が危険であることを実地で学ぶことができた。
また、日産自動車大学校ではカスタムされたデモカーを展示するだけでなく、ブースではパワーウインドウやランプ類、ブレーキ、トランスミッションなどの仕組みをわかりやすく解説していた。他にも、タイヤ交換体験も実施しており、実際に触ってクルマの仕組みを理解することができる貴重な展示を行なっていた。
トランスミッションの展示に関してはギヤボックスの模型でクラッチとギヤの動きを触って確かめられるだけでなく、実際のトランスミッションを触って、カットされた部分から中でどのように動いているのかを見る事ができた。マニュアルトランスミッションを触れる形で2つも展示していることに、クルマ好きの子供を増やしたいという強い思いが感じられた。
また、パワーウインドウや電動格納+調整ドアミラーなどもスイッチを触って実際にどのように動くのかを見る事ができたり、エアバックの展開時の状態やブレーキの構造なども展示と合わせてわかりやすく解説してくれた。
最新モデルの展示や試乗ができるスタンドイベントエリア
メインスタンド側のエリアでは、歴代スカイラインとGT-Rのオーナーカーがズラリと並んだほか、日産やニスモ、オーテックのコーナーが用意され、最新グッズやパーツ、お蔵出しアイテムの販売、最新モデルの展示、自動駐車の体験といったコンテンツが用意されていた。
また、横浜に本社を置く日産だけに、2024年シーズンのプロ野球で日本一に輝いた横浜ベイスターズのリリーフカーに乗って記念撮影ができるコーナーも設けられていた。
ステージでのメインイベントであるトークショーにはドライバーやニスモ関係者に加え、レースクイーンも参加。色々なエピソードが披露されただけでなく、レースクイーンのフォトセッションでは多くのファンがカメラを向けていた。
この日は風もなく好天に恵まれた絶好のイベント日和だっただけに、多くのファンが富士スピードウェイに詰めかけた。来場者数は約2万8500人と発表され、日産とニスモの人気をうかがわせる。
スーパーGTのチャンピオン争いや日産本社は厳しい状況にあり、またマレリがホシノレーシング/チームインパルから撤退、日本ラヂエーター〜カルソニック(カンセイ)と続いたカルソニックブルーがサーキットを去るなど寂しいニュースが続くが、日産とニスモにはこれからもファンの熱い声援に応え続けてほしい。