ニスモ設立40周年記念!『ニスモフェスティバル2024』はレジェンド揃いのドライバー&マシンで大盛況!

2024年12月1日(日)、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)にて『NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2024』が開催された。毎年恒例のイベントではあるが、今回はNISMO(ニスモ)設立40周年の節目の年だけに、展示される車両や登場するドライバーもレジェンド揃い。日産ファンにはたまらないイベントとなった。

NISMO(ニスモ)」は日産モータースポーツ子会社として1984年9月に設立されたニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社の愛称。同社は現在、同じく日産系のオーテックとジャパンと統合し、日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)のニスモ事業所となっている。

毎年12月に富士スピードウェイで開催されるファンイベント『ニスモフェスティバル』は、その年ごとにテーマが設定されているが今年はもちろんニスモ40周年。展示される車両や参加するドライバーも、もちろんニスモと関係に深い内容になっていた。

レーシングマシンからコンプリートカーなどが並ぶレーシングイベントエリア

ピットには日産&ニスモ歴代レーシングマシンや、2024年シーズンを戦った現役のレーシングカー、さらにはニスモコンプリートカーが一堂に展示され、その歴史をマシンから体感することができた。普段は日産ヘリテージコレクションに収蔵されている車両も見る事ができる貴重な機会だけに、多くのファンが熱心にマシンを観察していた。

ニスモが手がけたラリーマシン、Z31型フェアレディZが日産名車再生クラブの手によりフルレストアされ展示された。また、ヘリテージランでもその走りを披露している。
R32とR31のグループAスカイラインも人気を集めた。
ルマンを筆頭に日産が挑んだ耐久レースの歴代マシンも注目を集めた。
トニー・クインタレッリ選手の引退で話題のモチュールオーテックZなど、新旧スーパーGTマシンも展示された。
ニスモの歴代コンプリートカーもズラリと並ぶ。
中でもニスモ400Rやニスモ270Rは特に注目された。

貴重なレーシングマシンのサウンドを聞き、コース内で間近に見る

レーシングコースのコンテンツとして、ニスモのオーナーカーによるパレードランやフェアレディZ、ヒストリックカーのエキシビジョンレースが行われるのは恒例だが、やはり注目はヘリテージランやサーキットサファリ。

ヒストリックカーエキシビジョンレースに出走するサニーやフェアレディZのクラシックカー。
R390とスーパーGTマシンが並走する夢の共演。
1995年のルマン24時間耐久レースに挑んだスカイラインGT-R NISMO LM。
全日本ツーリングカー選手権を戦ったR31型スカイラインGTS-Rは1989年シーズンに長谷見昌弘/A.オロフソン組がドライブしたチャンピオンマシン。最新のフェアレディZと共演。

ヘリテージランではレジェンドマシンがレーシングサウンド轟かせてコースを疾走し、サーキットサファリではコースを走るレーシングカーをバスに乗って間近に見る事ができる人気コンテンツだ。

レーシングカーが走るコースをバスで見学するサーキットサファリは人気コンテンツ。
グループAスカイラインGT-Rと並走するサーキットサファリバス。レジェンドマシンが走っているところを間近に見る事ができる。
バスと並走するR390。こんなサービスもサーキットサファリの魅力。

現役からレジェンドドライバーが勢揃いしたウェルカムセレモニー

スタンド前に行われたウェルカムセレモニーでは、現役の日産系ドライバーからチーム監督、さらにレジェンドドライバーまでが勢揃い。チームインパルの星野一義総監督は往年のカルソニックのレーシングスーツに身を包み、グランドスタンドのファンを沸かせた。

中央のカルソニックのレーシングをスーツが星野一義総監督。

星野一義総監督はもちろん、柳田春人、和田孝夫、鈴木利男、長谷見 昌弘、影山正美、本山哲(敬称略)といった日産で活躍したレジェンドドライバーも勢揃い。サーキットサファリやヘリテージランでレジェンドマシンのステアリングを握るなど往年のファンなら感涙もののイベントとなったのは間違いない。

スタンドに向けて並べられたマシン。
ファンにはたまらない並びだ。
セレモニーの後はピットウォークも実施。

パーツメーカーやショップが多数並んだパドックイベントエリア

様々なマシンが展示されたピットの裏、パドックエリアには今年も多くの出展社がブースを連ね、デモカーの展示やグッズ、パーツの販売が行われていた。

大盛況のパドックエリアの様子。
ヴェイルサイドブース。
デモカーに加えR32スカイラインGT-Rのレンタカーも展示されていた。
レンタル料金は3時間1万9360円〜。
FUJITSUBOブース
BLITZブース
ミシュランブースではミシュランマンがお出迎え。
ダンロップブースではゲーム挑戦で景品をプレゼントしていた。
横浜ゴムブースではフェアレディZを展示。
『Option』『web option』『Gワークスブース』
MOTULブースではドライバーによるトークショーも行われ、スーパーGTから引退するロニー・クインタレッリを見逃すまいと多くの来場者が詰めかけた。

ファミリーで遊べる!学べる!VANTEC&日産自動車大学校

クルマ好きや日産ファンを惹きつける出典ブースだけでなく、ファミリーでも楽しめるブースが並ぶのもニスモフェスティバルの魅力。
毎年出展しているVANTECブースでは、自分でソープボックスカーを作ってトラックの荷台に設置されたコースでレースを行っていたほか、トラックの運転席に座った時にトラックの前にいる子供がどれくらいドライバーから見えるのかを実際に体験。トラックの視界やトラックの周囲が危険であることを実地で学ぶことができた。

VANTECブース。トラックの運転席でドライバーの視界を体験したり、ソープボックスカーレースが開催されていた。510型ブルーバードも目を引く。

また、日産自動車大学校ではカスタムされたデモカーを展示するだけでなく、ブースではパワーウインドウやランプ類、ブレーキ、トランスミッションなどの仕組みをわかりやすく解説していた。他にも、タイヤ交換体験も実施しており、実際に触ってクルマの仕組みを理解することができる貴重な展示を行なっていた。

日産自動車大学校ブース。テンパータイヤと電動インパクトレンチを使ったタイヤ交換体験ができた。

トランスミッションの展示に関してはギヤボックスの模型でクラッチとギヤの動きを触って確かめられるだけでなく、実際のトランスミッションを触って、カットされた部分から中でどのように動いているのかを見る事ができた。マニュアルトランスミッションを触れる形で2つも展示していることに、クルマ好きの子供を増やしたいという強い思いが感じられた。

クラッチとトランスミッションの仕組みが触ってわかる模型。
こちらは本物のトランスミッションを実際に触れるコーナー。
一部がカットされており、フォークやシャフトの動きを見る事ができた。

また、パワーウインドウや電動格納+調整ドアミラーなどもスイッチを触って実際にどのように動くのかを見る事ができたり、エアバックの展開時の状態やブレーキの構造なども展示と合わせてわかりやすく解説してくれた。

電動ミラーやパワーウインドウなどの電動装備もスイッチを触ってからどのように動くのかを体験。
ディスクブレーキ(片押し1POT)の構造と仕組みを解説。隣はエアバックの展示。

最新モデルの展示や試乗ができるスタンドイベントエリア

メインスタンド側のエリアでは、歴代スカイラインとGT-Rのオーナーカーがズラリと並んだほか、日産やニスモ、オーテックのコーナーが用意され、最新グッズやパーツ、お蔵出しアイテムの販売、最新モデルの展示、自動駐車の体験といったコンテンツが用意されていた。

富士山をバックに歴代スカイラインがズラリと並ぶ。
やはりR32は人気。
R33も多数並んでいた。
R35もかなりの台数が揃っていた。
オーテック車の展示エリア。
日産90周年記念車も展示。
サクラとアリアによる自動駐車体験。
このR32スカイラインGT-Rはニスモ40周年パーツ装着車。フェンダーの旧ロゴステッカーが往年のファンにはたまらない。
ブリヂストンブースもスタンドイベントエリアに展開。カルソニックGT-RとポテンザRE-71RSを装着したフェアレディZのデモカーを展示していた。

また、横浜に本社を置く日産だけに、2024年シーズンのプロ野球で日本一に輝いた横浜ベイスターズのリリーフカーに乗って記念撮影ができるコーナーも設けられていた。

横浜ベイスターズの本拠地、横浜スタジアムで使用されるリリーフカー。
リリーフカーに乗ることができる貴重な機会。

ステージでのメインイベントであるトークショーにはドライバーやニスモ関係者に加え、レースクイーンも参加。色々なエピソードが披露されただけでなく、レースクイーンのフォトセッションでは多くのファンがカメラを向けていた。

この日は風もなく好天に恵まれた絶好のイベント日和だっただけに、多くのファンが富士スピードウェイに詰めかけた。来場者数は約2万8500人と発表され、日産とニスモの人気をうかがわせる。

ニスモフェスティバル2024ウェルカムセレモニー。多くの来場者がスタンドからセレモニーを見守った。

スーパーGTのチャンピオン争いや日産本社は厳しい状況にあり、またマレリがホシノレーシング/チームインパルから撤退、日本ラヂエーター〜カルソニック(カンセイ)と続いたカルソニックブルーがサーキットを去るなど寂しいニュースが続くが、日産とニスモにはこれからもファンの熱い声援に応え続けてほしい。

マレリの撤退により長らく日本のツーリングカー・GTカーレースのイメージを牽引したカルソニックブルーがサーキットを去る。

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