ジープの電動化戦略は形になり始めており、その最前線に立つのがリーコンだ。ラングラーのバッテリー駆動版として位置付けられ、オフロード性能とゼロエミッション性能を融合させることを目指している。リーコンは、ワゴニアSと同じステランティスの“STLA ラージ プラットフォーム”を共有しており、ジープ初のBEVであるアベンジャーと並んで同社EVモデルのラインアップを加速させるものだ。
KOLESA RUから提供された予想CGは、ごく最近撮影されたプロトタイプをベースに制作されており、ほぼこのデザインで間違いないだろう。ディテールは、2022年9月の公式レンダリングと一致しているが、照明付きの7スロットグリルが量産まで生き残るかどうかはまだ分からないとされている。
ジープは明らかに、リーコンをオフロード車のルーツを自負する自社の伝統的デザインを忠実に保つつもりでいる。それは、ネクセン・ローディアンATXオールテレーンタイヤを履いた分厚い17インチホイールと、テールゲートに取り付けられたフルサイズのスペアタイヤを見てもわかる。
そのタフなデザインには、ラングラーのように取り外し可能なドア、露出したヒンジ、明るい青色の牽引フックなど、伝統的なジープの特徴的なタッチが取り入れられている。しかし、ランドローバー ディフェンダーを思わせる一体型のブリスター・フェンダー、ラップアラウンド・グリーンハウス、両端の四角いLEDライトなど、ラングラーのディテールから大きく逸脱している点もいくつかあるのが特徴だ。おなじみのものと先進的なものが混在しているが、全体的には冒険のために作られたEVのように見える。
ジープは、まだ正確な仕様を明らかにしていないが、ワゴニアSを参考にするなら、最高出力600psの電動パワートレインと100 kWhのバッテリーを搭載し、300マイル(480km)以上の航続距離を実現するだろう。ただし、リーコンが本当にこれらの数値に匹敵するスペックを持つのか、最高出力よりもオフロード性能を優先させるのかは不明だ。
ジープが認めているのは、リーコンには、e-lockerアクスルやSelec-Terrain トラクション・コントロール・システムなど、ラングラーに匹敵するオフロード技術が搭載されるということだ。
しかし、予想外の展開もありそうだ。これまでに目撃されたプロトタイプはすべて完全電動のようだが、ジープが内燃機関モデルを提供するかもしれないという噂が続いている。これは前例のない話ではない。“STLA ラージ プラットフォーム”はICEとハイブリッド・パワートレインの双方に対応しているため、仮に内燃機関版のリーコンが導入されるならば、充電インフラの整備がまだ不十分な地域でも、その魅力を広げるに違いない。
リーコンの量産型は、2024年に生産開始予定だったが遅延されていると伝えられており、2025年と予想される。