HVとターボ、どちらのRSがお好み? クラウンスポーツRS vs. クラウンクロスオーバーRS! 迷ったときはココを見よ

両車のトップグレード名は共に「ランナバウトスポーツ」を意味する「RS」となっているが、その特徴はずいぶんと異なる。なによりクラウンスポーツRSはPHEVで、クラウンクロスオーバーRSは高出力ターボ車だ。それぞれのスペックを比較して、どのような用途に適しているのか洗い出してみよう。

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クロスオーバー=SUVにあらず!使い勝手はクラウンスポーツの勝ち

クラウンスポーツは車体前後長とホイールベースをクラウンクロスオーバーよりも短縮して、スポーティなハンドリングを実現している。そのせいもあって、後席の膝周り空間はクラウンクロスオーバーのほうがやや広い。一方、頭上空間はルーフ形状の違いもあってクラウンスポーツのほうがわずかに高くなっている。

注目したいのは荷室だ。クラウンクロスオーバーはノッチバックであるうえ、リヤシートを畳むこともできないため実質的にセダンとなる。ユーティリティ面ではハッチバックドアで、6:4分割可倒式シートを畳めばフルフラットに近い状態になるクラウンスポーツのほうが圧倒的に使いやすいはずだ。

ただし、クラウンスポーツは全高が1550mmを超えるため、機械式立体駐車場を利用する場合は注意したい。

トヨタ クラウンスポーツ RS
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1880mm×全高1570mm
ホイールベース=2770mm
車両重量=2030kg
タイヤサイズ=235/45R21(前後)

トヨタ クラウンクロスオーバー RS
ボディサイズ=全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1910kg
タイヤサイズ=225/45R21(前後)

動力性能はクラウンクロスオーバーRSが圧倒的に優れる

クラウンスポーツRSに搭載されるパワートレインは、システム出力306psのPHEVだ。EV走行可能距離90km、最大航続距離は1200km以上にもおよぶクラウンスポーツRSは、高い動力性能と20.3km/Lの良好な燃費性能を両立している。

一方、クラウンクロスオーバーRSはターボエンジンと前後モーターにより349psのシステム出力を叩き出す。また、クラウンスポーツRSよりも強力なリアモーターを積極的に使うように駆動力も制御されるが、燃費性能は15.7km/Lに留まる。

どちらにも四輪操舵システム「DRS」が搭載され、そのセッティングはクラウンクロスオーバーが安定志向、クラウンスポーツはより運転が楽しめるセットだ。このように、グレード名は同じRSでも両車特性はまったく異なる。

トヨタ クラウンスポーツ RS
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=177ps/6000rpm
最大トルク=219Nm/3600rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD

トヨタ クラウンクロスオーバー RS
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=2393cc
最高出力=272ps/6000rpm
最大トルク=460Nm/2000-3000rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=4WD

価格差は実質40万円! ハンドリングのスポーツ or パワーのクロスオーバー

車両本体価格は大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載するクラウンスポーツのほうが95万円も高い。しかし、CEV補助金により実質的な価格差は40万円まで縮まる。

日常的な使い勝手に優れるのはクラウンスポーツのほうだ。一方、フォーマルな用途では落ち付いた内外装のクラウンクロスオーバーが向くだろう。走行性能に関しては、シャシー特性やパワートレインの違いから「スポーツの質」が大きく異なる。

スポーティなハンドリングを求めるなら、グレードを問わずクラウンスポーツのほうがよいだろう。スポーツカーのような動力性能に惹かれるなら、迷うことなくクラウンクロスオーバーRSを選ぶべきだ。

迷っているなら、今はPHEVのクラウンスポーツRSをオススメする。改良と同時の値上げや、来年度のCEV補金額引き下げが懸念されるためだ。

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