クラウンは欧州車に勝てるのか? トヨタ クラウンスポーツとアウディQ5スポーツバックのスペック&プライスを比較

グローバルモデルとなった16代目クラウンシリーズの一角、トヨタ クラウンスポーツは欧州車に対抗できるだけの性能を持っているのだろうか。欧州車代表としてアウディ Q5スポーツバックを取り上げ、クラウンスポーツとスペックを比較してみよう。

TOYOTA CROWN SPORT
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AUDI Q5 SPORTBACK

車内の広さは同等だが、優れた乗降性は輸入SUVならでは

両車の傾斜したリヤハッチ形状はよく似ており、各部のサイズもほぼ同じだけあって後席空間や荷室空間の広さに大きな差はない。最小回転半径も同じくらいだ。

居住性はどちらも十分に確保されているが、Q5スポーツバックの後席にはスライド機構とリクライニング機構が備わるのに対し、クラウンスポーツにはそのどちらも設定されない。また、リヤドアの開放角度や開口部面積もQ5スポーツバックのほうが広く、乗降性も上だ。

大柄な人が使うことを前提としているQ5スポーツバックを小柄な日本人が使えば、欧州プレミアムSUVらしい余裕を感じられるだろう。

トヨタ クラウンスポーツ Z
ボディサイズ=全長4720mm×全幅1880mm×全高1565mm
ホイールベース=2770mm
車両重量=1810kg
タイヤサイズ=235/45R21(前後)

アウディ Q5 スポーツバック 40TDI クアトロアドバンスド
ボディサイズ=全長4680mm×全幅1900mm×全高1665mm
ホイールベース=2825mm
車両重量=1910kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)

燃費性能の高さはクラウンスポーツの大きな強み

クラウンスポーツのZグレードは2.5Lエンジン+THS-IIの組み合わせで234psのシステム出力を発揮する。WLTCモード平均燃費21.3km/Lの良好な性能に加え、四輪操舵システム「DRS」とE-Fourを協調させたスポーティな乗り味がクラウンスポーツの特徴だ。

Q5スポーツバックの40TDIは、2Lディーゼルエンジンにデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせ、エンジン回転数を抑えつつ小気味よく加速する。さらにマイルドハイブリッドシステムも追加されており、出力補助に加えて高速巡航時には積極的にエンジンを停止させるよう制御される。

しかし、機械式4WDのせいもあってか、Q5スポーツバックのWLTCモード平均燃費は14.5km/Lと劣り、軽油の低単価を加味しても燃料代はクラウンスポーツのほうがかからない。

トヨタ クラウンスポーツ Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=186ps/6000rpm
最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD

アウディ Q5 スポーツバック 40TDI クアトロアドバンスド
エンジン形式=直列4気筒ディーゼルターボエンジン+モーター
排気量=1968cc
最高出力=204ps/3800-4200rpm
最大トルク=400Nm/1750-3250rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=4WD

プレミアムSUVの観点ではQ5スポーツバックの勝ち

両車のスタートプライスはQ5スポーツバックのほうが185万円も高額であり、その価格はPHEVとなるクラウンスポーツのRSグレードよりも高額だ。

その代わり、Q5スポーツバックにはアウディならではの高い質感が備わり、乗降性などの使いやすさにおいてはクラウンスポーツを大きく上回る。キャラクターやボディサイズが近いだけに、その違いはなおさら表面化しやすい。

一方で、クラウンスポーツの真価は異なる点にある。日本車の特徴は価格の安さと、工夫を凝らしたメカニズムによる優れた燃費性能や走行性能だ。日本にいては気付きづらいが、これらは欧州メーカーには真似できない日本車の魅力であり、クラウンスポーツも例に漏れない。

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