全車ハイブリッド搭載の日本専売モデル「トヨタ・アクア」【最新コンパクトカー 車種別解説 TOYOTA AQUA】

コンパクトハイブリッドカー分野のパイオニア「トヨタ・アクア」。2代目となった現モデルは群雄割拠とも言えるこのフィールドでドライバーの高齢化や日常生活の多様化など現代の問題にいち早く寄り添ってきたクルマと言える。操作性、乗降性も含めストレスのない品質の高さは日本専売車ゆえの配慮の行き届いた形となっている。
REPORT:河村康彦(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:大須賀あみ

内装質感や走行性能は好印象 燃費性能と手頃な価格も魅力

初代の誕生からおよそ10年ぶりのフルモデルチェンジで、2021年7月にデビューしたのが現行2代目アクア。

エクステリア

エントリーグレードの足元は15 インチのスチールホイール+キャップとなるが、「Z」は15インチアルミホイールを標準装備。FFのみ16インチアルミホイールがメーカーオプション設定されている。最小回転半径は5.2m。

当初は同クラスにストロングハイブリッドシステムを備えたライバルが存在せず、それだけで有利な戦いを展開できたものの、現在ではホンダ・フィットに日産ノート、さらには身内のヤリスにもハイブリッド仕様が設定されるなど、周辺はまさに百花繚乱状態。

インストルメントパネル

スモーキーブロンズのインパネ加飾や10.5インチディスプレイオーディオ(他グレードは7インチ)は「Z」専用装備。「Z」と「G」に標準装備されるアームレストは、深さ200㎜ほどの収納スペースを兼ねている。

それゆえ、〝高齢化対応〞とも受け取れるクラスを超えたADAS機能の設定や、上級モデルからの〝ダウンサイザー〞を意識した内装質感の大幅アップを図るなど、日本専売という特徴を活かしたクルマづくりが見られる点がひとつの特徴となっている。

居住性

初代には用意のなかった後輪をモーター駆動する〝E-Four〞も設定する2代目だが、テストドライブを行なったのはFF仕様。1.5ℓの3気筒エンジンを組み込んだシステムの出力は116㎰に過ぎないものの、車両重量が1.1t強と軽いこともあり加速の能力は十分。アクセル操作に伴うラバーバンド感もよく抑えられていて、ストレスのない走りが好印象だ。

うれしい装備

電子シフト左側のスイッチにより、POWER/POWER+/ECO/ノーマルと4つのドライブモードを切り替え、異なる走りが味わえる。
非常時給電システムに対応した100V/1500Wのコンセントを標準装備。レジャーで活用するほか、災害時の安心にもつながる機能だ。
月間販売台数     4817台(23年11月~24年4月平均値)
現行型発表    21年7月(一部改良 24年4月)
WLTCモード燃費  34.6 ㎞/ℓ※「X」のFF車

ラゲッジルーム

ダイヤルとプッシュ式スイッチを巧みに組み合わせた操作系や速度とATレンジにフォーカスした表示系も、理解のしやすさと初見でも扱える使いやすさが特筆できる水準。んな隙のない内容や圧倒的な燃費性能、さらには手頃な価格面などを考えると、実は日本のコンパクトカーづくりの実力の高さを象徴する1台と言える存在でもある。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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