燃費だけで選んじゃダメ!意外と違うトヨタ アクアとヤリスハイブリッド、買うならどっち?

実を言えば、ハイブリッド専用コンパクトカーであるアクアと、ヤリスのハイブリッドモデルの中身はほとんど同じものだ。しかし、両車には意外なほど多くの違いがある。それぞれの装備やスペックを比較して、共通する部分と異なる部分を洗い出してみよう。

TOYOTA AQUA × TOYOTA YARIS

アクアのほうが広く、静かで、乗り心地も良好

両車とも同じプラットフォームを用いておりサスペンション形式等も同じだが、ボディサイズは全長が100mm、ホイールベースは50mm違うことで後席の居住性と乗降性は大きく異なる。

アクアのほうがリヤドアの開口面積が広く乗り降りしやすい。後席の頭上空間は同じくらいだが、膝周りに余裕があるのはホイールベースが長いアクアのほうだ。

また、フロントウィンドウに高遮音ガラスを採用するなど静粛性に関してもアクアが上回っている。さらにアクアのZグレードは、フロントサスペンションにレクサス ESでも採用されるスウィングバルブ機構が追加されており、低速域から高速域まで良好な乗り心地を寄与している。

トヨタ アクア Z
ボディサイズ=全長4050mm×全幅1695mm×全高1485mm
ホイールベース=2600mm
車両重量=1130kg
タイヤサイズ=185/65R15(前後)

トヨタ ヤリス ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長3950mm×全幅1695mm×全高1495mm
ホイールベース=2550mm
車両重量=1090kg
タイヤサイズ=185/60R15(前後)

アクアを上回るヤリスハイブリッドの驚くべき燃費性能

両車はパワートレインもほぼ共通だが、燃費性能はヤリスハイブリッドのほうが優れている。アクアZグレードのWLTCモード平均燃費33.6km/Lに対して、ヤリス ハイブリッドZグレードの燃費はそれを上回る35.4km/Lだ。

しかし、運転のしやすさではアクアのほうが優れていると言えよう。アクアには一般的なリチウムイオンバッテリーではなく、電力の入出力性能が高められたバイポーラ型ニッケル水素バッテリーが搭載されており、エンジンを稼働させずに走行できる領域がヤリスよりも広く、アクセルを踏み込んだ瞬間のモーターの力強さでも勝る。

また、ワンペダルドライブが可能となっている点もアクアだけの特徴だ。多少低い燃費性能に目をつぶってでもアクアを選ぶ価値は十分にある。

トヨタ アクア Z
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1490cc
最高出力=91ps/5500rpm
最大トルク=120Nm/3800-4800rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)

トヨタ ヤリス ハイブリッド Z
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1490cc
最高出力=91ps/5500rpm
最大トルク=120Nm/3800-4800rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)

アクアの燃費と居住性のバランスはコンパクトカー随一

アクアとヤリスハイブリッドのスタートプライスを比較すると約10万ほどアクアのほうが高い。しかし、Zグレード同士を比べると価格差は7万円にまで縮まるうえ、装着するオプションによってはアクアのほうがお得になる場合がある。

両車のスペックはほとんど同じだが、居住性や静粛性などの数値に表れない部分では明確に差別化されており、燃費性能で劣るとはいえコンパクトカーとしての総合力で優れるのはアクアのほうだ。

なにより、後席の狭さが目立つヤリスは2名以下の乗車が主体となるだろう。3名以上での乗車が多いなら、迷うことなく燃費性能と居住性のバランスに優れたアクアを選びたい。

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