スズキの人気コンパクトカー「スイフト」4代目は走り・燃費・安全性をレベルアップ、マイルドHEVは163万円【今日は何の日?12月27日】

スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日12月27日は、スズキのグローバルコンパクトカーとして高い人気を獲得している「スイフト」の4代目が発表された日だ。4代目は、マイルドハイブリッドやセーフティパッケージなど先進技術を採用して、軽快な走りに磨きをかけつつ燃費性能や安全技術も充実させる進化を見せた。
TEXT:竹村 純(JUN TAKEMURA)/PHOTO:三栄・新型スイフトのすべて

■先進技術を採用してすべてをブラッシュアップした4代目スイフト

スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト

2016(平成28)年12月27日、2000年の誕生以来進化を続けながら人気を加速させているスズキの「スイフト」の4代目が発表(発売は翌年1月4日)された。4代目スイフトは、走りや燃費、安全性能などすべてにおいてブラッシュアップが図られた。

スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト

スイフト進化の歴史

・初代(2000年~):軽のプラットフォームを流用して誕生
2000年にカルタスの実質的な後継車として国内に投入されたのが、初代「スイフト」である。
スイフトは、軽のプラットフォームを流用し、ホイールベースは軽と同じでトレッドを広げたクロスオーバーSUV風のコンパクトカーに仕立てられ、最高出力88ps/最大トルク12.0kgmの1.3L直4 DOHCエンジンを搭載。コスト低減のため軽「Kei」の多くの部品を流用して、“泣く子も黙る79万円”という低価格をウリにしたが、軽のイメージから脱却できずに現在のスイフトのような人気を獲得することはなかった。

スズキ初代「スイフト」

・2代目(2004年~):基本設計を刷新して人気を獲得
初のモデルチェンジで欧州市場を意識した世界戦略車へと移行。2代目の最大の特徴は、初代で不評だった軽ベースのプラットフォームを止めて、コンパクトカーの専用設計に刷新したこと。
スタイリングは、ワイドトレッドを強調した全体的に丸みのある洗練された欧州車のトレンドを取り入れたフォルムに変貌。さらに、軽量かつ高い剛性のボディによってスポーティで力強い走りを実現した。パワートレーンは、先代と同じ1.3Lエンジンに110ps/14.6kgmの1.5L直4 DOHCを加えた2種エンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ。駆動方式は、先代に続いてFFベースでフルタイム4WDも用意された。

スズキ2代目「スイフト」

・3代目(2010年~):走りだけでなく、“クリーンテクノロジー”で燃費も向上
2010年には3代目スイフトが登場。キープコンセプトのスタイリッシュなデザインや取り回しの良さといったスイフトの魅力はそのままに、軽量化と高剛性を両立させた新しいプラットフォームに刷新され、トレッドとホイールベースも拡大され、直進安定性や旋回性能が向上した。
パワートレーンは、吸排気にVVTを採用した新設計の最高出力91ps/最大トルク12.0kgmの1.2L直4 DOHCエンジンと、5速MTおよび副変速機構付の新CVTの組み合わせ。環境性能の高まりを受けて、2013年のマイナーチェンジで、“スズキグリーンテクノロジー“を採用。具体的には、デュアルジェットエンジンやエネチャージ、S-エネチャージといった電動化技術を採用して、走りだけでなく燃費の良さもアピールした。

スズキ3代目「スイフト」

4代目は、マイルドハイブリッドと予防安全技術を採用

スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト

2016年12月のこの日に発表された4代目スイフトは、さらにダイナミックなスタイリングとなり、軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォーム“HEARTECT(ハーテクト)”や“S-エネチャージ”を進化させたマイルドハイブリッドの採用などで動力性能と燃費性能の両立が図られた。

スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフトに搭載される1.0L 3気筒直噴ターボエンジン
スズキ4代目「スイフト」
スズキ4代目「スイフト」搭載のデュアルジェット エンジン

パワートレーンは、熱効率を向上させた91ps/12.0kgmの1.2L直4 DOHCデュアルジェットエンジンと5速MTおよびCVTの組み合わせ。スポーツグレードに搭載された102psを発揮する1.0L直3 DOHC直噴ターボのブースタージェットエンジンには6速ATが組み合わされた。

新プラットフォーム「HEARTECT」
スズキ4代目「スイフト」の軽量高剛性の新プラットフォーム「HEARTECT」

また1.2Lエンジンには、ISG(モーター機能付発電機)とリチウムイオン電池を組み合わせたスズキ独自のマイルドハイブリッドを搭載し、2WD車で27.4km/L(JC08モード)の低燃費が実現された。

スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト

さらに新たに予防安全技術“セーフティパッケージ”を装備。衝突被害軽減システムの“デュアルセンサーブレーキサポート”や状況に合わせて自動でハイ/ロービームを切り替える“ハイビームアシスト”、前走車との距離を一定に保つ“アダプティブクルーズコントロール”などが採用された。

スズキ4代目スイフト
スズキ4代目スイフト

2WDの車両価格は、1.2L仕様が134万~159万円、1.2Lマイルドハイブリッドが163万~169万円、1.0Lターボが170万円と手頃な価格に設定、これもスイフト人気を支えているのだ。

スズ5代目(現行)「スイフト」
2023年にデビューしたスズ5代目(現行)「スイフト」

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2023年12月に5代目スイフトが登場して相変わらずの人気を獲得している。リーズナブルな価格で、優れた走りと軽快なハンドリングが楽しめる、この圧倒的なコスパがスイフトの大きな魅力である。次期スイフトはEV化という噂もあるが、スイフト伝統の優れたコスパは死守してほしいものだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…