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車体系の課程を有する愛知校・京都校の学生たちが授業の集大成として制作した3台の車両を東京オートサロン2025で発表
日産・自動車大学校は全国に5校(栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校)あり、5校に共通する自動車整備の国家資格取得を目指す学科に加え、モータースポーツ系や車体系(板金・塗装)の課程をもつ自動車整備専門学校。今回、車体系の課程を有する愛知校・京都校の学生たちが授業の集大成として制作した3台の車両を、東京オートサロン2025で出展する。
「NEO SKYLINE」
日産京都自動車大学校 自動車整備・カスタマイズ科4年生制作/制作期間6カ月
NEO SKYLINEはCV35型スカイラインクーペをベース車両とし、「現代のケンメリ(※)」というコンセプトで、1970年代に一世を風靡したケンメリスカイラインをオマージュ。学生たちが新たにケンメリの魂を宿したクルマを造りたいという思いで製作された。
※1972年に発売された4代目スカイライン(C110型)の愛称。当時「ケンとメリーのスカイライン」というキャンペーンにより、多くのファンから、ケンメリスカイラインの愛称で呼ばれたモデル。
このクルマは30代~50代のカスタマーを意識して製作されたが、車名につけられた“NEO”には、ぞれぞれの年代の方々に向けた学生たちの思いが込められている。“N”は 50代の人たちが子供の頃、街中を走るケンメリに憧れていた当時を思い出して懐かしさ(Nostalgia)を感じてもらいたいという思い。“E”は忙しい日々を過ごす40代の人たちに、このクルマで夢中(Enthrall)になってドライブを楽しみ、日常のストレスを発散してもらいたいという思い。そして“O”は、1970年代当時、ケンメリが非常に斬新で独創的なデザインだったように、現代のクルマに見慣れた30代の方々に、今の時代の中での斬新さと独創性(Originality)を感じていただきたいという思いから、それぞれのキーワードの頭文字を組み合わせたものだ。
このコンセプトを具現化するために、ケンメリの部品やデザインをそのまま流用するだけでなく、ケンメリらしさを残しながらも今の時代に合ったスタイルを探求。ボディカラーは、学生が考えたオリジナルカラーの「トモアキブルー」だ。ケンメリのブライトブルーメタリックをベースに、新たにパールを加え、懐かしさの中にも新しさが表現されている。
「Z Lealia」
日産京都自動車大学校 自動車整備・カスタマイズ科4年生制作/制作期間6カ月
Z Lealiaは“家族と歩むスポーツワゴン”をコンセプトとし、刺激と日常を合わせ持ったクルマを目指して企画された。スポーツカーが好きで「フェアレディZ」に憧れるお父さんに、家族一緒にスポーツカーでドライブを楽しんでもらいたいという学生の思いが込められている。車名のLealia(リーリア)とは、英語の「Lead(率いる)」とラテン語の「Familia(家族)」から組み合わせた造語だ。
ベース車両はM35型ステージアだが、同車が持つスクエアなデザインを一新している。最新のRZ34型フェアレディZのような流麗なデザインを実現するために、リヤまわりはフェンダーやルーフを一部切断し、日産リーフのリヤ部分を丸ごと取り付けて溶接。さらにリヤフェンダーをワイド化することで、フェアレディZらしい筋肉質で迫力のあるリヤフェンダーを再現している。
ボディカラーはRZ34フェアレディZ発表当時のイメージカラー「イカヅチイエロー」が採用された。
「ブルーバード・極」
日産愛知自動車大学校 自動車整備・カーボディーマスター科3年生制作/制作期間2.5カ月
日産愛知自動車大学校は、4月から学んできた板金・塗装の技術を駆使しこの車両を製作。製作期間は2.5カ月と短いが、学生の思いや発想が詰め込まれた力作となっている。
ベース車両は36年前に販売していたPU11型ブルーバードの最上級モデル「ブルーバードマキシマ」。センターピラーレスを採用した4ドアハードトップボディを採用し、高級感と広い室内空間で当時非常に人気があったモデルだ。
ブルーバード・極のコンセプトは“ラグジュアリー&スポーツ”で、学生たちと同世代のクルマ好きの若者をターゲットに企画。20代前半で、クルマが好き、ドライブが好き、そしてそんな仲間たちと一緒に盛り上がる時間が好き。仲間たちと楽しい時間を過ごすシーンを想像し、豪華でスポーティに走る、まさに自分の愛車をつくるという思いで製作された。日産のDNAを持つ学生たちがクルマの楽しさを表現し、外装、内装、走りにおいて、すべてを極めたいという思いから「ブルーバード・極」と命名された。
ボディカラーは海や青空を想起させる「オーロラフレアブルーパール」を採用し、若者向けらしく、活動的で若々しい雰囲気が表現されている。