トヨタは現在、TOYOTA GAZOO Racingを通じて国内外のモータースポーツシリーズに参戦している。FIA世界ラリー選手権(WRC)においては、2024年にマニュファクチャラーズチャンピオンに輝いた。
トヨタは2017年にWRCに復帰。WRCにおいては当時からBセグメントクラスの小型のクルマで争われており、トヨタは復帰当初から一貫してラリーカーのベースにヤリス/GRヤリスを採用してきた。
最高峰クラスのWRCでは2022年に技術規則が一新され、ラリー1規定が導入された。このレギュレーションでは市販車のモノコックのほか、パイプフレームで車体を構成することが可能となった。
トヨタのGRヤリス ラリー1はライバルたちと同様にスペースフレーム構造の車体に、カーボンなどで作られた外装を被せている。WRカー時代のようなカナードはレギュレーションで廃止されたが、大型のリヤウィングなどの空力パーツは維持され、高速域でのスタビリティは確保されている。
エンジンはレギュレーションに基づき1.6L直列4気筒ターボ。これにラリー1規定により共通とされたプラグインハイブリッドユニットが組み合わされ、瞬間的にシステム出力500HP/500Nm以上を生み出す。このパワーは機械式5速ギヤボックスと機械式デフを通じて四輪に伝えられる。
エンジンは2024年シーズンに向けてアップデートされ、低回転域でのレスポンスが向上。同時にトルク曲線も改善された。
熟成が進められたGRヤリス ラリー1は2024年、13戦中8戦で勝利を挙げた。そのほとんどをパートタイムドライバーのセバスチャン・オジエとカッレ・ロバンペラによるもので、トヨタ勢はドライバーズチャンピオン獲得の可能性が最終戦ラリー・ジャパンを前に消滅。
その一方で、マニュファクチャラーズ選手権争いはヒョンデとの一騎打ちに。15ポイントビハインドでラリー・ジャパンに臨んだトヨタは最終パワーステージ出走前の時点で同ポイントで並ぶと、パワーステージでトヨタがヒョンデを上回り、大逆転でマニュファクチャラーズタイトル4連覇を果たした。