2024年のGT500をGRスープラが席巻、フロントの軽量化でアンダー克服【2024年チャンピオンマシン振り返り】

2024年のスーパーGT GT500クラスに、3メーカーで唯一トヨタはベース車両を変更せずに臨んだ。マシンの外観はあまり変わっていないが、内部の変更が同シーズンのチャンピオン獲得を後押しした。

日本の四輪モータースポーツ最高峰のひとつであるスーパーGTシリーズ。その上位クラスであるGT500クラスは、いわゆる“ハコ車”として世界最速を誇るカテゴリーだ。

2024年のGT500クラスは、日産がノーマルのフェアレディZからフェアレディZ NISMOへ、ホンダはNSXからシビック タイプRにそれぞれベース車両を変更。それにともない、各陣営がGT500マシンの車体をアップデート。新型車両の活躍が期待された2024年だったが、このシーズンに強い存在感を示したのは、唯一ベース車両を変更せずに臨んだトヨタだった。

トヨタは2024年を前にした車両開発に際し、フロント周りの軽量化を敢行。エンジンのシングルスロットル化など大幅な変更を行うことで、長年課題としてきたコーナーミッドでのアンダーステアを克服した。

悪天候などで熟成やタイヤとのマッチングが思うように進まなかったライバルを尻目に、トヨタ陣営はは2024年の全8戦で6勝をマークした。とりわけ、36号車au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は開幕戦岡山、第8戦もてぎ、最終ラウンドとして開催された第5戦鈴鹿で勝利。第5戦鈴鹿の予選でポールポジションを獲得して決勝レースを待たずにタイトルを決めたほか、最終的にはランキング2位に33ポイントの大差をつけてシリーズを席巻した。

ただ、2025年は日産、ホンダ陣営の各チームも車両のセットアップやタイヤとのマッチングなどを詰めてくるはず。2024年のようなワンサイドな展開にはならないだろう。

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