【タイモーターエキスポレポート】

日本円で約470万円!三菱トライトン特別仕様車『ブラックエディション』は充実装備でお買い得な4ドアモデル!! FRのみでもいいから日本導入熱望

微笑みの国、タイの首都バンコクで、2024年11月28日~12月10日の期間で、国際モーターショー「第41回モーターエキスポ2024」が開催された。タイは、日系ブランドが大きなシェアを持つ日本車大国でもある。そこで出会った日本では出会えない日本車を紹介したい。今回は日本でも人気を集める三菱のピックアップトラック「トライトン」なのだが、現地で発表されている特別仕様車をとりあげよう。
REPORT:大音安弘(OHTO Yasuhiro) PHOTO:大音安弘(OHTO Yasuhiro)/MITSUBISHI

日本への再導入が話題となった三菱のピックアップトラック「トライトン」だが、その故郷こそがタイである。現地には三菱自動車として最大の生産工場があり、日本向けのトライトンの製造も行われている。

日本にも導入が再開された三菱トライトン。写真は最上位グレードGSR(日本仕様)だ。

2023年7月にタイでワールドプレミアを実施した新型トライトンは、全ての仕様が新型へと切り替えられており、フルラインアップを持つ日本車ピックアップトラックとしては、最もフレッシュなモデルとなった。

日本再導入で再注目のピックアップ「三菱トライトン」【最新国産SUV 車種別解説 MITSUBISHI TRITON】

三菱の世界販売台数の2割を占める大黒柱「トライトン」。国内ではオフロード性能の象徴と言えるモデルの不在が続いたなかで 、23年末に輸入モデルとして待望の再登場となった。パジェロ譲りの4WDと現在の世界的なトレンドを装備して、オンロードの乗用車としてもハイレベルで洗練された性能は特筆に値する。 REPORT:佐野弘宗(本文)/佐野弘宗(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:星香

日本未導入グレードも多数存在!特別仕様車も登場!!

日本仕様は、ダブルキャブボディの最上位グレード「アスリート4WD」に近い仕様となっているが、タイのトライトンのボディバリエーションが豊富。基本となる2ドアの「シングルキャブ」を始め、フロントシート後部を拡大し、小型のリヤドアを追加した観音開き式ドアを持つ「メガキャブ」も用意。駆動方式は、仕様によりFRと4WDが使い分けられている。またビジネスカーなので、ベーシックなモデルにはMTの設定も多いのだ。

三菱トライトン「メガキャブ」(写真はタイ仕様だが、カスタム済みのもの)。

「GSR」の540万円より安い! 2シーター+ラゲッジルームの三菱トライトン「メガキャブ」は遊べるピックアップトラック! 日本導入もアリでは?

日本への再上陸を果たした三菱トライトンは、そのワイルドなスタイルや高い悪路走破性から大きな注目を集めている。日本ではSUVの亜種として、ダブルキャブの4WD仕様のみが導入されるが、それはトライトンの一面に過ぎない。今回は、新興国を中心に活躍する働くトライトンを紹介する。 REPORT&PHOTO:大音安弘(OHTO Yasuhiro)

そのトライトンに、今夏、早くも限定車が設定された。それが「ブラックエディション」だ。その名が示すように、黒をアクセントに取り入れた特別仕様車である。「ディスラプター」をコンセプトに、スポーティかつタフなトライトンに仕上げたという。

三菱トライトン「ブラックエディション」は、外装を専用仕様とした特別仕様車だ。

特別仕様の内容は、エクステリアのドレスアップとなる。フロントマスクを、より精悍なブラックダイナミックシールドとし、足元には、ブラック仕上げの18インチアロイホイールを装着。ドアミラーに加え、テールゲートハンドルを含むドアハンドルがブラック仕様に。さらにサイドステップとリヤバンパーのステップには、スモークチタンのアクセントパーツが加えられた。さらにボディサイド後部には、専用ロゴステッカーが装着されている。

フロントマスクのダイナミックシールドはブラックアウトされ、より精悍さを増したフェイスとなっている。
リヤフェンダーには「BLACK」を強調した専用ロゴステッカーを装着。
展示車両の18インチアロイホイールには265/60R18サイズのブリヂストン「DUELER H/T 684II」を装着。

ベースとなるのは、「ダブルキャブプラス ウルトラ AT」だ。これはアスリートのようなドレスアップこそ施されていないが、標準車のダブルキャブの最も豪華な仕様となっている。
搭載する2.4L直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、日本仕様とは異なるスペックのもので、最高出力184ps/3500rpm、最大トルク430Nm/2250~2500rpmを発揮する。トランスミッションは、グレード名が示すように6速ATのみ。駆動方式は、後輪駆動のみとなる。

三菱トライトン「ダブルキャブプラス ウルトラ AT」は、日本仕様のGLSと似ているが、エンジン性能や駆動方式など仕様が異なる。

ベース車の装備は豪華で、android AUTO Apple Car Play対応の9インチタッチスクリーンオーディオ、運転席パワーシート、レザーシート、レザーステアリング、後席用サーキュレーター、LEDヘッドライトなどに加え、オートマチックハイビーム(AHB)、前方衝突軽減機能(FCM)、ブラインドスポットワーニング(BSW)、レーンチェンジアシスト(LCA)、マルチアラウンドビューモニター(MAM)、リヤクロストラフィックアラート(RCTA)といった先進の安全運転支援機能まで備える。

SUVとしたインテリアは、日本のトライトンに近いもの。
シートは前席がレザーシート仕様に。
後席は3名乗車仕様となるのも日本仕様同様だ。

FR+6速ATのみだが、装備を考えればお買い得?

ボディカラーは、「ホワイトダイヤモンド」と「グラファイトグレー」の2色となり、価格は、102万7000バーツ。日本円だと約470万円だ(1バーツ/4.57円換算)。因みにベース車と同価格なので、お買い得仕様車でもあるのだ。

展示車は、白のホワイトダイヤモンドカラーのものだ。

展示車は、ホワイトダイヤモンドを纏ったもの。美しいホワイトのボディに、ブラックパーツが映えるスポーティなトライトンに仕上がっていた。内装も豪華仕様なので、日本のトライトンと比べても見劣りはしない。つまり、現地の比較的所得がある人向けの特別なトライトンなのだ。

一つ上のグレードとなる「アスリート」ならば、エンジンスペックも日本仕様と同等となるし、よりスポーティなドレスアップが加えられるが、同じ2WD仕様でも9万8000バーツも高くなる。約44万円差があれば、ブラックエディションのお得感も理解できる。

荷台後方の左右に装着されるブラックエディション専用デカール。

このように、ピックアップトラックにドレスアップ仕様が設定されるのも、タイがピックアップトラック天国であることの証といえよう。ちなみに、日本仕様のエントリーグレード「GLS」は4WDで498万800円なので、日本のトライトンは、かなりお買い得なのだ。

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著者プロフィール

大音安弘 近影

大音安弘

1980年生まれ、埼玉県出身。幼き頃からのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後…