スバルがデトロイトショー14でワールドプレミア予定の第4世代「スバルWRX STI」画像を事前公開【今日は何の日?1月3日】

スバル「WRX STI」(日本仕様)
2014年にデビューしたスバル「WRX STI」(日本仕様)
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日1月3日は、スバルが1月13日に開幕する“デトロイトショー14”でワールドプレミア予定の第4世代「スバルWRX STI(北米仕様)」を、事前にスバル米国が予告と画像を公開した日だ。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・歴代スバルWRXのすべて

■第4世代WRX STIの2015年デビューを画像とともに事前に告知

2014(平成26)年の1月3日、米国スバルが第4世代「スバルWRX STI(北米仕様)」の画像とともに2015年にデビューすることを告知した。なお新型WRX STIは、10日後の1月13日から開催されたデトロイトショーでワールドプレミアされた。

スバル・WRX STI米国仕様
スバル・WRX STI米国仕様
スバル「WRX STI」(日本仕様)
スバル「WRX STI」(日本仕様)

WRX STIの始まりはインプレッサWRX STi

スバルWRX STIの先代にあたるのは、「スバルインプレッサWRX STi」である。

スバル「インプレッサ セダン」
1992年にデビューしたスバル「インプレッサ セダン」

インプレッサは、レガシィよりひと回りボディを小さくした弟分として1992年にデビューした。4ドアセダンとコンパクトなラゲッジを持つ5ドアのスポーツワゴンが設定されたが、セダンにはトップグレードとして高性能ターボエンジンを搭載したスポーツセダンWRXが設定された。

スバル「インプレッサセダンWRX」
1992年にデビューした高性能スポーツセダン、スバル「インプレッサセダンWRX」

インプレッサに搭載されたエンジンは、すべて水平対向4気筒エンジンで、WRX専用の最高出力240ps/最大トルク304Nmを発揮する2.0L DOHCターボ(EJ20型)を筆頭に、1.8L SOHC(EJ18型)、1.6L SOHC(EJ16型)、1.5L SOHC(EJ15型)の4機種で構成。駆動方式は、MTにはビスカスLSD付センターデフ式4WD、ATにはトルクスリップ式4WDを組み合わせ、1.6Lと1.5Lの下位モデルにはFFも用意された。

WRCで活躍するスバルWRX
WRCで活躍するスバルWRX

人気を獲得したインプレッサは、さらなるイメージアップのため1993年にインプレッサWRXで世界最高峰のWRCへの挑戦を決断した。WRC参戦のために、STI(スバルテクニカインターナショナル)が中心に手掛けた「WRX STi」をコンプリートカーとして1994年1月に市場に投入。これがWRX STIの始まりであり、EJ20ターボエンジンのファインチューニングによって最高出力250ps /最大トルク309Nmへ高められた。

WRXとSTIによる進化の成果はすぐに結実し、WRCで1995年から3年間マニュファクチャラーズタイトルを獲得するという、日本初の偉業を成し遂げ、インプレッサWRXは世界中の走り好きが憧れるスポーツモデルへと駆け上がったのだ。

その後のWRX STIの進化

インプレッサWRX STi
1994年にデビューしたスバル・WRXを250psにチューンアップした「インプレッサWRX STi」

その後も、インプレッサWRX STiは、WRXタイプRA STiや22B STi Version、S201 STi Version、カタログモデル化されたWRX STi Ver6まで進化を続けた。

スバル「インプレッサWRX タイプRA STi」
1994年にデビューした275psを発揮したスバル「インプレッサWRX タイプRA STi」

2000年には、インプレッサWRX は2世代目に移行。3ナンバーボディになったWRX STiは、ボディの強化はもちろんのこと、エンジンも可変バルブタイミング機構を備えたEJ20ターボは、最高出力280ps/最大トルク373Nmを発揮。ただし、個性的な丸目ヘッドライトのフロントマスクが不評だったので、2年後の2002年11月には、涙目と呼ばれた大型ヘッドライトに変更された。

スバル「インプレッサ 22B-STi」
1998年にデビューしたスバル「インプレッサ 22B-STi」

2007年6月にインプレッサの標準車が3世代目に移行。最大の特徴は、モデルラインが5ドアハッチバックに集約されたこと。同年10月にWRXもデビューするが、こちらも高性能仕様の「WRX STI」に集約され、ボディタイプも5ドアハッチバックのみに変わった。この背景には、WRCのライバルたちがコンパクトなハッチバックに切り替えたために、大きさと重量でセダンが不利になったという事情があった。

また、WRX STIに輸出用の2.5Lに5速ATを組み合わせた、いわば大人向け仕様が追加され、2010年には4ドアセダンが復活した。

2014年に登場した第4世代WRX STI

スバル4代目「WRX STI」(日本仕様)
2014年のデビューしたスバル4代目「WRX STI」(日本仕様)

第4世代となるWRXは、インプレッサから完全に独立したモデルとなり、セダンは2014年8月に車名「WRX S4」としてデビュー、WRX STIも同日に発売された。同年1月15日には、米国仕様が、いち早くデトロイトショーでワールドプレミアされたのだ。

スバル「WRX STI」(日本仕様)
スバル「WRX STI」(日本仕様)

STIは、従来のEJ20型エンジンをチューンアップして、最高出力308ps/最大トルク422Nmを発揮。強化型6速MTを始め、DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)方式AWD、油圧パワーステアリング、ブレンボ製ブレーキシステム、BBS製鍛造18インチアルミホイール、大型リヤスポイラーなどの高性能化パーツが積極的に採用されていた。車両価格は、標準仕様で379.1万円である。

スバル「WRX STI」(日本仕様)
スバル「WRX STI」(日本仕様)

なお、2014年1月にデトロイトショー14でワードプレミアされた米国仕様のWRX STIは、2.5 L水平対向4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力309ps/最大トルク393Nmを発生。トランスミッションは6速MTのみだった。

スバル「WRX STI」(日本仕様)
スバル「WRX STI」(日本仕様)

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WRC参戦からは撤退したWRX STIだが、今も世界中の熱狂的なスバリストから熱い支持を受けている。スバルのスポーツモデルの象徴として、今後も進化を期待したい。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…